読書日記 2003年8月 ・・もりもり読んでいこう・・ |
「アカギ」 1〜13巻 福本伸行 竹書房 映画化もした有名な麻雀漫画・・・!私はこの本を書店で見たときに、これが売れてる ということはよっぽど話が面白いに違いない・・・!と確信・・・! というのも失礼な話だが・・!要するに絵が・・・綺麗な絵、と表現するところからは 程遠い位置にあるからで・・!ぶっちゃけ下手・・!と言い切っていいのかどうか迷うほど すごい絵柄・・・!いやもうすごい・・!インパクトが・・!その横顔は一体・・! 人体の構造上ありえない・・!という感じ・・!というかアカギのアゴはすごすぎる・・・! しゃくれてるとかじゃなくて三角定規のよう・・!間違いなく刺さる・・・・! (・・とここまで福本節でお届けしましたが、疲れたので元に戻します・・・・) ふぅ。いやー全編上↑のような喋り方なんですよ。変わってる。そしてこんな絵柄なのに、 セリフはものすごいシャープでテンポよく、名台詞揃い。全巻名台詞ばっかりと言って 過言ではない。この絵からは想像できない(←しつこい)。そのアンバランスさも 魅力となっているのだから恐れ入る。とにかく特異な漫画だなあと思う。 特殊な魅力を持った作品。 私麻雀できないんですが(・・・・)、それでも異様に面白い。かなり綿密に書いてるので、 麻雀を熟知してる人には尚一層楽しめる作品・・・というかこたえられんでしょうねえ。 いいなあ。戦略面からの醍醐味を味わえる読み手は。 しかし、この漫画・・・10巻くらいからなんかだんだんホラー漫画みたいに・・ 「あれ・・これ本当に竹書房発行?もしやひばり書房発行?」と思っちゃうくらい。 鷲巣という日本裏社会のドン・・・との麻雀勝負がもう5巻くらい続いてるんですが、 これがすごい。一体どこに連載してたんだ・・ネムキか?昔なつかしハロウィンか? (いいえ近代麻雀です) なんとこの勝負、アカギは負けたら死ぬしかないのよね。金の変わりに「生き血」を 賭ける麻雀なのだ!負けたらそのつど何百ccづつかを抜いていくのね・・注射器で。 どうです、訳分からんでしょう。もうその勝負で鷲巣が興奮しすぎててねぇ・・! 鬼気せまってるー!ぎゃー!だって後半ずーっとヨダレたらしながら打ってるんだもん! 「おおおおおっ・・・!ロンッ・・・!ロンッ・・・!ロンッ・・!ロンッロンッ・・! ロンッ・・!ロォンッ・・!駆け巡る脳内物質っ・・!β-エンドルフィン・・・! チロシン・・・!エンケファリン・・・!バリン・・!リジン ロイシン イソロイシン・・・! 勝ったっ・・・!勝ったっ・・・勝ったっ・・勝ったっ・・!」 ↑・・・怖い・・・(震泣)。始終殺すとか死ねとか言ってるし。 後ろに百鬼夜行背負うし。(ぶわっと出てくるし!) 13巻なんてすごかったよ! 「ツモッ・・・!ツモッ・・・!ツモッ・・・!ツモッ・・・!ツモッ・・・!」ぎゃー怖い! さらにクワッと振り向きながら「あったじゃろ・・?まだ・・・!ツモ和了が・・・!」の 鷲巣でノックアウ・・・ト・・・。もう自分が何の漫画読んでるか忘れそうです。あーこわ。 怖いといえば、アカギは初出時13歳(!)という設定だったんだが、ヤクザの事務所で 口に銃つっこまれてんのに「狂気の沙汰ほど面白い・・・!」と言い放つ13歳なんて おらんよ・・・うう・・・。すんげえ。しかしこの↑台詞はかっこええ。 なんてどうでもいいとこばっかりピックアップしてしまったが、これはお話として本当に 面白いんですよ。鷲巣じゃないけど「駆け巡る脳内物資っ・・!」て感じです。 興奮しながらイッキ読みですわ。主人公のアカギと言う人物の造詣が特に面白い。 でもってほんとにねー・・・!台詞がかっこいいんだよね・・! おっと福本節に戻ってしまった。いやこんな具合に癖になるくらいに面白いってことで。 2003.08.08 「東京伝説 うごめく街の怖い話」 平山夢明 竹書房文庫 このひとの「超怖い話A」という本もかんなり怖かったんですが、やっぱりなんでしょうか おばけより現実的な・・実話のほうが怖いってことなのかな。 この本すごい怖かったんですけど・・!! この本読み終わってからお風呂はいろうとおもってたのに・・ なんか怖くてはいれんくなったやないの・・(涙目) 都市伝説の要素が多い話集なんだけど、いや確かに「あ、これ聞いたことある!」 って話(友人宅に行ったらベッドの下に斧を持った男がいたとか)も入ってたんだけど、 「これ・・・ほんまちゃう?」