今夜はパラシュート博物館へ
「どちらかが魔女 (Which is the Watdh)」 (1999年9月号 メフィスト)
西之園萌絵とその叔母、佐々木睦子が開くパーティに招待された、犀川、喜多北斗、大御坊安朋。安朋はひとりの女性を伴ってやって来た。その女性の名は旧姓、木原恵郁子(けいこ)という。
このパーティでは常々、変わった話を誰かが用いるのだが、今回の最初は犀川が話し出す。それはキリストの絵の胸の部分に穿たれた、釘の跡の話であった。結局その話は結論を出さずに次の話へと移ってゆく。
恵郁子の話は彼女が学生の時の話で、彼女はストーカーまがいの男に付回されていたという。その男は彼女の後をつけるだけで、何も死はしないのだが。ある日、彼女が逆にその男を追ってある喫茶店に入った。しかし、その男はどこで見失ったか見当たらなかった。たまたまそこに、女の占い師がいたので、成り行きで占ってみると、あなたが探している男が運命の男だ、などといわれたのだという。
また、安朋も彼の学生時代のある話をするのだが・・・・・・
「双頭の鷲の旗の下に (Unter dem Doppeladler) 」 (2000年1月号 メフィスト)
T学園の学園祭当日、早朝来た者が窓ガラスに妙な跡があるのを発見した。それは、校舎の外の離れたところから散弾銃でも撃ったかのような跡になっていた。しかし、その窓ガラスを狙って撃つべき、ちょうどいい位置というのがわからなかった。いったいその跡とはなんなのだろうか?
「ぶるぶる人形にうってつけの夜 (The Perfect Night fo Shaking Doll)」 (2000年5月号 メフィスト)
練無は紫子から土曜日の夜、最近大学に出没するという“ぶるぶる人形見学ツアー”に誘われ、しぶしぶながら行くことになった。その前日、練無は図書館で“フランソワ”を名乗る令嬢風の女性から、これから行われるという、“ぶるぶる人形を追跡する会”に誘われる。その会の会長と思える男、練無の体重の二倍ほどあるので二倍男命名、から“ぶるぶる人形”についての説明がなされる。なんでも、その人形はノイローゼになって自殺した女性の怨念だという噂練無は聞いていたのだが・・・・・・。“ぶるぶる人形”は目撃者の証言によると紙でできた人形で、踊り狂うのだという。そして人が近づくと燃えてしまうというのだ・・・・・・
練無は紫子と連れ立って、“ぶるぶる人形見学ツアー”へと出かけ、フランソワらとともに、その人形の出現を目撃することに!!
「ゲームの国 (The Country of Game)」 (2001年1月号 メフィスト)
探偵・磯莉卑呂矛は助手のメテ・クレナモを伴って、依頼主のいる島へ向かう。その島に26年前に死んだはずの殺人鬼が今年、蘇るという伝説があるのだという。
そしてある日、不可解な殺人事件が起こった。九つある施錠された茶室に村長の城山と島のリーダー格で依頼人の玉島が別々にその部屋に泊まっていたというのだが、四つ目の茶室に泊まっていた玉島は目がさめると、施錠された二つ目の茶室にいたという。さらに一つ目の茶室にいた城山は三つ目の施錠された茶室で死体となって発見されたという。
この奇妙な事件の驚くべき、珍妙な解答とは??
「私の崖はこの夏のアウトライン (My Cliff is Outline against this Summer)」 (2000年1月号 小説新潮)
私がその崖の近くへ行くと、その崖には一人の青年がいた。その青年は眼帯をしていた。その青年がいうにはこの崖は自殺の名所だという。さらにその青年は自分の過去を話し出す。その昔、彼の担任の女の先生がここで無理心中を図ったというのだが・・・・・・
「卒業文集 (Graduation Anthology)」 (書下ろし)
生徒16人が小学校の思い出と、満智子先生への思いを募った卒業文集。
「恋之坂ナイトグライド(Gliding through the Night at Koinosaka)」 (2000年9月号 メフィスト)
とどかないはずのひさしに靴をそろえて置き、凍死した男がいたという。
「素敵な模型屋さん (Pretty Shop of Models and Toys)」 (書下ろし)
模型を愛し、模型屋を求める、ある少年の物語。
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