第10回相談
おじゃま虫(メガネ)さんが気になります。
詳しいプロフィールを教えて下さい。

「さあ、今回の相談です。某MLでの宣伝効果があったのか、久々に自作自演ではない相談です。全く、意地汚いですね、館長は」
「毒づかんでくれ。少しでも自分のホームページを盛り上げたいという管理人の気持ちがわからんのか」
「わかりませんね。そもそもここの相談に対する回答が意味不明すぎて、大多数の人は何を言っているのかわからないと思います。そういうところから改めれば、自然に我も我もと相談室には長蛇の列ができることになるでしょう」
「なるほど。なら、今回は真面目に答えよう」
「真面目に答えるだけでは面白くないのです。適度にネタを交えることですね」
「なるほど。では、早速今回の相談に答えようか。おじゃま虫(メガネ)さんのプロフィールだが、ここはやはり本人に登場してもらった方がいいだろう」
「おじゃま虫は勝手に出てくるからおじゃま虫ではないでしょうか。こちらから呼んだら、彼の存在意義もなくなってしまうのでは」
「細かいところにつっこまなくていい。言わなければ誰もそんなことに文句をつけたりはしないのに」
「まあ、いいでしょう。では、おじゃま虫(メガネ)さんの登場です。どうぞー」
「どうも、おじゃま虫(メガネ)です」
「まずは本名と年齢を教えていただきたいのですが」
「どうも、おじゃま虫(メガネ)です」
「いや、だから本名と年齢を…」
「どうも、おじゃま虫(メガネ)です」
「これは、いったいなんなんだろうね、秘書君」
「おそらく、彼には決まったパターンのセリフしかしゃべれないようにインプットされているのではないでしょうか。つまり、RPGでいうところの『アリアハンの街へようこそ』などという町の人と同レベルなのでしょう。だから何を言っても同じ回答しかしないのだと思います」
「でも、普段はもう少し違ったセリフを言っていなかったか」
「それはその時は別のセリフがインプットされていたということでしょう。今回はいつものパターンと違い、こっちからおじゃま虫を呼び寄せてしまったため、バグが起こってしまったのでしょう」
「おじゃま虫だけにバグか。こりゃ、傑作だ。ははははは」
「笑わないでください。とにかく、おじゃま虫(メガネ)が使い物にならない以上、我々が彼のプロフィールを教えてあげねばなりません」
「プロフィールも何も上の方にちゃんと紹介文が書いてあるではないか。年齢、国籍、職業などすべて不明なのだ。これ以上わからんから不明と書かれているのではないか。正体不明の人間の情報を手に入れることなど、一般人であるわたしには不可能だ。諜報員じゃないんだから」
「テキトーにでっちあげちゃえばいいんですよ。おじゃま虫も今は行動不能ですから、ここで適当な設定を作り上げればそれが正しい設定となりますよ」
「なるほど、方倉陽二が『ドラえもん百科』の中で作った、ドラえもんはネズミに耳をかじられて青くなったとか、ドラミちゃんがメロンパンが好きだとかいう設定が後に公式設定になったのと同じようなものだな」
「いらんことをいうな」
「まあいいだろう。では彼の正体を発表しよう。実はこれは着ぐるみで、中にはバイトの苦学生が入っているのだよ」
「ウソつけ。ピ○チュウや、ドラ○もんならともかく、こんなメガネの着ぐるみに入るやつなどいるはずがなかろうが」
「時給400円だ」
「安っ!」

館長への相談がある方はこちらへどうぞ


第9回相談
最近、TV番組が面白くありません。
面白いTV番組はなにかありませんか?

