ブラウン神父の秘密

The Secret of Father Brown   1927

「ブラウン神父の秘密」
 隠遁生活を送っていたフランボウの元にブラウン神父が訪ねてきた。久々の邂逅を喜ぶ二人。
 そのブラウン神父にあるアメリカ人観光客が、神父の探偵法について尋ねる。尋ねられた神父は推理の秘密を語りだす。

「大法律家の鏡」
 バグショー警部はグィン判事の邸宅の近くで銃声を聞いた。判事邸へと入っていくと、庭で判事の死体を発見する。バグショー警部は屋敷の中をうろついていた怪しげな詩人を逮捕する。詩人は裁判にかけられることとなるのだが、隠された真実をブラウン神父が見抜く。

「顎ひげの二つある男」
 マイケル・ムーンシャインという、かつて有名な盗賊であった男が長い刑期を終えて出獄してきたという噂が流れる。そして、とある屋敷で起きた宝石の盗難事件。事件が起きた時に窓の外に赤い顎ひげに角ぶち眼鏡をかけた男の顔が見えたという。顎ひげの男は死体となって発見されることとなるのだが・・・・・・

「飛び魚の歌」
 有名なスマート氏の金でできた金魚。その金魚が盗まれた。金の金魚を警護していた秘書たちの前にアラビアンナイト風の男が現れ、魔法を使ったかのように、あっという間に金魚と侵入者は消え失せた。謎めいた事件の真相をブラウン神父が解き明かす。

「俳優とアリバイ」
 女優のひとりが控え室に立てこもり、出てこなくなるという事件が起きた。その説得役として呼ばれたブラウン神父。そうこうしているうちに、別の部屋にて劇場の支配人が死体となって発見される。しかし、このとき役者達は皆舞台に上がっており、全ての者にアリバイがあったのだ。ブラウン神父は舞台で稽古していた出し物が“醜聞学校”であったことを聞き、真相へとたどり着く。

「ヴォードリーの失踪」
 資産家のヴォードリー卿が失踪するという事件が起きた。秘書のエヴァン・スミス青年は、最近起きた出来事を神父に打ち明ける。ヴォードリー卿が引き取って育ててきたシビルという娘がいるのだが、なんとヴォードリー卿はそのシビルに結婚を申し込んだという。しかし、シビルはそれを断り、後に知り合ったドールモンという男と婚約した。ただ、そのドールモンはヴォードリー卿を脅迫しているという疑いが見られるのだと・・・・・・

「世の中で一番重い罪」
 ブラウン神父は姪のベティーから相談を受ける。彼女が言うには、母親がマスグレーブ大尉と結婚させようとしているのだが、気が乗らないと。大尉が笑うのを見て怖くなったのだと・・・・・・。その後、大尉の父親であるマスグレーブ卿と彼が住む古城にて会うことになるのだがブラウン神父は不穏なものを感じ取る。

「メルーの赤い月」
 宝石メルーの赤い月が皆の前から盗まれた。盗んだ腕が見えた際に、その肌の色から“山岳尊師”と呼ばれる胡散臭い男が捕らえられる。彼は宝石を身につけていなかったのだが、犯行については否定しなかった。ブラウン神父が見出した真実とは!?

「マーン城の喪主」
 マーン城の城主は20年以上も城にこもったままだという。なんでも、若いころに兄弟で決闘をし、大事な弟を死なせてしまったことにより失意にくれ閉じこもってしまったのだという。ブラウン神父はそんな城主のことを、このまま放っておいた方がよいというのだが、周囲の人々がおせっかいをやき、彼と会おうとしていた。そこでブラウン神父により、真実が語られることに。

「フランボウの秘密」
 ブラウン神父が語る事件の数々、その時に用いた探偵法について。そしてフランボウは自分の身の上を告白し・・・・・・



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