法月綸太郎の功績


「イコールYの悲劇」 (『「Y」の悲劇』:アンソロジー2000年7月刊)
 足立茜は姉夫婦宅にて一人で留守番中、何者かにナイフで刺されて殺された。その殺害の際に被害者は近くのメモ用紙に「=Y」というダイイングメッセージを残していた。
 その殺害現場の家に住んでいた坂崎翠は夫の庸介の浮気の現場へと踏み込み、近隣の住人を巻き込んで騒ぎを起こしていた。そしてその騒ぎが彼らのアリバイとなることに・・・・・・。「=Y」のダイイングメッセージの謎がわからないまま、外部による強盗の仕業かと思われたとき公園にて変死体が・・・・・・


「中国蝸牛の謎」 (『メフィスト』:2000年5・9月号)
 カタツムリ殺人事件(仮題)という作品を書き上げようとしていた作家が奇妙な状況における変死体となって発見された。
 部屋に閉じこもったかに思われた作家を案じた編集者が法月の元へと連絡をしてきた。法月と編集者で窓ガラスを割ってその部屋へ入ったところ、部屋の中の動かせる家具がすべて上下逆さまとなっていた。その部屋には人の姿はなく、その家の主人の作家いったいどうやって脱出したのか? 他の部屋を探してみると、別の部屋にてその作家は首吊り死体となって発見された! しかも着衣が裏返しになった状態で!!


「都市伝説パズル」 (『メフィスト』:2001年9月号/第55回日本推理作家協会賞受賞作)
 巷にて、とある“都市伝説”(口裂け女のような口コミで広がる現代の噂話)がはやっているという。
 A子さんを含む大学生達が先輩のBさんの家で飲み会を行った。飲み会がお開きになった後A子さんは皆と共に帰ることに。しかし、A子さんはBさん宅に大事な忘れ物をしてしまった。一人でBさん宅に戻ると、Bさん宅から返事はなくドアが開いていた。A子さんはBさんを起こさないようにと電気をつけずに忘れ物だけを取ってBさん宅を後にした。次の日Bさん宅でBさんの死体が発見されたという。そして壁には「電気をつけなくて命拾いしたな」と書かれていたという。A子さんがBさん宅に入ったときそのとき犯人がまだそこに・・・・・・
 そんな都市伝説がはやっているなか、それと同じような殺人事件が起こったと法月警視は息子の綸太郎に話すのだった。


「ABCD包囲網」 (『「ABC」殺人事件』:アンソロジー2001年11月刊)
 女性の絞殺死体が発見された事件にて、警視庁では容疑者が絞り込まれ事件解決の見込みがたっていた。そんなおり、警視庁に一人の情報提供者がやってきた。その男は区役所に勤める鳥飼と名乗るものであり、自分がその女性を殺したと! しかし警察が調べてみると本人には別のアリバイがあり、それを実行できるはずはなかった。虚言癖のある男ということでその場は帰されるが、その後も自殺と思われる飛び下り自殺の事件や、事故と思われるホーム転落事件の実行犯として名乗りをあげて警察に自供しに来る始末であった。しかし、そこに車椅子姿の鳥飼の妻が警察に尋ねてきたとき、事件は異なる様相を見せ始め・・・・・・


「縊心伝心」 (『メフィスト』:2002年5月号)
 ひとり暮らしのOLが不倫相手にこれから死ぬと電話で告げ、その相手がOL宅へと行ってみると当事者は首を吊っていた。しかし、警察の調べによって被害者は縊死ではなく、打撲による致命傷を受けていることがわかった。
 この事件を法月綸太郎はホットカーペットの不審な位置から犯人を論理的に導き出す!



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