「まったくそのとおりだよ。最近のTV番組の軽薄化は見るに甚だしい」
「でも見てるんでしょう」
「特定の番組しか見んがな」
「爆笑オンエアバトルとかですね」
「そういうことだ。いい番組というやつはな、番組の形式を大きく変えたりはしないものなのだ。この番組は開始当初からのスタイルをずっと貫いている。アタック25なども長く続いているというのは根本的なところを変えていないからだ。結局のところ根強い人気がある番組というのはそういうものなのだ。そういう番組は、終わってしまったとしても、ファンの間では思い出として残る。しかし、今の下らんバラエティ番組にそこまで思わせる力はないだろうな。嘆かわしいことだ」
「なにがTV番組をそこまで変えたのでしょうか」
「わたしが思うのは、あの視聴者を小馬鹿にしたテロップの存在だよ。あれはいらんだろう。何回も言ってきたと思うが、音なしでも何をしゃべっているかわかるというのは腹が立つ。あんなものなくとも十分面白さがわかるだろうに」
「耳の不自由な人への配慮ではないでしょうか」
「そんなことはない。TV局の連中がそんな殊勝なことを考えているはずがなかろう。それに耳の不自由な人は、これまでTVなど見てこなかっただろうから、これからも同じだ」
「その発言は、社会的弱者に対する暴言ではないでしょうか」
「細かいことは気にするな。社会的弱者はこんなページなど見ておらんよ」
「その態度が問題なのです」
「で、テロップの問題に移るのだが、やはりこれがTV番組を軽薄化させた原因の一つだろう。視聴者が考えることをしなくなってしまうからな。気楽に見られるような番組づくりをやっているから番組がつまらなくなる。ステレオタイプ化してしまうのだよ。この前、『エンタの神様』という番組を見たんだがな。まあ最近のお笑いブームに便乗した下らん番組なのだが、芸人がネタをやっていると聞いてとりあえず見てみたのだ。だが、あのうざいテロップに閉口させられたわ。ネタにテロップを出すなんて視聴者を馬鹿にする以前に芸人を馬鹿にしている。多少ならわかるが、ほとんど全てで出してやがったからな」
「民放はホント馬鹿ですよね」
「そうだ。NHKを見習え。スポンサーや視聴率など気にする必要もないから、テロップで視聴者の注意をひきつける必要もない。実に清々しい番組ではないか。そんな中で、『プロジェクトX』だとか『真剣10代しゃべり場』だとか秀逸な番組が出てくるのだ。民放は視聴率ばかりを気にするから、子供の感受性を高めるためのアニメ番組とかもほとんどなくなってしまったからな」
「館長は最近のアニメ番組減少には本当に熱く語りますね」
「語りたくもなるさ。オレは子供の頃はアニメを見て育ったから、今の子供たちがアニメを見て育つことがないというのが哀しいんだ。新作アニメを見ようとは思わんが、なくなるのも寂しすぎる。だいたい今の子供たちが大人になったとき、子供の頃面白かったアニメは何かと聞かれたら、『コナン』とか『ポケモン』とかしか答えんのだろうな。選択の幅が狭まったものだ」
「そうかもしれません」
「コナンといっても『名探偵コナン』のことだぞ。『未来少年コナン』ではない」
「わかってますって。今のガキは『未来少年コナン』なんて知らんでしょう」
「コンナンでましたけど〜」
「いらんことをいうな」
「ま、テレビの軽薄化もあれだが、わたしは見る側にも問題があると思うね。下らんことに差別だなんだと目くじらを立てすぎる。それでは面白いものも作れないではないか。番組を盛り上げるのに必要悪なことだってある。最近ではこともあろうに、しずかちゃんの入浴シーンなんかも規制されているというではないか」
「しずかちゃんの入浴シーンは、番組を盛り上げるというよりは、藤子・F・不二雄氏の趣味という見解もありますが」
「そうかもしれんが、しずかちゃんの入浴をネタにした面白い話もたくさんあるのだぞ。それを子どもに悪影響とかいう理由だけでつぶしてしまっていいのか。そんなことに文句をつけるんだったら、なぜ『ご長寿早押しクイズ』にクレームをつけないんだ。あれはどう見ても年寄りをバカにして見世物にしているぞ。目の付け所がズレてるんだよ、今の大衆連中は。ズレータだ」
「ダイエーの新外国人の名前じゃないですか。誰でも思いつくようなしょうもないことは言わんでよろしい。質問の本筋を外れましたね。面白いTV番組は何かということです。オンバトはもういいので、それ以外でお願いします」
「そうだな。法学部出身ということで、よく見ているのは『行列のできる法律相談所』だろうか。ただ、あの番組もテロップは多いがな。ためになる番組であるのは確かかもしれんな」
「法学部出身者だからでしょう」
「そうでもないぞ。内容以外にも、北村弁護士と丸山弁護士の争いがなかなか面白い。あと、みんなはとっくに忘れているかもしれんが、今は笑わないキャラで通っている北村弁護士だが、番組開始当初は結構大笑いをしていたのだ。おそらくスタッフに指示されて『笑うな』とか言われて、無理矢理そういうキャラにされてしまったのだろうな。気の毒だ。あと橋下弁護士、あいつはいらんな。久保田弁護士はなぜ弁護士軍団をクビになったのだ。まだ久保田の方がよかった。たまに言うとんちんかんなセリフがまた笑わせてくれるからな」
「民放の下らん番組でも、結構好きなんじゃないですか。この好き物が」
「いやいや今日は長い文章を喋りすぎた。疲れた疲れた」
「今までとそれほど変わったようには思いませんが、そんなに疲れたんですか?」
「ワレノネムリヲサマタゲルモノニハ 死ヲ 死ヲ」
「それは、憑かれたんです」

館長への相談がある方はこちらへどうぞ


第8回相談
たまに、町なかで、道端に座って、人が通るたびに
なにやらカチカチと人数をカウントしているような人がいますが
あれは何をやっているのでしょうか?
何の目的でやっているのでしょうか?
彼らは一体何者なのでしょうか?

