前夜祭


『1999年11月号 KADOKAWAミステリ創刊号 芦辺拓』
 S大学付属高等学校では明日の学園祭に備えて生徒達が夕方まで準備の真っ最中。それらの様子を見ながら構内を練り歩く学園の主(犬)マタエモン。マタエモンが小体育館をのぞいてみると推理劇の準備の真っ最中。美少女だけどおやじっぽい高之沢さつき、眉目秀麗だがたよりない佐々脩平、大柄で茫洋とした大内文吾、小柄で知的な才川茜。彼ら四人はその最中に嫌われ者の生徒指導部長の五百旗田真子の死体を跳び箱の中に見つける。しかし警察に通報してしまうと明日の学園祭が中止に・・・・・・。そうこうしているうちに生徒会長の千代崎が学園祭の犯人当てのイベントの下見に来た探偵小説家を連れてくる。彼らは協力して小説家をだまし気絶させ舞台から退場させる。そして五百旗田の死体を熊のぬいぐるみにいれてミニSLで運ぶことに・・・・・・


『1999年12月号 KADOKAWAミステリ 西澤保彦』
 ミステリ作家をめざす英語教師、酒呑温志は勤務中にミステリを書いているところを五百旗田に見られクビを宣告される。(そのとき五百旗田がおとした封筒、映写用のスライド三枚を拾う)自棄になった酒呑は酒でも飲もうとコンビニで酒を買ってきた帰り、ミニSLに乗った熊のぬいぐるみを見る。そしてその後その熊のぬいぐるみを同じ英語教師、松波が台車で運んでいるの見る。酒呑は気になり、調べてみるとそれは五百旗田の死体。警察に知らせようとすると生徒の高之沢に止められる。
 自棄を起こした酒呑は高之沢に酒をすすめ教頭室で酒盛りをしていると五百旗田の過去の写真を見つける。そのとき、クビになったのは自分ではなく松波であったという勘違いに気づく。結局生徒たちと五百旗田の死体を校長室に隠そうということになったのだが死体は消えていた。


『1999年01月号 KADOKAWAミステリ 伊井圭』
 学園祭当日の朝、堀口夢は林元健治にスケボーがなくなったと泣きつかれた。三年E組の学園祭実行委員たちは昨日から学校に宿泊していた。五百旗田に見つかったら大変と二人でスケボーを捜し始める。その際この学校の名物用務員の世名城に会い、五百旗がマニキュアをしていたという話を聞く。そのとき、実行委員で応援団長である尾原が来て、E組の出し物につかうダンボールの一つが紛失したという。あわててそちらを捜し始めると、家庭科室に五百旗田の死体入りのダンボールを発見する。どうやら林元のスケボーでこれを運んだらしい。学園祭の中止を怖れ、夢らはダンボールのすり替えと死体の隠蔽をはかる。それらが終わったとき、実行委員の一人の国保が現れ、不穏な空気をかぎつけすりかえなどの工作を見破る。また、実行委員の矢名川慶子が松波をかばって(彼女は松波が犯人だと思った)中埜に手伝ってもらい家庭科室に死体を隠したことも見破ってしまう。そしていま死体を隠しているはずの音楽室にいってみると、ぬいぐるみを着ている五百旗田の死体が!?


『1999年02月号 KADOKAWAミステリ 柴田よしき』
 学園祭前、手芸部は例年の出し物ではなく、部員才川茜の提案により着ぐるみによるパレードを行うことになった。それにむけて手芸部部長宇田川美香や唯一の男子部員四十九院賢らとぬいぐるみを作る毎日となっていた。(才川茜は推研復活活動のために手伝えなくなったのだが)作業に没頭する中メインとなるテディベア「さとしくん」も出来てくるが中身の横幅が大きすぎ四十九院が入るにしてもつめものでもいれなければならなくなりそうであった。
 学園祭前日ぬいぐるみ達もほぼ完成したが「さとしくん」の縫い目が気になる宇田川。夕食や裁縫セットを買いにコンビ二へ行った帰り、学生が争っているのを目撃。同級生の新井と五百旗田のせいで退学処分にされた塚本和也。塚本は明日の学園祭をぶち壊すと言い残し去っていった。皆で晩御飯をたべるときに宇田川が用務員のおっちゃんにマスタードを借りに行くとに焼却炉で燃やされていた布の存在についてを聞くことに。
 そして当日の朝、塚本が仲間を連れてバイクで構内を荒らしまわる。そのせいで学園祭は延期となりそうであったが、生徒会長の千代崎がそれでは夕方に「前夜祭」をやらせてくださいと・・・・・・


『1999年03月号 KADOKAWAミステリ 愛川晶』
 生徒会長千代崎の機転によって前夜祭が行われた。ただし内容は千代崎と六人の生徒による大喜利大会。
 その間才川茜らは小体育館を調べここが殺害現場だと断定する。そして焼却炉で用務員のおっちゃんが見つけた布より、だれかがここで以前に学校を退職処分になった三枝先生と誰かの不倫関係をあばくたれ幕が処分されていたのを突き止める。
 また手芸部部長の宇田川は「さとしくん」の中に五百旗田の死体を見つけ、四十九院とともにお化け屋敷に隠していた。そのぬいぐるみのなかにICレコーダーを見つけ、理事長と三枝との不倫を知り、また理事長と五百旗田の間に子供がいて、それが高之沢さつきだと・・・・・・。そして死体はまたどこかに消えてしまう。
 そんな中、実は五百旗田を殺したのは十一代目マタエモンであると・・・・・・!?


『1999年04月号 KADOKAWAミステリ 北森鴻』
 皆が消えた五百旗田の死体を捜し原因を追求して小体育館に次々と集まってくる。そこで始まる推理劇。さて、結局五百旗田を殺したのはだれかがついに明らかに!!



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