21th key
「で、話せたのか?」
そうオレに話しかけたのは兄貴。
オレは自分でも笑っているだろうなという顔で答える。
嬉しかったんだ。OKしてくれたことが。
「あー。しかも、OKしてくれた。」
「にやけてるからな、なんとなくわかってたけど、、よかったな。」
「おー!」
「にしても幸せそうだな。枻杜は」
「兄貴も幸せだろう?」
「まーな。」
兄貴も美奈先輩を誘うのにめちゃくちゃ緊張したらしい事は知っていた。
「で?」
「え」
いつもからかわれてばかりだから、逆に兄貴をからかおうと思った。
いつかずっと聞こうと思っていたことだから、良い機会だと思ったんだ。
「だから、美奈先輩。
まんざらじゃないだろう?結構脈ありなんじゃないのか?」
「…。わからん。」
「どうでもいいけど、オレは待っていると思うぜ?兄貴からの言葉。
それはもう、中学の時から感じてた。」
「脈ありだと思うか?」
兄貴はめったに見せない顔をして、そう聞いてきた。
余裕が、ないんだろう。
兄貴はキャプテンやったりしているから、しっかりしている。
兄貴はオレの誇りだったりするし。
だけど、兄美奈先輩の前では、兄貴がいつも持っている余裕を少しも感じない。
それだけ、美奈先輩の言動に一喜一憂しているんだろう。
兄貴にはいつも世話になってるから、
背中を押してやろうと思った。
出来のいい(笑)弟として。
「なー兄貴?」
「ぁ?」
「俺らのさ、目標つくらねぇ?」
「目標?」
いい方は適切じゃないかもしれないが、気にしない事にしよう。
「今回の旅行で、はっきりさせるって。」
「…。」
「兄貴が美奈先輩を好きになってから、時間がたちすぎている。
そろそろ進んでも、よいと思う。」
「枻杜…。」
「そうしようぜ。兄貴。」
「…」
オレは正直言って、すごく嬉しかった。
弟が、オレのコトを考えてくれている事が、わかったから。
美奈に初めてあってから、どれくらいの月日が流れているんだろう。
枻杜がはじめて水島さんとあったのが、水島さんが中2の時だから、
そのとき美奈はすでにオレと2年間いたことになる。
で、美奈が今高2だから、、
5年?
もうそんなになるのか。。
そろそろ、抑えられなく、なってきている、気がする。
美奈に対する、この想い。
オレだけに笑って欲しい。
オレとだけいて欲しい。
美奈にふれたい。
美奈が愛しい。
美奈が…。
オレは、美奈が好きだ。
「オレ、今回の旅行で、美奈に告白、する。」
「そっか。。頑張れよ!兄貴!」
オレは出来のいい(笑)弟に対して、言う。
ありがとうの気持ちを込めて。
「お前もな。」
旅行を前に、オレは今まで弟としか見ていなかった奴を、
初めて親友と同レベルまであげてみた。。
next→4rd door 22th key