「ほうほう、なるほど。これはわたしも気になっていたのだ。気になって気になって夜しか眠れんかった」
「普通じゃないですか。なに、昼も寝ようとしているんですか。寝すぎです」
「寝る子は育つというではないか」
「寝すぎるのも良くないそうですよ」
「そういうものか。まあいい、本題に戻ろう」
「確かに質問のような人たちをたまに見かけますね。館長は彼らの正体を知っているのですか」
「ああ、調べた結果、わかったのだ。ええと、あれだ。叫ぶ詩人の会とかいう連中だ」
「日本野鳥の会の間違いじゃないですか。会しかあってないじゃないですか。全然違いますよ」
「ああ、そうだ、その会だ。彼らは道路を通行する人間をカウントすることで、本番においてミスをしないよう練習を積んでいるというわけだね。年に一度の活動の集大成である、紅白歌合戦で、間違えないよう数えるためにもな」
「あれは副業です。活動の集大成のはずがないでしょう」
「そうなのか。じゃあ、活動の集大成は一体なんなのだ」
「野鳥を数えるんでしょう。わたくしも詳しくは知りませんが。だいたい、団体名が『日本野鳥の会』というぐらいですから、メインは野鳥でしょう」
「大晦日の忙しい時に紅白を見にきているような観客など、野鳥同様クズみたいなものだろう」
「こら、失礼なことを言うな。殴殴殴殴」
「ひーっ、ごめんなさい」
「許すものか。きさまは殴られるだけのことをしたんだ。殴殴殴殴」
「許してください。もう言いません」
「反省しろ、この野郎。殴殴殴殴」
「反省しろ、この野郎。殴殴殴殴」
「反省しろ、この野郎。殴殴殴殴」
「反省しろ、この野郎。殴殴殴殴」
「反省しろ、この野郎。殴殴殴殴」
「どうですか、館長。5人がかりで殴られた感想は」
「わかった、もう言わない。だからもう勘弁してください」
「わかればいいのです。さあ館長、血をふいてください。放っておくと出血多量で死にますよ」
「ああ、ありがとう」
「まったく、館長の発言は野鳥に失礼です」
「そっちかい」
「紅白を見にきている観客は、クズですから」
「その意見は同じなんだな」
「その意見は同じなのです」

館長への相談がある方はこちらへどうぞ


第7回相談
館長の母校の有名人について教えてください。

「つまらん質問だ。こんなことを聞いて何になるというのだ。他人の恋愛話と同じくらいつまらん。年刊ツマランだよ」
「なんですか、年刊ツマランというのは」
「かつて『サンデー』に『今日から俺は!』という漫画が連載されていただろう。その中に出てくる人物・中野が読んでいた雑誌だ」
「誰も知りませんよ、そんなこと」
「確かに。あの漫画に出てくるキャラは個性は強いが、名前は、いたってありきたりだからな。主人公クラスのキャラクターの名字が伊藤というのは平凡すぎる」
「そういう問題ではないと思います。中野というキャラクターも確かに名字はありきたりですが、中には知っている方もいらっしゃるでしょう。ですが、その年刊ツマランという雑誌の存在を知っている人は、皆無でしょう」
「わたしが個人的に、ごく一部で流行らせた」
「流行らせないでください」
「わたしは、昔から漫画とかに出てくるちょっとしたフレーズなどを仲間内で流行らせるのが好きでな。他には『スラムダンク』で、花道が安西先生のアゴをよくタプタプやっていたが、わたしも中学時代、太っている友達のアゴをよくタプタプしていたものだ」
「いい迷惑ですね。で、そんなことはいいですから、質問に答えてあげてください。毎度毎度のことながら前置きが長いですよ」
「毎度ー!」
「岩本勉のマネをしないでください」
「違う、ストリークだ」
「誰も知りゃあせんと言うとろうが」
「ストリークというのは、baseよしもと所属の若手漫才コンビのことであ〜る」
「『プロゴルファー猿』に出てくるゴルフボール(田中真弓)の用語解説のマネをせんでいい」
「プロゴルファー猿といえば、わたしは先日、クイズサークルの例会に出席した際、『魔太郎がゆく』という回答をして、正解の恩恵にあずかったのだが、後でそれを調べてみたところ、『魔太郎がくる』というのが正しいタイトルだったのだ」
「なんですか、『魔太郎がくる』というのは」
「藤子不二雄A大先生の作品だよ。昔から大の藤子不二雄ファンで、藤子漫画や藤子アニメはほぼ欠かさず見てきた。周りでは、エロアニメとの烙印が押されてしまった『エスパー魔美』ですら、毎回見ていたものだ。そのわたしが、クイズで藤子問題をミスってしまったというのがこの上なく悔やまれる。しかもミスで正解にしてもらっているのだから、よけいにな」
「館長はAよりF派じゃないんですか」
「ばかもん。藤子先生はどちらも藤子先生だ。AがいるからこそFも輝きを増すのだぞ。それにわたしは『忍者ハットリくん』も『プロゴルファー猿』も大好きだった。Aの漫画はオチのところだけワク線が太かったり、叫び声が『アヒー!』とか『ドシー!』とか、ありえない音だったりとFとは違った見所があるのだ」
「藤子不二雄談義はこのへんにしときましょう。母校の有名人の話に戻ってください」
「母校の有名人といっても、わたしの母校には特筆すべき有名人はいない。よく母校の有名人談話に花を咲かせている人を見かけるが、実につまらん。年刊ツマランだ」
「はやらせるなっちゅーの」
「有名人といえば、おお、いたいた。わたしの母校の小学校は島田荘司が通っていたらしい。と、いっても途中で転校していったらしいが」
「それはすごいじゃないですか」
「そうでもないぞ。確かに作家としては有名だが、若者があまり小説に興味を持たなくなっている昨今、彼は決してメジャーな部類に入るものではないぞ。それよりかは、二流、三流でもまだタレントや歌手の方がいい。『占星術殺人事件』は面白いが、決して万人に知られているわけではないからな」
「まあそうですね」
「で、二流、三流の芸人だが、高校では、WAHAHA本舗の梅垣義明がわたしの母校出身だ」
「あまりメジャーではない人なので説明してあげてください」
「そうだな。有名な芸で言えば、豆に鼻をつめて飛ばすという芸が有名かな」
「怖えーよ。逆だろ。『鼻に豆をつめる』でしょう」
「想像したら、ちょっと笑えるぞ。1回こっきりしかできない、命がけの芸だがな。ハハハハハ」
「笑わないでください」
「ま、あれこれ言ってきたが、結局、わたしの母校で最も有名な人物といったら、このわたししかいないということになるかな」
「………」
「なぜ、黙る」

