24th key
外に出ようということになって、
初めて8人で外に出た。
そんなときだった。
「あ!枻く〜〜〜ん!!」
「あ゛?」
私たちが枻杜を呼んだ女の人の声をしたほうを振り向くと、
テレビに出ている人よりか美しいと言えて、かわいいとも言える女の子が
走ってきた。
そして
「うぇあ?!」
枻杜に抱きつく。
「?だ、誰だ!何だ!」
「やっだな〜。忘れたの?私、伊織。」
伊織?どっかで聞いたような……
「やっだな〜。初恋の私をお忘れ?」
初恋?枻杜の?
「あ。。」
思い出した風の枻杜。
初恋か・・・。
「でも、枻杜君の初恋の人がなんでここにいるの?」
「私が引っ越したからですよ〜。
それより、枻くん。格好よくなったねぇv
昔から格好よかったけどvvv」
私にはわかった。なにが言いたいのか。
でも、言ってほしくなかった。胸騒ぎがしたから。
「私今フリーなんだぁ。付き合おう!!」
「は?!」
やっぱり・・・。
でも・・・この子なら、私、よいと思う。
寂しいし、もやもやするけど、
しょうがない。
「やだ、」
「ふ〜ん。」
そういって私を見る。
たいてい想像つくよね。女の子だもん。
「でも、あきらめないんだから。
というわけで、どこ行くの?」
「え、買い物に。」
「ごめん。私具合悪い。みんなで行ってきて!」
「ちょ。拘子?!」
私は美奈に、
—何も聞かないで。
お願いだから、みんなで、行ってきて!—
美奈は少々渋ったが、うなづく。
そして私はホテルに戻る。
「すいません。4504の鍵ください。」
「はい。どうぞ。」
フロントにいた人から鍵を受け取り、私は4504に戻る。
「ちょ!待てよ!拘子!」
俺がおいかけようとすると、伊織に腕を捕まれる。
「おい!離せって!!」
「やだ。」
「いきましょう。」
そういって美奈先輩も歩き出す。
どうしてだ?どうして!!
拘子!!!!
その日から日常が日常でなくなった。
枻杜がホテルから出ると伊織さんが枻杜を捕まえてどこかへ行く。
もしくは私たちについてくる。
そんな日々が、続く。
まんざらじゃ、なさそうな枻杜。
やっぱり、、離れてく。
そんなある日のことだった。
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