聞かない 蝉時雨





いてあげるいつでも側にどこへでも例えば缶のプルタブの上


夢が今しぼんでゆくの分かるから咲かす方法探してるんだ

そんなに力こめないで君の手でいっそ壊してほしくなるから

死んだ猫君は馬鹿だと言うけれどしだれたヒゲは君を見ている


試写会のハガキを書いてもうすでに君と行ってる妄想中


君と見た桜のことは忘れない あの日の気持ち忘れたくない


無理すんな恋・夢・家族・無理すんな自分励ますことにも言えて


どうだろう尾崎豊を聴きながらアタシはアイツに愛されてるか

君の名を呼んでも側にいるはずない だってあたしらプチ遠距離

手をとって握り返してくれたなら君との絆信じてゆける


始まりの言葉と終わりの言葉だけこんなに綺麗に覚えてるんだ

手のひらで掴んだつもり、空を切る 手に入れたのは過去でした

いつだっけ空見て歩くようになったのあの日私を亡くしてからだ

蝉時雨君と聞く前別れの音その正体は梅雨の雨音


ふたり見た夢の続きを今どこで見ればいいんだひとりっきりで



*以上、15首*

聞かない 蝉時雨@琉紗

2003.8.21

やったら「君」が多いなぁ。


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