館長への相談がある方はこちらへどうぞ


第6回相談
夏に入り、ゴキブリシーズンの到来となりました。
毎年この季節は憂鬱です。
ゴキブリへのよい対処法はありませんか?

「わたしもゴキブリは大嫌いだ」
「好きな人はいないでしょう。そんな当たり前のことは言わないでください」
「それにしても本当にゴキブリは嫌な生物だ。何一つ他を益するものがない。雷というやつも要するにエネルギーの浪費だ。ただ、荒れ狂うだけで、何一つ他を益するものがない」
「後半は関係ないように思いますが」
「要は、ゴキブリというやつは、雷同様タチの悪いやつということだ」
「で、ゴキブリへの対処法は?」
「そんなものこっちが知りたいわ。わたしの部屋は1階の、しかも台所のすぐ近くにあるから、夏場はゴキブリに何度か遭遇するハメになる。そもそもゴキブリというやつは昼間はまったく姿を見せないのに、なぜ夜になるとあんなにでかいやつが姿を現すのだ。昼間はどこへ隠れているんだ」
「確かに不思議ですが、家の中にはいろいろなものがありますから、物陰にひっそりと隠れているのでしょう」
「いや、それにしても昼間にまったく目撃証言がないというのはどう考えてもおかしい。わたしの部屋はそんなに広くなく、すこし探せば十分見つけ出せるはずだ。にもかかわらず昼間は見つからず、夜になると、時には一度に2匹とか姿を現すこともある。絶対おかしい。生物学的におかしい。昼間には消えているとしか思えん」
「熱弁をふるわないでください」
「ふるいたくもなるさ。誰もがゴキブリは嫌いなのだ。ゴキブリがいなくなることを切に望んでいるのだよ。もし、仮にだよ。まずありえないとは思うが、万が一にもゴキブリが絶滅に瀕したとしたらどうするのだろうか。やはり保護するのだろうか」
「するんじゃないですか」
「いや、しないと思う。万が一ゴキブリが絶滅に瀕したとしたら、その時は、ゴキブリに思い残すことがないよう、すみやかに処刑するはずだ。というか、それをしないというのは人間としておかしい」
「人間としてはおかしいかもしれませんが、生物学者としてはおかしくないのですよ」
「君は、いちいち正論を言うな」
「それがわたくしの役目ですから。で、ゴキブリへの対処法は?」
「ゴキブリで怖いのは不意に現れた時だ。部屋に入っていった時、いきなりカサカサと動かれたら誰でもビビるわ。そういう時にどう対処するかだな。殺虫スプレーを部屋に常備しておくというのも手だろうが、必ずしもそういうわけにはいかないからな。ゴキブリホイホイは確かに楽かもしれんが、たいして効果もない上、いざゴキブリホイホイに捕えたゴキブリを見る時には、大量のゴキブリ野郎どもが蠢いている姿を見せつけられ、気分が悪くなる。風呂場なら楽だ。洗面器にお湯をくんで、お湯アタックを食らわせればあっさり殺せるからな。雑誌などで叩くこともなく、自分の手を汚さずに殺せる」
「でも処分するのも煩わしいですよね。そのまま放置しておくわけにもいかないし」
「まったくその通りだ。とにかくがんばってくれとしか言えん。ゴキブリに対する有効な対処法があるのなら誰も苦労しないのだから」
「今回は普通の相談になってしまいましたね。笑いがありません」
「それだけ皆がゴキブリに対し、不快感を抱いているということだよ」
「でも、これだけでは、あまりにも面白くありません。少し面白いことを言ってください
「『ドラミちゃんのうた』の歌詞に、『だけどね、ゴキブリ大嫌い』という歌詞があるのだが、ゴキブリは誰でも嫌いだ。わざわざ歌詞にすなっ、と言いたい。ゴキブリはのび太のママでも嫌いなんだから」
「もう、一押し」
「流血のシャワーを浴びるがいい」
「その意味不明なところが最高です、館長」

