百器徒然袋−雨
「鳴釜 薔薇十字探偵の憂鬱」 (小説現代1998年12月増刊号メフィスト)
従妹が奉公先の御曹司とその仲間たちに強姦され、どうしたらいいかと大河内に相談したところ、探偵を紹介された。その探偵とは薔薇十字探偵社。そして名探偵「榎木津礼二郎」。かれは人には見えないものを見ることができるという・・・・・・。そして、事件を依頼したところ相変わらず常識を逸した行動に出ながら榎木津は事件を引き受け、助手の益田や「京極堂」中禅寺をも巻き込み大騒動を起こす。はたして鳴釜の儀式は悪人どもの罪をあからさまにすることができるのか?
「瓶長 薔薇十字探偵の鬱憤」 (小説現代1999年 5月増刊号メフィスト)
榎木津の探偵事務所に父親から青磁の瓶を探してきてほしいと依頼される。骨董屋の「待古庵」今川を巻き込むも珍しい瓶なので探索はなかなか難しい。とそんなときに、中禅寺の元に赤坂の壺屋敷から憑き物落としの依頼が入る。が、この壺屋敷は色々と厄介事を抱えている様子。これらすべてを一緒くたにし、榎木津が事件を仕切りだし、中禅寺がいやな顔をし、木場がどなりちらし、益田や今川が下僕として巻き込まれる。大騒動の中、瓶は見つかるのか? そして憑き物落としの件は?
「山颪 薔薇十字探偵の憤慨」 (小説現代1999年 9月増刊号メフィスト)
中禅寺もとにかつて知り合いになった僧の常信が頼みごとをしに来た。18年ぶりに山を降りた常信は以前の知り合いの僧に連絡をとろうとするが、そんなものは知らない、死んだ、とつっぱねられる。そして昔は寺であったはずの土地が今では、高級懐石料理屋になっていた。妙な気配を感じ取った常信は中禅寺に相談を持ちかけたのだった。そんな中、榎木津は古美術品と一緒に盗まれたヤマアラシを探索中であった。今度は小説家の関口や釣堀屋の伊佐間を巻き込んで、またもや榎木津が大騒動を起こす。
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