予知夢
「夢想る(ゆめみる)」 (オール讀物1998年11月号)
とある男が家宅侵入を企てたところ、家のものに猟銃でおどされ、慌てて逃げてひき逃げを犯して逮捕された。男が言うには、その家の娘・森崎礼美と17年前から結ばれる運命に決まっていた、という。実際に彼は17年前の小学生のときにサイン帳にモリサキレミと書き残していた。そして犯人は犯行前日に礼美から招待状を受け取っていたという。彼は本当に予知夢を見つづけていたのだろうか? そして事件の裏にある事実が浮かび上がろうと・・・・・・
「霊視る(みえる)」 (オール讀物1999年2月号)
細谷は長井清美とつき合っていたが、清美は細谷の友人の小杉が先に狙っていた女性だった。しかも小杉は細谷が清美とつき合っていることを知らず、清美にしきりにアプローチをかけている。そのことにけりをつけようと細谷は小杉の家に電話をするが、小杉は居らず、これもまた友人の山下が留守番を頼まれているという。細谷も小杉の部屋へ行き、一緒に酒盛りをすることに。そして酒もだいぶまわった時、細谷は小杉宅の庭に清美と思われる女性を一瞬見る。確かめてみるがそこにはだれもいない。不吉な予感がし、清美と同じマンションに住んでいる人に様子を確かめてもらうと清美は殺されていた。そしてその場から立ち去る小杉が目撃された。典型的な衝動殺人かと思われるなか、清美は誰かを恐喝していたのではないかということが明るみになり、事件は異なる様相を・・・・・・
証拠写真。とある計画殺人。そしてステレオのガリ。ガリレオの導き出した答えとは?
「騒霊ぐ(さわぐ)」 (オール讀物1999年4月号)
刑事の草薙は姉の友人・神崎から夫が行方不明になったという相談を受けた。彼は最後にとある独り暮らしのおばあさんの元を訪れたのではないかと予想された。そこでその家に連絡してみると老婆はなくなっており、老婆の甥という人物を含む得体の知れない四人の男女が住み着いていた。神崎は夫の行方を探ろうと単身その家を張り込んでみると、その四人は毎日20:00に家をでてどこかに行くのがわかった。そこで草薙と協力して四人の行動を探るが、怪しい行動はしていない。しかし、その20:00の時間になると誰もいないその家から突然大きな音が鳴り響くのであった。これはポルターガイストか?
はたして神埼の夫の行方は? そして四人はいったい? ガリレオによってその家である実験がなされる。
「絞殺る(しめる)」 (オール讀物1999年9月号)
工場を経営する矢島忠昭がホテルの一室で絞殺された。睡眠薬で眠らされてから絞殺されたようであった。首には絞められた跡と、絞めた後に紐を引っ張るような行為による切り傷ができていた。そして現場には何らかを燃やしたような焦げ目が残っていた。
矢島が経営する工場は経営に困っており、矢島の妻が容疑者となったがしっかりしたアリバイがあった。聞き込みをするなか、矢島の子供が矢島が殺される前に工場で火の玉を見たという。
ガリレオの実験によって浮かび上がる真実とは?
「予知る(しる)」 (オール讀物2000年1月号)
菅原夫婦と後輩の峰村が菅原宅で食事をしているとき、向かいのマンションに住んでいる、菅原の愛人が離婚してくれないと自殺すると携帯電話で脅し始める。そして実際に彼らの見ている前で自殺してしまう。痴情のもつれによる自殺、で事件が片付けられるところであったのだが、同じマンションに住む女の子が事件の起こる二日前に同じ部屋で自殺を図る女性を目撃したと・・・・・・
女の子は予知夢をみたのだろうか? それとも?? ガリレオが語る、異なる側面から見る事件の真相とは!!
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