館長への相談がある方はこちらへどうぞ


第5回相談
このあいだテレビに出て、賞品や賞金を頂いたのですが、
 職場で「おごってくれ」とみんなに囲まれ、困っています。どうしたらいいでしょうか。

「おごってくれ」
「いきなりかい」
「当然だろう。テレビに出て働かずして金をもらったのだから、お世話になった人におごるぐらいのことは当然のことだ」
「別に働かずして金をもらったというわけではないでしょう。出演して、それなりに頑張ったから賞品や賞金を頂いているわけです。それ以前に館長はたぶん世話をしてはいないと思います」
「いつもながら、厳しいな。泣けてくる」
「館長の思い上がりを正しているだけです。さあ、相談に答えてあげてください」
「そうだな。しかし囲まれるだけでも、素晴らしいことだとは思わないか。わたしも実はちょっと前に、とあるクイズ番組に出演し、そこそこの賞金と、ほどほどの賞品を頂いたのだが、ちやほやされることなく、囲まれることもなかった」
「人気がないからでしょう」
「違う。2位だったからだよ。賞金もたかだか5万だったからな。周りの心優しい友人たちは、その程度で『おごってくれ』というのは、しのびないと思ったのだろう。いい友人を持ってわたしは幸せだ」
「違います。人気がないからです」
「いつもながら、厳しいな。泣けてくる。ちやほやしてよ〜、ちやほやしてよ〜、ねえ、ねえ、ねえ、ねえ、ねえちやほやぐらいできるでしょう」
「ソニンの『津軽海峡の女』を歌わないでください」
「ま、とにかく、周りの人に『おごってくれ』と言われるというのは、それだけ人間関係が豊かだということだし、人から好かれているということになる。それにテレビに出ることで、一時的にとはいえ、ちやほやされ、芸能人の気分を味わえるのだ。ここは、テレビ出演による有名税と、素晴らしい友人たちを大切にするための投資と割り切って、ラーメンくらいおごってやるのが筋というものではないだろうか」
「素晴らしいご意見です」
「ラーメンごときで満足して、忠誠をちかってくれればもうけものだしな。スネ夫だって、取られるリスクを覚悟して、ジャイアンに漫画やラジコンを貸すことで媚びを売り、ジャイアンの暴力から逃れているのだ。それが生きていくための知恵ということだ」
「いちいちドラえもんに例えんでいい」
「別にラーメンといっても、ブロッケンマンから作られたラーメンでもいいのだから」
「作れません。アニメの設定を出さないでください」
「ラーメンマン役の蟹江栄司さんが実にいい味を出していてな。登場当初のコミカル路線と中盤以降のシリアス路線と、キャラクターを見事に演じ分けている。若くして亡くなられたのだが、つくづく惜しい人を亡くしたものだ」
「もうええっちゅうとろうが、やれ、ウォーズマン」
「………」
「ゲエッ、立ったままKOされている」
「あんたらは、だまっとれ」
「と、いうわけで、わたしにもおごってくれ」
「あんたにゃ、おごらん」

館長への相談がある方はこちらへどうぞ


第4回相談
今年は阪神タイガースが非常に強いですね。
なぜでしょうか。教えてください。

「なに。ドラえもん映画で一番おもしろい作品はなにかだと。わたしはやっぱり宇宙小戦争…」
「阪神タイガースの話です。いくら今年広島カープが調子悪いからって、現実逃避はやめてください」
「現実逃避したくもなるさ」
「とにかく相談に答えていきましょう。と、いうか今回も相談というよりは質問ですが」
「答えろだと。なにを今さら。強いから強いのだ。これ以上の理由などない。こんな相談などさよならにさよならだ」
「海援隊のマイナーな歌のタイトルを出さないでください」
「だって強いものは強いんだから仕方ない。あまり知られていないかもしれんが、阪神は現在ウエスタンリーグ(2軍)も首位争いを演じている選手層の厚さだ。これが全てなのだ」
「でもウエスタンリーグでは、館長の好きな広島カープが阪神と激しい首位争いを演じているではありませんか。しかも現在は圧倒的な強さで首位に立っているというじゃないですか」
「そうだ。よくそっちの方向へ話を振ってくれた。今はセリーグよりウエスタンリーグが旬なのだよ」
「私が言わなくても、どうせそちらの方に話を持っていくつもりだったのでしょう。だったら少しでも行数を節約しようと思ったのです」
「相変わらず厳しいな。だが、実際ウエスタンリーグは面白いぞ。特に今年は前半戦と後半戦の優勝チームでプレーオフをするということで、現在のセリーグのように早々にペナントの行方が決まってしまうということもない。実に面白いとは思わんかね」
「そうでしょうか。私には1軍の調子がいまひとつの広島カープを応援するための妥協のように思えますが」
「いつもながら鋭いな」
「誰にでもわかると思いますが」
「確かに今のカープ1軍は、つまらない。金本がいなくなり、前田、緒方、野村も満身創痍だ。スター選手候補の新井や東出も不調にあえいでいる。スター不在なのだよ。唯一気を吐いているのが新外国人のシーツというやつだが、こいつはこいつでキャラが地味だ。ところで秘書君、このシーツ選手の本名を知っているか」
「アンディ=シーツでしょう」
「よく知っているな」
「カープファンですから」
「だが、厳密に言うと少し違う。アンディ=シーツというのはあくまで通称だ。本名はアンドリュー=マーク=シーツというのだ。センター試験に使用されそうなこんな新外国人に頼っているようではダメなのだ」
「マーク=シーツですか」
「ただ、それだけだ」
「ただ、それだけですか」
「で、今年のウエスタンリーグに目を向けるわけだが、今年のカープ2軍は4試合連続2ケタ得点を挙げるなど、打線絶好調だ。特に2年目の天谷という選手はいい。大下剛史も『将来、カープの1番バッターになる』とイチ押しだ」
「もうわかりました。阪神の話題でしょう。カープ2軍の話にもっていきすぎです。カープの話はさっきのシーツ選手の話ぐらいで終わりにしておけばよかったのです。質問に戻りましょう」
「今年の阪神が強いのは、あれだけ補強をしたからだ。そりゃ強いに決まっている」
「うわー、ミもフタもねえ」

