読みませ、捕物帳。
都筑道夫『なめくじ長屋』シリーズ
「江戸という過去を舞台としたタ短編の本格推理小説」。 神田の貧乏長屋、通称「なめくじ長屋」に住む砂絵かきのセンセーや、 その仲間たちが、「カネ」を目的に謎を解決いたします。仲間たちとは、 大同曲芸師マメゾー、乞食坊主のガンニン、熊の真似をして歩くアラクマ お札くばりのテンノー、幽霊じたての乞食のユータ、ひとり芝居のオヤマ、など。 普通の江戸モノではあまりお目にかかれないダークなものも含め、 江戸の細やかな(濃やかな?)風物詩にあふれてます。 都筑先生といえば、秀逸なルビづかいも魅力です。 巣乱(スラム)、例声留(レコード)、有配当(アルバイト)、書場簾(カンバス)…。 現在、出版されているのは全11冊です。 私が入手しているのは、現在10冊。あと1冊だ〜〜っ!!! |
シリーズ一覧。& それぞれの季節と主な舞台となったところ。
ちみどろ砂絵 |
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第一席●よろいの渡し | |||
第二席●ろくろっ首 | |||
第三席●春暁八幡鐘 | |||
第四席●三番倉 | |||
第五席●本所七不思議 | |||
第六席●いのしし屋敷 | |||
第七席●心中不忍池 | |||
相すみません、ただ今貸し出し中。f(^-^; |
くらやみ砂絵 |
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第一席●不動坊火焔 | 7月7日 | 下谷七軒町 | |
第二席●天狗起し | 8月14日 | 神田上白壁町 | |
第三席●やれ突けそれ突け | 9月はじめ | 東両国 | |
第四席●南蛮大魔術 | 9月すえ | 向島 | |
第五席●雪もよい明神下 | 12月半ば | 神田同朋町 | |
第六席●春狂言役者づくし | 12月15日 | 神田紺屋町 | |
第七席●地口行燈 | 2月はじめ | 日比谷 | |
文章の途中に細かなイラストが入ってます。 他の作品には必ずしも見られません。何故、この作品だけ? 昔の屋号や役者の名前の付け方の洒落具合が好きな私には、『春 狂言役者づくし』は嬉しい一編。「地口」というのは一種の駄洒落なの だけれど、このシリーズには頻繁に登場します。どれもこれも秀逸な 言葉遊びは都筑先生のオリジナルなのでしょうかね? 洒脱味にあふれてます。 |
からくり砂絵 |
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第一席● | |||
第二席● | |||
第三席● | |||
第四席● | |||
第五席● | |||
第六席● | |||
第七席● | |||
相すみません。未入手なんです。(;_;) |
あやかし砂絵 |
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第一席●張形心中 | 雛祭り過ぎ | 村松町 | |
第二席●夜鷹ころし | 旧暦5月末 | 本所・吉田町 | |
第三席●不動の滝 | 旧暦6月 | 滝野川村 | |
第四席●首提灯 | 6月下旬 | 神田・永富町 | |
第五席●人食い屏風 | 七夕過ぎ | 日本橋・檜物町 | |
第六席●寝小便小町 | 盂蘭盆過ぎ | 黒船町 | |
第七席●あぶな絵もどき | 秋の長雨どき | 両国 | |
「張形」が何か知ってるのなら、あなたは余程の好き者…いや、江戸好きでしょう。(笑) 四つ目屋とかもご存知でしょうなぁ。(笑) 個人的には『人食い屏風』が一番好きです。 孤高の絵師が自らが書いた虎の絵に食い殺されるという謎にセンセーが挑みます。 |
きまぐれ砂絵 |
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第一席●長屋の花見 | 3月 | 向島 | |
第二席●船徳 | 6月6日〜 | 浅草・山谷掘 | |
第三席●高田の馬場 | 盂蘭盆過ぎ | 高田馬場 | |
第四席●野ざらし | 秋 | 浅草・東本願寺裏門前 | |
第五席●擬宝珠 | 12月15日〜 | 日本橋・富沢町 | |
第六席●夢金 | 2月 | 中州 | |
全編落語から題をとってるらしいです。私は、落語には疎いのでよくわからないけれど。 度々でてくる「クセ者対決」(クセのある犯人とセンセーとの対決)の一つ、 『野ざらし』もいいけれど、やはり、『長屋の花見』でのセンセーの土器(かわらけ)投げの 技がかっちょいい! |
かげろう砂絵 |
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第一席●酒中花 | 4月 | 日本橋本石町 | |
第二席●ぎやまん燈籠 | 7月 | 四谷・塩町 | |
第三席●秘剣かいやぐら | 夏 | 米沢町 | |
第四席●深川あぶら堀 | 8月 | 深川 | |
第五席●地獄ばやし | 9月15日 | 湯島 | |
第六席●ねぼけ先生 | 11月 | 小石川原町 | |
