22th key
とうとう旅行に行く日がやってきた。
嬉しいような悲しいような、そんな気分で枸子は起きる。
この地を離れる事にとても不安がある。
二人はこの地で・・・死んでしまった。
その地を、、離れたくなかった。
でも少しだけ希望があった。
もし旅行で良い事あったら、、私は前へ進めるんじゃないかって。
良い事あったら、認めても良いって。思う。
とりあえず、いまさら拒否しても枻杜を悲しませるだけだろうし(うぬぼれかな)
行こう。
意気込みを新たに、枸子は朝食と準備に入った。
待ち合わせをして、私達は新幹線を使って旅行へ出発。
人物を紹介しとくね。
木下櫂樹(きのもと かいき)
木下枻杜(きのもと かいと)
木下美奈(きのした みな)
水島枸子(みずしま くこ)
んで、櫂樹先輩の友達カップルが
山下康哉(やました こうや)
川本蒼(かわもと あお)
と
渡辺 大和(わたなべ やまと)
佐々木 希(ささき のぞみ)
でも、行って見て、私と枻杜が一緒に行って良かったって思った!
なんでかっていうと、
「蒼〜腹へってねぇ?」
「ん〜?ぜんぜんv」
「本当か?」
「本当だよぉ〜」
なんて甘甘の会話をした後に、
「ん〜でも、愛がたりないかも〜。」
「そんなコトを言うのはこの口か〜?」
んでキスってのがお決まりで、
「大和〜?」
「ん?」
「キスして!」
「おぅ。」
んでキスしてたり・・・
甘甘!!
空気も何もかも!
ここの車両自由席だったからなのかわからないけど、
私達8人以外、誰もいない。
最初いたけど、逃げたね。
「大変。でしたか?先輩。」
そう枸子が聞くと、うんざりしたような顔で櫂樹先輩は答える。
「もちろん。でも、旅行するなら2人が良いって言った奴らの方がすごいぜ?」
「え?どんな風に?」
興味本位で美奈が聞く。
「周りの目なんかお構いなし。
キスしまくり。くっつきまくり。
甘甘。
あいつらの甘さを10倍にした感じかな。」
そして車両の一番前にいる4人を一番後ろにいる枸子たち4人は眺めていた。
そして、案の定、ホテルについても、
部屋から出てこない。。。
そんな時、
トントンと部屋をノックされる。
「枸子〜。」
枸子と美奈は同じ部屋で、枻杜と櫂樹も同じ部屋。
最初は、
①櫂樹②美奈③康哉・蒼④大和・希
だったんだけど、二人追加で
①櫂樹・武②美奈・愛③康哉・蒼④大和・希
でも、旅行直前に武・愛が恋人になってキャンセル。
①櫂樹・枻杜②美奈・枸子③康哉・蒼④大和・希
に、なったわけなのだ。
ちなみに旅行計画の時は武と愛は恋人じゃなかったから、同姓同士。
まあとりあえず、枻杜は部屋に入ってきた。
「枸子〜海行きたい!」
「一人で行ってくれば?」
そう言って冷たく言い放つ。
言い放たなければ、ならなかっただけなんだけど。
「あ!先輩!海、行きましょう!!枻杜君、写真なら撮ってくるけど?」
「あ!お願いします!!」
そういうと美奈は部屋から出る。
海に着いてから美奈に問いかける。
「どうしたんだ?」
美奈の事だ。何もなしに、枸子と枻杜を二人きりにする子ではない。
「枸子の心労が・・・。
はい。ちょっとつらいみたいで。」
「思いだしてってやつか?」
「はい。」
「・・・そっか。」
「駄目ですね。私。
枸子の役に、たてない。
友達・・なのに。」
そう言って悲しそうに美奈は海を見つめる。
そんな美奈が愛しくて
励ましたくて
でも、いい言葉が思い浮かばなくて・・・
「でも」
「え?」
「でも、オレは・・・美奈を・・・必要としてる。」
「先輩・・・?それ、どういう。。」
海に太陽が沈もうとしているとき、
きれいな夕日の中で、
オレは秘めてきた想いを伝える。
「美奈が、好きだよ。」
「せんぱい・・・?」
「美奈が、好きなんだ。likeじゃない。loveの方で。」
もう一度告白すると、美奈は涙を流し始めた。
嫌だったのかな?
そう思っている櫂樹をわかっているんだかいないんだかわからない。
しかし、美奈は
櫂樹の胸に、顔をうずめる。
「みっ美奈?!」
「私も、好きです。
大スキです。もちろん、loveの方で。」
背に手を回し、
言う言葉はたった一つ。
「ありがとう。」
—枸子。うまく、いったよ。
ずっと抱いてきた想いが、
叶ったよ。
枸子。
ホテルに帰ったら、一番に、伝えるよ。—
言ってしまえば簡単だけど、もしうまくいかなかったら?とか考えると、
怖くて、言えない言葉。
でも、勇気を出して、言える事が出来たなら、
もし結果がよくなくても、幸せだと思えるんじゃないかって、
思う。
ただひとついえること。
拘子、あなたに、感謝してる。
いろいろもらったから、すごくうれしいよ。
今は、ただの役立たずだけど、いつか、、拘子のために、何かをしてあげたいよ。
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