館長への相談がある方はこちらへどうぞ


第3回相談
最近おすすめの若手芸人を教えてください。

「おお、ようやく私向けの相談が来たぞ」
「相談というよりは質問ですが、まあいいんじゃないでしょうか。さあ、ちゃっちゃっと答えてあげてくだちい」
「せっかくの得意ジャンルなんだから少しぐらい話させてくれよ」
「ページの都合とかがありますからね」
「仕方ないな。そうだな、今のオススメの芸人はなんといってもアクシャンだな。あのコントは『日常の中の狂気』という雰囲気がピッタリくるから非常に面白い。演技もうまいしな。あとはプラスドライバーなんてどうだ。3人組のコントグループだが、ボケが小出しにされていて、間断のない笑いを提供してくれるぞ」
「2組とももう解散してるじゃないですか」
「よく知っているな。君もお笑いファンなのか」
「異常なほどのオンバト狂の館長に付き合わされていたら嫌でも知ってしまいますよ。そんなことより、相談者が求めているのは解散してしまった芸人ではなく、今まさに活躍中の若手芸人だと思います。そのへんをふまえておすすめの芸人を教えてあげてください」
「そうだな。アルファルファはいいぞ」
「アルファルファも解散しています」
「あれは活動休止ですね。解散ではないようです」
「あんたもオンバト狂かい」
「どうでもいいが、アルファルファとα波って似ていると思わないか。これをネタに二重音声クイズを作ろうと思っているのだが」
「話題をそらさないでください。それにここで言ってしまったら出題することができないじゃありませんか。ここはインターネットの世界です。誰が見ているかわからないのですからね」
「そうか、残念だ。だが口走ってしまったものは仕方ない。まだネタはたくさんあるからな。『フィナーレやと思ったらひなあられやった』とか、『ショートケーキやと思ったら消毒液やった』とかな」
「嘉門達夫の『んなアホな』のパクリじゃないですか。誰も知らないと思って盗作をしないでください」
「私は『中臣鎌足やと思ったら生ゴミのかたまりやった』というのが好きでね」
「聞いてませんよ、そんなこと」
「中臣鎌足、この星のかなたに」
「何を言っているのです」
「はらたいらが、はたらいた」
「もうええっちゅうんじゃ。やれ、マウンテン」
「マウンテン・ドロップ」
「ぐふっ
「さて、邪魔者はいなくなりましたので、ここから館長に代わって、不肖ながらわたくし秘書が相談、というか質問に答えさせていただきます」
「待て〜、オレの唯一の得意ジャンルの質問をとるんじゃねぇ」
「館長、生きていらしたのですか」
「サマルトリアの王子にザオリクをかけてもらったのだ。普段は役に立たないあいつも、たまには役に立つものだ。だが、ここに戻ってくる途中、アークデーモンに遭遇してしまったから、あいつにはメガンテを唱えてもらい、名誉の戦死をとげてもらったがな」
「わけのわからないことを言っていないで、質問に答えてあげてください。あなたの得意ジャンルなんでしょう」
「真面目に答えれば、わたしはシュール系の笑いが結構好きでね。バカリズムやキングオブコメディ、ラーメンズといった、シュールを芸術的に確立させているこの3組に期待したいところだ。個人的に、バカリズムの『ラジオ挫折』は、内容も構成も、終わった時に残る爽快感も全てが芸術的だと思うぞ」
「なるほど」
「正統派コントで、いいと思うのはバナナマンだな。何といっても演技は抜群にうまい。ネタもごく普通の日常をテーマに構成しているというのが素晴らしい。普通に見ていられるからな」
「と、いうことです」
「あ、そうそう、昔ジャンプの読者投稿コーナーで『ジャンプ放送局』というのがあって、そこの中の『遠くて近き言霊たち』という1コーナーで、よく嘉門達夫の『んなアホな』がパクられていた記憶がある。今でも『じゃんぷる』という読者投稿コーナーをやっているが、結構いろんなところからパクってるぞ、あいつら」
「もうその話題を出すなっちゅうとんじゃ」

館長への相談がある方はこちらへどうぞ


第2回相談
私は今大学の3回生です。
そろそろ就職が気になってくるころですが、
何か就職に対するよいアドバイスはありませんか?