第七席●あばれ纏 | 11月半ば | 米沢町 | |
ここにも「クセ者対決」の一編、『秘剣かいやぐら』が。センセーの「こぶしから砂」攻撃は、 どうしていつもこう無敵なのか?商売道具がいざという時の武器だなんて、…仕事人?!?! |
まぼろし砂絵 |
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第一席●熊坂長範 | 9月 | 連雀町 | |
第二席●人ごろし豆蔵 | 12月 | 日本橋堀留町 | |
第三席●ばけもの寺 | 正月のすえ | 押上村 | |
第四席●両国八景 | 4月 | 両国 | |
第五席●坊主めくり | 6月 | 日本橋南伝馬町 | |
第六席●かっちんどん | 7月9日 | 浅草・奥山 | |
第七席●菊人形の首 | 9月すえ | 千駄木 | |
縁日の矢場を舞台とした『かっちんどん』、天王祭での殺人事件『坊主めくり』、 盗まれた菊人形の首の行方を推理する『菊人形の首』など、季節感いっぱい。 江戸の習慣・風習の描写がいっそう細かいです。 後に、かっちんどんを映像(おそらく、時代劇?)で見たときは、 「あー、これ センセーやってた!!!」と感激でしたね。 |
おもしろ砂絵 |
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第一席●雪うさぎ | 冬。 | 橘町 | |
第二席●地口悪口あいた口 | 2月はじめ | 新石町 | |
第三席●大目小目 | 4月なかば | 神田白壁町 | |
第四席●いもり酒 | 真夏 | 深川・六間堀 | |
第五席●はてなの茶碗 | 6月なかば | 紺屋町 | |
第六席●けだもの横丁 | 秋 | 本所・横網 | |
第七席●楽屋新道 | 11月 | 猿若町 | |
よく事件を持ってくる下駄常の依頼をしくじる(放棄する)という珍しい一編、 『いもり酒』が入ってます。先生の口から自分の女房になるかえ、なんて初めて 聞いたよ!!!またもや「地口提灯」モノの『地口悪口あいた口』もあります。先生、 スキですねぇ〜。(笑)『はてなの茶碗』では、夏の風物詩「麦湯売り」について 細かく描写してあります。 |
ときめき砂絵 |
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第一席●羽ごろもの松 | 冬 | 日本橋・村松町 | |
第二席●本所へび寺 | 春 | 両国 | |
第三席●待乳山怪談 | 桜の季節 | 浅草・山之宿 | |
第四席●子をとろ子をとろ | 夏 | 山崎町 | |
第五席●二十六夜待 | 7月下旬 | 須田町 | |
第六席●水見舞い | 8月下旬 | 向島 | |
第七席●雪達磨おとし | 正月 | 米沢町 | |
砂絵シリーズで、一番最初に読んだのがこの作品。 「なんだかよくわからないけれど、ハマル!」ってな感じで、しらみつぶしに 書店をまわり、他の作品を探したものです。第三席『待乳山怪談』のように、 なめくじ長屋の連中を利用しようとしたけれど逆に魂胆を見抜かれ、礼金 を巻き上げられるパターンは、なかなか痛快です。ビバ、なめくじ!!! |
いなずま砂絵 |
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第一席●鶴かめ鶴かめ | 2月はじめ | 大鋸町 | |
第二席●幽霊床 | 4月のすえ | 浅草・田町・鬼熊横丁 | |
第三席●入道雲 | 8月はじめ | 横山町 | |
第四席●与助とんび | 9月 | 門前西町・明神下 | |
第五席●半鐘どろぼう | 冬 | 神田鍛冶町 | |
第六席●根元あわ餅 | 10月中旬 | 二長町・生駒道場 | |
第七席●めんくらい凧 | 正月松の内 | 大川・花川戸町 | |
「鶴かめ鶴かめ」では棟梁おくりの儀式、「幽霊床」では髪結床、「与助とんび」 では江戸の三大祭、「恨元あわ餅」では粟餅の曲投げと御影供について、 それぞれ詳細な説明がなされてます。語ってます。勉強になりますなぁ! 特記すべきは、このシリーズでは珍しく、「根元あわ餅」と「めんくらい凧」が連作 のような体裁となってます。イチオウ、話としては独立してますがね。それに、 いつもは、にこにことしてつかみどころのないようなセンセーが、「めんくらい凧」 では、怒りもあらわに問答無用の立ち回り(?)をみせます。めちゃ強い!!! |
さかしま砂絵 |
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第一席●白魚なべ | |||
第二席● 置いてけ掘 | |||
第三席●はて恐しき | |||
第四席●六根清浄 | |||
第五席●がらがら煎餅 | |||
第六席●蚊帳ひとはり | |||
第七席●びいどろ障子 | |||
相すみません。ただ今貸し出し中。f(^-^; |
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OK!てな感じです。