一年たてばどうせ死んでしまうんだ−。そう考え、自暴自棄になってしまう人もいれば、必死になって生き残る道を探っている人たちもいる。 何が起こるかは分からない。だが、何が起きたとしても国民を、ひいては人類を守り抜いてみせる。我々は必ず未来を変えてみせる、と政府の高官はテレビを通して我々に語りかけてくる。 一日、また一日と、時間だけがむなしく過ぎてゆく。街を歩くとそこら中に窓を割られた建物がある。中は荒らされ、ガラクタだけが転がっている。加速度的に人々の心がすさんでゆく。 |
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