「ねーねー雪ちゃんっ!」

「んー_?呼んだか姫ー?」

「うん!あのさ、雪ちゃんの必殺技って、俺様をなめるなよビームなんでしょ?みっ…見てみたいなぁ…って。」



<嘘吐きはドロボーの始まり> 前編



男(女だけど)水樹雪夢、ただ今大ピンチです。
大切な大切な大切な幼馴染に嘘を吐いてしまいました。

「ちくしょー!どーしろって言うんだよッー!」

——もう神様なんて信じてやんねー!
なんかそう叫んだら、
周りの人に睨まれた気がするけど気にしない。
と云うより俺様何か悪いことしたでしょうか?
この間翔茶の作った和食を食べたこと?
…でもアレは…料理が凄く下手な翔茶だけど…
和食は結構美味しいから…手と口が止まらなくて…。
それとも…翔茶の好きな横山とか言う人の隠し撮り写真に悪戯したこと?
でもアレは謝った。(…竹刀でビシバシ叩かれた。…てゆーか日本刀で切られそうになった…。)
もしかして…風間先輩の跡部の写真にコーラ零したことか?!
あー……ばれたらマズイだろーなー…。
……そう考えると当てはまる事は結構多い。
現在の時間、PM2時30分。

— — — — — — — — — —

「しょーたーーー!」

「ぅおわぁっ?!」

目的地に到着して、
目的の人物を見つけたから、
取り合えずそいつに飛びついてみた。

「ッ〜——!何すんねんこの莫迦雪夢—!」

もう1人の幼馴染、真笠巳翔茶。
なんか剣道の北辰一刀流の道場の跡取り娘らしい。
本人も新撰組とか藤堂平助とか好きだしピッタリだと思う。
後ろには、中等部二年で剣道部部員の寺崎 良皐先輩とか
ミステリー時のぐるぐる眼鏡がステキな大堂寺 空良先輩が居る。

「雪夢……、僕は…今から…剣道の稽古するはずやったんやけどなぁ?」
と、俺様の手の中に居る翔茶から、
えらくドスの利いた声が聞こえた。

「折角……折角、寺崎先輩と…勝負するはずやったんになァ?」

気が付いた時には時既に遅し。
翔茶が竹刀を俺様に向けて、
途轍もない殺意を出しながら立っていた。

「…(殺される?!)……!」
「しょーたしょーた。今度勝負して上げるからね?そこら辺にね?」
「……チッ…。」

翔茶が竹刀を下ろしたのは良いものの。(寺崎先輩に感謝感謝。)
聞きました奥さん?!
翔茶舌打ちしましたよ?!

「あーもーどうでもエェから早ぅ用件云わんかい!」
「あ、そうだった。……実は…。

— — — — — — — — — —

「ナルホド。つまりは、ビームなんか出ないのに、姫ちゃんに嘘吐いたわけだな?」

先程、僕に飛びついてきた雪夢から話を聞き、
呆れてやっと云えた一言がコレ。

「う…嘘じゃねーもん……。
 本当に…出来るもん…。」

——まだ云うかコイツは。

「ほー。じゃあ見せてみぃ。証拠を。」
「……これ…。」

そう云った雪夢が鞄から出したのは、
玩具の拳銃。

「「「……え?(は?)」」」

寺崎先輩も、大堂寺先輩も唖然としている。
まぁ玩具を出されたのだから当たり前だろう。

「これ…はじめっちが始めてくれたんだぜ!
 俺様の誕生日に!」

ずいっとソレを持たされたので、
引き金を引いてみた。

「……あーこれはビームだねー。」
「わー。玩具の拳銃久しぶりー。」
「雪夢……ビームって…コレ?」

拳銃の、本物ならば玉が出るところで、
赤い光が光っている。
……アレだ。
ずっーと見てると目悪くなる赤い光。
この手の玩具では良くあるタイプ。

「?そーだけど…。」
「…姫ちゃんには…素直に謝った方がエエよ。絶対。」
「……やっぱ?」
「…おぅ。」

玩具の拳銃じゃあ…ねェ?と三人で顔を見合わせる。
雪夢は、「そっかーそーだよなぁ」と溜息をついている。(分かってたんなら謝れば良いのに…)

「ま、僕も手伝ったるわ!……今回だけ、な。他の先輩たちとか呼んでみよかー。」
「アタシも…出来ることあれば。」
「私もー!ミステリーに出会えるかもしれないし!」
「先輩……翔茶…!アリガトー!」


嘘吐きは泥棒の始まり。
だったら、それが嘘にならないように、
全力で頑張れば良いじゃないか。


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後書き
うわわわわ…(汗
なんだかゴチャゴチャにってしまいました…!
小心者でして、自分のオリキャラばかりです……。
そして、企画サイト様等に投稿するの、初なので心臓ドキドキバクバクです(笑
い…一応前編…です。


コメント
水無月紫苑さんより頂きました。
雪夢ちゃんの俺様を舐めんなよビームの謎が明らかなに!
観月はじめ氏は女の子の誕生日になにを…(汗)
それでも、初めてのプレゼントを大事にしてる雪夢ちゃんは可愛いです。
これからどうなるのか…次へゴーです!