0の殺人
容疑者
藤田カツ(76)富豪の老婆
串田辰夫(38)カツの甥
串田浩子(35)カツの姪
三原源治(61)カツの弟
第一幕
藤田カツのパーティーに招待された者達、主催者で富豪の藤田カツ、カツの亡き妹の子供でカツの甥と姪にあたる串田辰夫と浩子、カツの実の弟・三原源治、カツの弁護士と主治医、そしてヘルパーの土岐沙由理。
パーティーの最中、カツは疲れをうったえ、沙由理にお茶を寝室に運んでくれと指示してから主治医と共に寝室へ向かった。残った四人に沙由理はコーヒーをついでまわる。浩子はそのときトイレにたち、弁護士が砂糖を入れようとすると砂糖つぼが空なのに気づく。沙由理に頼み新しい砂糖つぼをもらい、そのとき浩子がトイレからもどる。弁護士が砂糖を使った後、辰夫が自分のコーヒーに砂糖を一つ入れ、浩子のコーヒーにも砂糖を二つ入れて渡す。源治は砂糖を入れなかった。皆がコーヒーを飲んだ直後、浩子が苦しみだし絶命する。その後、警察による鑑識の結果彼女のコーヒーのみに毒が検出された。
第二幕
通勤帰りのサラリーマンによって、アパートとアパートの隙間に挟まっている辰夫の死体が発見される。死因は墜落死。アパートの屋上から墜落したのは間違いないはずなのだが、彼は屋上に登ることができなかったはずだという。というのは、彼が墜落したと思われる時間帯、屋上に出る階段に二人の中学生がずっと座っていたというのだ。彼らは10時半〜12時までそこにいたという。アパートの管理人や隣人の証言によると辰夫は9時に帰ってきて、隣人にお土産を渡し(過去には土産を持ってきたことなどなかった)11時くらいまで物音が聞こえていたという。辰夫の死亡推定時刻は11時〜12時の間。
第三幕
恭三の元に沙由理から電話がかかってくる。カツが胸をナイフで刺されて死んでいるというのだ。急いで藤田邸へかけつけると、屋敷の中は荒らされていて、ベッドの上にはナイフを胸に突き立てられ死んでいるカツの姿があった。犯人は窓から侵入したようであるがこれは強盗の仕業なのだろうか?
そして検死の結果ではカツは心臓発作による死亡ということであった。死んだ後にカツは胸にナイフを突き立てられたのであった。
残りの親族である源蔵に連絡をしようとすると、彼は大阪に行くといって飛行機に乗ったという。さらに源蔵が乗ったはずのその飛行機は何者かに爆破され、源蔵は行方不明者の中に数えられていた。彼がなぜ大阪に行こうとしたのか動機を調査すると、彼の古い友人で酒で身を崩した男、山本徳次郎という男から源蔵には女がいたことを示唆される。
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