「2回目の相談ですね。今回も張り切っていきましょう」
「……ちょっといいかい」
「何ですか」
「君は私になにか恨みでもあるのか。もう少し相談の内容を選んだらどうだ。このような相談、私に答えられるはずがないだろう。私に相談してくるより、真面目に就職活動をしてまっとうな仕事についている人に相談した方がよっぽど役に立つ。どう見ても、これは私に対する嫌がらせとしか解釈できないぞ」
「また自虐モードに入りましたか。嫌ならやめてもいいのですよ」
「いや、やる。自分で決めたことだからな。しかし初っ端から、こんなにテンションが下がることになろうとは思わなんだ」
「ごちゃごちゃ言ってないで、早く質問に答えてあげてください」
「わかったわかった。相談の文章は3行しかないから細かい点は推測するしかできないが、この相談を持ってきた人に対して私からアドバイスするようなことはないな」
「投げやりじゃないですか」
「いや、投げやりではなくて事実だよ。考えてもみろ。この相談者はまだ3回生だというのに、もう就職のことについて考え始めている。それだけ早くから準備をしていれば十分に就職活動を乗り切れるはずだ。私が3回生の頃は『アタック25』に出られるというだけで喜んでいて、就職のことなど頭の片隅にすらなかったぞ」
「それは館長が単に怠け者だからですよ。普通は3回生ぐらいのときにはおぼろげながらでも就職について考えているものです。そして少なからず不安を抱くものなのですよ」
「そういうものなのか」
「そういうものです」
「なら私が就職の心得を教えてやるとするか。だが、これはあくまでも私の考えであって、これを真似して失敗しても、責任はもたんぞ」
「無責任な話ですね」
「そもそも相談される側というのは無責任なものだよ」
「それは、あなたの偏見です」
「頼る側は気楽かもしれんが、頼られる側は楽じゃないんだぞ」
「もういいですから、早く本題に移ってください。何行無駄にするつもりですか」
「就職に重要なのはやはり面接だ。今は面接重視になっているから、これができるかどうかが生き残るための重要なポイントになる」
「普通ですね」
「ああ、普通だとも。オレも何回面接で落とされたことか。これまで一次試験は、O県、K県、S市、T町と合格してきたというのに、二次試験の面接でことごとく落とされ、唯一クソ田舎のT町だけに補欠合格したのだが、未だに連絡がないというザマだ」
「館長は内弁慶ですからね」
「まあな。とにかく喋れないとダメなのだ。君が社交的で、緊張もせず、喋ることを苦にしない人間なら大して就職の対策をしなくても十分だろう。もしあまり自信がないというのなら、教養試験の勉強などする必要がないからひたすら喋る訓練をすることだ。わかったかな相談者のキミ」
「そんな適当でいいのですか」
「チェック・メイト」
「何ですか急に」
「チェスを知らないのか。チェスで詰んだときの決まり文句だ」
「それぐらい知っています。なぜ急にそのような決まり文句を言ったのかを聞いているのです」
「ふと思い出したんだよ。アイゼナッハのことを」
「何ですか。アイゼナッハというのは」
「田中芳樹の小説『銀河英雄伝説』に出てくる人物だ。知らないのか」
「それは知りません。しかしなぜここでそのようなマニアックな話題をもってくるのですか」
「マニアックではない。この本は構成も文章力も非常に秀逸で、娯楽小説としては超一流というべき作品だ。単なるSF小説ではなく、複雑なストーリーを持った教養小説なのだ。読んだことがない方がもぐりというものだぞ。是非一度は通読するべきだ」
「館長の『銀河英雄伝説』に対する愛はよくわかりました。で、そのアイゼナッハという人物と『チェック・メイト』という決まり文句に何の関係があるのですか」
「この作品は文章だけでなく、台詞回しなどにも見るべき点が多い。そもそも『名言日記』を続けていくことができるのも、この作品から得た膨大な数の名言が存在するからだ」
「もういいですって」
「しかもこの作品はわざわざネットオークションで愛蔵版まで買ってしまったほどなのだ」
「もうええっちゅーとんじゃ」
「やれやれ、仕方ない。説明してやろう。アイゼナッハというのは『沈黙提督』という異名を持つ名将だ。小説『銀河英雄伝説』全10巻、またOVA『銀河英雄伝説』全110話の中で彼が口にした唯一の台詞がこの『チェック・メイト』なのだよ」
「それが今回の相談に関係があるとでも」
「大いにある。そもそもこのアイゼナッハという人物は極端に無口な人物という設定なのだが、ここまで喋らないというのは、無口を通り越して異常だぞ。戦闘で艦隊指揮をするときですら、何も喋らず、ただ手を動かすだけで指揮をとるのだ。そんなことができるはずがないだろう」
「何が言いたいのですか。さっぱりわかりません」
「これほどまでに喋れない人間が、なぜ艦隊を指揮する提督などになれるのだ。おかしいじゃないか。面接で『チェック・メイト』しか口にしなかったら、絶対合格せんぞ」
「軍隊ですから面接などないのでしょう」
「それもそうだな。話が長くなってしまったが、要は無口というのは就職活動においてマイナスにはなってもプラスにはならんということだ。もし無口を直せないというのなら、それ以外のところに自分の美点を見つけ出し、それをアピールすることだ」
「強引なまとめかたですね」
「コー・ホー」
「そういえば、あんたも無口だな」

