読書日記 

 2003年7月

うわー今月いそがしぃぃぃぃ。


 
 「のだめカンタービレ」 6巻 二ノ宮知子 講談社KC    

  忙しさでチェックできてなかったため、不覚にも発売日から1週間遅れで入手。
 貪るように読んだわ・・。私にとって別格の作家の作品を別にすると、ここ何年かで読んだ
 続き物の漫画で一番面白いかも・・?と思われてきたこのシリーズ・・・。
 今巻もテンション下げることなく面白い!

 そうか・・・Sオケも卒業とともに解散か・・寂しい〜(泣)。でも私が一番好きなキャラ・真澄
 ちゃんは、卒業してプロになっても千秋のオケに入ったから、まだ登場するということが
 判明してとても嬉しい。私にとっての今回のハイライトは真澄ちゃんの卒演だ。
 (実はケエコ&マナブもツボだったのだが・笑)
 アンドレ・ジョリベか・・。相変らずこの漫画の演奏シーンは楽しい。
 
 そして千秋の新オケが始動。Sオケの鈴木姉妹の涙は悲しいね。頑張ってリベンジ
 かましてくれることを期待しよう!新オケは、本誌でも色々と波乱万丈のようですが、
 全員本気の演奏をいつみせてくれるのかとうずうずします。何の曲を取り上げて
 くれるのか!?楽しみだぁ〜。

 しかしのだめはいつ自分から目覚めてくれるのか・・それともこのままのスタンスで
 いくのか・・・私はきっと違うとにらんでるんだが。いつか全開ばりばりのかっこいい
 のだめをみてみたいものです。がんばれえ。

 もーますます続きが楽しみ!ほんまおすすめなんで読んでみてくだせえ。

 「聴いて! この愛のサウンド・オブ・パーカッション!」

 2003.07.18



 「死刑囚 最後の晩餐」 タイ・トレッドウェル/ミッシェル・バーノン 宇佐和通/訳  
 筑摩書房


  タイトルそのままの、死刑囚の最後の晩餐の話です。ご丁寧にメニューのイラスト付。
 帯には「彼らが犯した凶悪事件とメニューに因果関係はあるのか。
 そこには犯罪者のどんな心理が反映されるのか・・」と書かれていたが、察するところ
 筆者達(これは2人の共著)は、単にこの事項自体に物凄く興味があったんだろう。
 読んでるとそれがわかる。だから犯罪心理の関連云々にはそう多くのページを
 割いていない。(ちなみにこの本で取り上げてる対象はアメリカの死刑囚のみだ。)
 「刑務所一般食レシピ」(まじめにレシピです。作れそう。でも材料が25人前、とか
 書いてあるところが・・)とか「州別刑務所ミシュラン」とかあって、さすがにブラックな感じ。
 不謹慎なようで本文読んでるとそうでもない。なかなか変わった切り口の本。
 これまでになかったようなアプローチで興味深い。
 この本は、巻末の坂本敏夫氏(元刑務官・ノンフィクション作家)の解説があり、
 「日本の執行現場から」と題されたそれも一読の価値あり。
 最後の一文が、現場にいた人ならではの声だ。

 しかし、例一人一人の罪状(これも程度の差がありすぎる)を読んでると、
 本当に暗澹たる気持ちになる。死刑制度の論議に関しては、私は終始一貫して
 一定のサイドなのだが。

 2003.07.20




 「赤い文化住宅の初子」 松田洋子 太田出版       

  帯には「吉田戦車、南Q太、感涙!」とあったこの本ですが、なんて微妙な・・・。
 共通点あんまないし。まあ、そりゃおいといて、私はこの漫画をタイトル買いしました。
 題だけで薄幸そうな感じ。愛と青春のヒロシマ叙情って書いてあったのにもそそられ
 まして。あと表紙もインパクト有りで。
 おっさんみたいなおばさんみたいな顔でこちらをみつめている女学生が一人。ぬう・・。

 発行日付が2003年7月なのですが、「昭和37年初版」とかのほうが正しい感じ。
 それくらいふるーい感じ・・。全体的に漂うのは貧乏。貧しい。親もなく兄と文化住宅で
 2人で暮らしています。電話もない。お金がないので、好きな男の子と一緒の高校にも
 いけない。そんな袋小路の生活の中にあるかすかな・・本当にかすかな希望。
 ラストはなんともいえない気持ちになります。
 ほんまになんともいえん・・・ぐっ、ときます。ぐっと。
 
 なんかすんごいリアリズムにめげそうになります。2003年に、21世紀にこんなの書くって
 なんか凄い。なにがすごいって初子のためいき。
 紙を突き抜けてこっちまで漂ってきそうです。
 「すふっ」「はふぅ」「すはあ」「はく」「ふは」て・・・。もーなんつーかけだるい。
 エクトプラズムみたいなん出てるもん。
 で、この作品の一番のポイントは全編広島弁なのね。私はすごい広島の言葉好きなの
 です。うちもじゃけえじゃけえ言いたい。ええね響きが。
 
 「あの灯りいっこいっこ全部に家族がおってくらしよん 果てしなくあんなたくさん
  げぼがでそうなくらい」 54P
 

 この表現いっことってもすごい響きがいい。広島の喋りはええねえ・・。
 うっとりやわ。
 絵柄も「ガロ」って感じで、人によって好き嫌いあると思うけど、この漫画家さんは、いい。
 なんかいいぞ。同時収録のPAINT IN BLUEは、表題作とは変わって軽い感じ。
 この連作見ると、この漫画家の笑いのセンスがわかるというか。これがまた自分的には
 ツボで。かなりおもろかった。こっちも広島弁で、しかもやっぱり貧乏なかんじ。
 工場の手伝いをする息子が主人公なんだけど、まわりも零細工場ばっかなの。
 友人の家は親が夜逃げして、そいつはシンナーばっか吸ってて、妹はろくにご飯も
 食べさせてもらえず・・みたいな。そんな状況(主人公はプレスの機械に手ぇ挟まれて
 指切断とかになってるんだけど。なんか容赦ないな〜)なのに作品全体あかるーい
 空気なのです。 しかもおもしろいし。

 いやーかなり気に入った。多分ねえ、近日中にこの作家の作品コンプリしてると思います。
 他まだ3作しか出てないみたいだし。でもね、調べたら2作は絶版になってた・・よ・・・。
 そんな古い作品じゃないのに。なんでや。でも根性で集めるぞ!
 
 しかし・・きっと私の周囲の人たちに薦めても受け入れてくれないタイプの漫画
 (というか絵)だな。みんなこういうガロっぽいの嫌がるんだ・・何故だ。地味だからか。
 また地道に薦めてまわるかな。はは・・。

 2003.07.28



 


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