ダックスフントのワープ


「ダックスフントのワープ」  (「すばる」1958年12月号 第九回すばる文学賞受賞)
 大学の心理学科に通う「僕」は、自閉的な少女・下路マリの家庭教師を引き受けることになる。マリは利発な少女であるのだが、父親の再婚相手が家に来てから、日常の中でうまくバランスがとれなくなっている。「僕は」彼女の心の病を治すため、異空間にワープしたダックスフントの物語を話し始める。彼女はそのストーリーに興味を持ち、「僕」との日々の対話を繰り返して行くことに。
 また「僕」は下路マリの学校の女教師とも話をすることに。そこで彼はマリにどのような話をしたかを彼女に語る。


「ネズミ焼きの贈り物」  (「すばる」1986年8月号)
 男は本屋で万引きをしている女の子をみつける。彼女が警備員に捕まったとき、なぜか警備員を突き飛ばして彼女を助けてしまう。そして見たことがあると思った女の子は、昔の男の友人の妹であった。
 そして彼女の口から昔の話が語られることに。どこか歪んでいた彼の友人、彼女の兄の話を。


「ノエル」  (「すばる」1988年9月号)
 翔子の弟ノエルは母親は一緒であるが、父親は違う。その名前と容貌から国人の血をひいていることは明らかであった。ノエルのことで両親は離婚した。そしてノエルが生まれた本当の理由を知ったときから翔子は・・・・・・
 ある日翔子は大切にしていた人形を捨てに行こうとノエルに告げ、二人で雨の中、海へと向かうのであった。
 バスを待つ途中にノエルが危うく車に轢かれそうになり、その運転手の青年と知り合うことに。そして彼の車で海まで送ってもらうことになる。その青年は足に怪我をしてホッケーができなくなったとういう話を二人にする・・・・・・
 そして海に着いたとき翔子とノエルは・・・・・・


「ユーレイ」  (「中央公論文芸特集」1990年夏季号)
 ユーレイの一日は午後二時に始まり、午後六時に終わる。毎日きっかり午後二時こちら側にあらわれ、正確に四時間後あちら側にもどっていく。例外はない。
 アンティークの店の店番をしている「僕」の元にユーレイと名乗る女性がやってきた。向こう側に戻らなければならないので今日、部屋を貸して欲しいと。さらに彼女はこの店は目的地なのだというのだが・・・・・・



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