今月の新刊をチェックしていた時、恩田陸氏の新刊が2巻同時に出ることに気づく。実際にその本を本屋で見かけたのだが、なんと講談社のミステリー・ランドの作品となっていた(特徴的な箱型カバー)。もうとっくに、なくなったレーベルだと思っていたのだが、元々書く予定だった作品がようやく仕上がったということなのだろうか? 本屋で見て、なんとなく懐かしさを感じてしまった。
話は変わるが、私は毎年、宝島社の“このミス大賞”の作品を恒例行事として読んでいる。最初の頃は大賞だけではなく、優秀作等も読み通していたのだが、さすがに追いつかなくなっていったので、毎年大賞作だけは読もうと決めることにした。そしてふと、今年の“このミス”を読んで気が付いたのだが、「あれ? 今年の大賞作って2作品あったの?」と。
「ブラック・ヴィーナス」という作品は読んだのだが、もう一つの大賞作「神の値段」という作品に気づいていなかった!! そんなわけで2016年度は、恒例の“このミス大賞”作品を読み落とすというミスを犯してしまった。来年からは気を付けよう(来年は大賞は1作だけ)。ところで「神の値段」のほうはどうしよう? 文庫化を待つ??
今年もランキングに参加した「本格ミステリベスト10」、そして「週刊文春」のミステリーベスト10、「このミステリーがすごい!」、「ミステリマガジン」の“このミステリが読みたい”、計4冊それぞれのランキングが発表された。
ここで一言、言わせてもらうと、「ミステリマガジン」が買いにくい。前までのように“このミステリが読みたい”が独立した冊子で売っていたころは良かったのだが、一体化してから実に買いにくくなった。そもそも「ミステリマガジン」自体が、あまり本屋においていなく、それがこの時期“このミステリが読みたい”が付属することにより、それらが売れてしまう。そうして、本屋には置いていない状態となる。結局今年は、インタネットにより、遅れて購入する羽目となった。このへん、なんとかならんかなと。
未読の作品で気になったのは、
「罪の声」 塩田武士(講談社)
「おやすみ人面瘡」 白井智之(KADOKAWA)
「リボルバー・リリー」 長浦京(講談社)
「拾った女」 チャールズ・ウィルフォード(扶桑社文庫)
「宇宙探偵マグナス・リドルフ」 ジャック・ヴァンス(国書刊行会)
ちなみにすでに購入したのは「罪の声」「拾った女」「宇宙探偵マグナス・リドルフ」。すでに「拾った女」は読了。他は年明けに読もうかなと。「おやすみ人面瘡」と「リボルバー・リリー」は文庫が出てから考えようかな。
今年一番の注目本と言えば「熊と踊れ」。こちらはランキングが出る前に購入しており、なんとか年内に読むことができた。個人的にはあまりハマらなかったのだが、分厚わりには読みやすい作品であった。国内ミステリについての注目本は・・・・・・残念ながら、なかったような。
2016年12月10日 講談社ノベルスは今年中に読んでおくか
本日の購入本
「独捜! 警視庁愉快犯対策ファイル」 霞流一(講談社ノベルス)
「爆発の三つの欠片」 チャイナ・ミエヴィル(新・ハヤカワSF)
「盗まれた指」 S・A・ステーマン(論創海外ミステリ183)
「震える石」 ピエール・ボアロー(論創海外ミステリ184)
めっきり少なく買った講談社ノベルスからの新刊。さらにいえば、その少ない新刊のなかでも買いたい本が少なくなってきた。そうしたなか、霞氏の作品が久々に講談社ノベルスから登場。なんとなくシリーズっぽいタイトルでありつつも、シリーズになるかどうかは微妙というところが霞氏流。
2016年12月3日 今週の購入本・・・・・・というか、先月の残り分
今週の購入本
「宇宙軍士官学校−前哨− 12」 鷹見一幸(ハヤカワ文庫JA)
「首折り男のための協奏曲」 伊坂幸太郎(新潮文庫)
「雪煙チェイス」 東野圭吾(実業之日本社文庫)
「いまさら翼といわれても」 米沢穂信(角川書店)
「片翼の折鶴」 浅ノ宮遼(ミステリ・フロンティア)
「ゴーストフォビア」 美輪和音(創元推理文庫)
「クリスマスの朝に キャンピオン氏の事件簿Ⅲ」 マージェリー・アリンガム(創元推理文庫)
「宇宙軍士官学校」は完結編(一応、第一部完結とのこと)。伊坂氏の積読がたまりつつある。東野氏は恒例の文庫書下ろしゲレンデ・ミステリ。米澤氏は久々の古典部。ミステリ・フロンティアは久しぶり。美輪氏の作品もいきなり文庫での新刊(どこかで掲載したものを集めたのかな?)。キャンピオン氏の事件簿は早くも三作目。