館長への相談がある方はこちらへどうぞ


第1回相談
はじめまして。私はイラスト描きを志している者です。
館長さんがイラストが上手ということをお聞きしました。
どうすれば上手なイラストが描けるでしょうか、
どうかご指南の方をお願いいたします。

「さて、記念すべき第1回の相談ということになるね」
「そうですね。張り切って行きましょう」
「で、早速なんだが、この相談は持ってくるところを間違っているね。本当にイラストがうまくなりたいのなら、私のようなところになど持ってくるはずがない。私よりもっとイラストが上手な人など星の数ほどいるのだからね。冷やかしもほどほどにしてもらいたいね」
「自虐じみた発言はやめてください。第1回なのですから、まじめに人生相談をやっていきましょう」
「だまれ。君も秘書のはしくれなら持ってくる相談の内容を少しは考えなさい。もう少し館長が自虐的にならないような相談があるだろう」
「それがこの相談しかないのです」
「オレが本当にイラストで食っていけているような人間であるならともかく、そうではないのだから、このような相談は早々に却下すべきだ。わたしに対する皮肉にしかならんぞ」
「いいかげんにしてください。そもそもこの人生相談をはじめるとおっしゃったのは館長ですよ。いつまでもだだをこねないでください。みっともないですよ」
「ミートだと!?」
「みっともないと言ったんです」
「まちがいありません。わたしにも”みーっともない”と聞こえました」
「あんたは誰だ」
「まあいい、君がそこまで言うのなら仕方ない。気が進まないが、館長流のイラスト上達の指南をここでしてやろう。ありがたく思え、愚民が」
「だから、なぜそういう高圧的な態度をとるのです。そもそも館長には似合いませんよ」
「わかったわかった。ではイラスト上達の指南についてだが、なんのことはない。描いて描いて描きまくることだ。わたしは美術の成績は決してよくなかった。にもかかわらず、そこそこの腕になったのは練習を積んだからだ。練習あるのみだ。楽してイラストがうまくなろうなどと考えているようではうまくならんぞ」
「はじめてそれっぽいことを言いましたね」
「いちいち、つっこまんでいい。あと、イラストは人物だ。人物を描けないようではイラストとは言えんぞ。イラストレーターはキャラクターなどを描くのが主なのだからな」
「キャラクターといっても、人物に限らないのではありませんか。動物やロボットのキャラクターだっているでしょう」
「わたしは知らん」
「館長の好きなドラえもんなんかはどうです。あれはロボットではないのですか」
「あれは、タヌキだ!」
「猫じゃ!!」
「軽いジョークだ。しかし何だな。なぜ、あの漫画に出てくる人たちはみんなドラえもんのことを『タヌキ』だと思うのかな。あれはどう見てもタヌキには見えんぞ。普通、彼を見ての第一印象は『青い変なもの』だと思うぞ。しかもタヌキに限らず、肌の色が青い生き物が存在するのか」
「タヌキに見えないのは館長だけかもしれませんよ。他の人にはきちんとタヌキに見えているのかもしれません」
「私だけが別格だと」
「そうとらえたいのなら、そうとらえてくださって結構です。ただ、自分の考えていることが常に多数派だとは考えないようにしてください」
「なるほど。要は見える人には見えるが、見えない人には見えないというステレオグラムのようなものだな。無論私は見えるぞ」
「なにをおっしゃりたいのか、さっぱりわかりません。本題からそれすぎましたので、そろそろ閑話休題してください」
「そうだったな。ま、要は動物やロボットなどは二の次ということだ。人間を描くことによって、人体のバランスをうまくとって描く練習にもなる。これはロボットや動物にも通じるところがあると思う。まずは人物から練習していって、うまくなったらそういうのにもチャレンジしていけばいい。なんにせよ、人物を描けないくせに他の物を描こうというのは愚の骨頂というものだ」
「『まず、人物より始めよ』ですね、館長」
「違うな。『まず、槐より始めよ』だ」
「なんにせよ、第1回はこれで完結ですね」
「そうだな。これでわかったか相談者よ。私に相談するということがどれだけ愚かだということを。次の相談を待っているぞ、ぬはははは」
「次…あるんですかね?」

館長への相談がある方はこちらへどうぞ

相談室へ
TOPへ