て思わせる話も入ってて、それが怖いんだって。もう。 1人暮らしの人とかもう泣けてくるくらい怖いとおもう。 でも今治安悪いから一軒家にいても一緒とおもうけど。とにかく私がこの本読んで一番に 浮かんだ言葉は「防犯命」でした。こぇえよ〜(泣) 「エンスト」「圏外」ネックレス」「立ち読み」というタイトルの章が特に恐ろしかった。 「エンスト」なんて泡ふくかと思った。あと「ぬいぐるみ」という話。これは本当に描写が リアル。過去ちょっと怖い目にあった人なら追体験しちゃうんではと思うくらい。 とにかくひさしぶりに、心底怖い話を読んだよ。やっぱ一番怖いのは生きてる人間 てことやね。月並みですが。ぶるぶる・・。 (私この文の中で何回「怖い」って書いたんや・・・書きすぎ) 2003.08.25 「プライベート・ジムナスティックス」3 藤たまき 新書館 私が唯一コレ系の作家で追っかけてる人。しつこく書くが、ジャンルがマイナーだからと いって読まずにおくには勿体無い作家なのです!ジャンルっちゅーのは=同性愛もの なんですが。(はやりの「ボーイズラブ」なんて単語は死んでも使わんぞ!なんだその 表現・・「勝ち組・負け組」という表現と同じくらい嫌だ!) どのくらいオススメかは、過去2冊紹介してるので (「私小説」「プライベート・ジムナスティック1」)、参照してみてください。と言ったはいいが アレいつの感想に載せてたっけ・・自分でも忘れた・・ はっ!脱線したけど、最初にこんくらい力説しておかないと! 皆さんに馴染みのない本をオススメするのが乱読の私の使命だ!(と勝手に燃える) で、肝心の感想。ああーー切なーい(涙)。作者は「青春群像が描きたかった」 と仰られてましたが、いやもうばっちり描けてるよ・・!これねえ、対象性別は関係ない。 男同志の話であっても、ここに描かれてることって、恋愛の普遍的な・・ いやもう(←感極まったらしい)感動したぜ。過程はね・・・甘夏ーなんかひどーい! と思っちゃうところがあるんだけど、いやでも実際こうよね。立場とか、世間体とか・・ この話だと男同士、ってのが障壁になってるわけだけど、誰もが恋愛してて、 自分の気持ちだけに正直になれるわけじゃない。どっちかっていうと甘夏みたいに なることも多いと思う。 そのあたりの過程をちゃんと描いて、それでこの結末に行った、てのに感動したよ。 表現も詩的、画面も相変らず美しい・・!なかなか読むのが辛い巻だったんですけどね。 自分の葛藤に振り回されてすごい自己中心的になってる甘夏の描写とか。 別れ話の後自分から否定形で語りかけるセラとか←ここめちゃくちゃ切なかった・・! (まあこの作者の話・描写は基本的に痛いの多いんですけどね。) 現状の自分に耐えられなくて別れを切り出して相手を傷つけて、でも後悔してて、 再会したらまだ相手が自分のこと好きでいてくれて、やり直せるってのは、現実では そうそううまくいかないもんなんで・・・どやねん、と思うところもあるのですが、さすがに そんなとこまでリアリズムを追求してもらってもなんとなく悲しいので、この結末で やっぱりほっとしちゃったりなんかして。(←てかものすご感動してます) 思い悩んで辿りついた着地点だね。ああ・・・感涙。 ちょっと時間置いてまた読み返したい一冊です。ちなみにシリーズ最終巻でした。 (全3巻なのです) そういや、最近になって作者のHPがあることを知ったんですが、そこのBBSに沢山 この作品に関する感想がかかれてて・・・みんなめっちゃ長文!すごい思い入れ たっぷりで、色々他の作品の感想もさかのぼって読んでみたんですけど、 こういう感想を書かせる作品って、すごいなあとつくづく思ってしまいました。→コチラ はあ・・・堪能しましたわ。でもいつも思うんですけど、この作家はやっぱりもっと色んな とこでいろんな題材で書いてみて欲しい。別にマイナージャンルやからあかんと言ってる わけではないんです。純粋に人の目にふれる頻度の問題で。 やっぱり知られる機会が少なくなってしまうと思うの。とっつきにくいと思うし。 ・・・余計な世話ですが。 でも本当に魅力のある作家だと私は思うので、違った題材のものもみてみたいと 思ってしまう。というのは単にファンの我儘ですね。つまらぬことを呟いてしまった・・・。 毎回同じ言葉で〆ますが・・オススメです。この作家は。 2003.08.31 |