法月綸太郎の冒険
「死刑囚パズル」 (1992年6・7月号 「コットン」)
死刑執行のまさに直前死刑囚が毒殺された。閉鎖された刑務所内で不可解な事件が起こる。なぜ死刑囚は今、殺されなければならなかったのか? 犯人はいったい? 秘密裏に迅速な調査が法月親子に依頼される。そして法月綸太郎は捨てられていた注射器のアンプルから犯人を特定する。
「黒衣の家」 (1990年11月号 「コットン」)
元刑事であった当麻規介が病気でなくなったことにより家庭内のバランスが崩れて行く。その妻で頑固な老人佐代、長男で母佐代の言うことに従う靖規、その妻で姑とうまくいっていない朝子、靖規と朝子の息子で小学生の澄雄、寝たきりの佐代の妹世津、母と絶縁していて十年ぶりに帰ってきた克樹、そしてその妻と娘の真理子、長女で結婚して家を出ている真希子、その夫味沢公一、そして個人の甥である法月警視と息子綸太郎。葬式当日、佐代と克樹の溝はさらに深まり、家を出て行く克樹親子。世津とともに部屋に閉じこもる佐代、規介を追うように死んでいたオウム。そしてある日、佐代が毒殺される。状況から小学生の澄雄に嫌疑がかかるのだが・・・・・・
「カニバリズム小論」 (1991年 9月号 「コットン」)
大久保信は恋人を殺し、五日間にわたってその恋人の死肉を調理し、食べつづけていた。その現場を警官に抑えられ、逮捕される大久保。彼の言動にはどういう意味が・・・・・・。法月が友人とカニバリズムについて論じ合う。
「切り裂き魔」 (1990年 4月号 「コットン」)
図書館で奇妙な事件が起こる!推理小説の表紙をめくった扉の数ページが切り裂かれるという事件が起きた。しかも一冊や二冊ではなく、多くの推理小説がその被害に! 図書館の常連、法月綸太郎が捜査を依頼される。犯人の目的とはいったい! その影には推理小説愛好家としては許されざるべき真相が!!
「緑の扉は危険」 (1991年 5月号 「小説NON」)
とある読書マニアが自殺した。生前、蔵書を図書館に寄付するという約束をしていたはずだが、なぜかその妻がごねて譲らないといいだした。また、彼の家にはあかずの扉があり(彼が自殺した部屋についていた!)、彼は生前、「自分がこの世を去るとき<緑の扉>が開かれるであろう」といっていた。法月が調べる読書マニアの死の真相とは? 蔵書の謎は? 緑の扉は開かれるのか?
「土曜日の本」 (1991年12月刊 「鮎川哲也と十三の謎'91」(「鮎川哲也と五十円玉二十枚の謎・解答編Ⅰ」改題))
綸太郎が編集者から与えられた五十円玉二十枚の謎を考えていると、知人によってまさにその謎が実現されているという話が! 綸太郎は締め切りに間に合うのか?
「過ぎにし薔薇は・・・」 (1992年 7月号 「野生時代」(「図書館綺談」 改題))
図書館に謎の女性が出没。しょっちゅう本を借りていくのだが、本の選び方が妙で、本の天小口をぱっと見てランダムに本を三冊選んで借りて行くというのを繰り返してゆく。さらに調べると数々の図書館でも同様なことを繰り返す。そして返却した祭、かならず本の中に彼女の作ったしおりが挟められている。はたして彼女の目的は?
内容・感想へ戻る