ポンド氏の逆説

The Paradoxes of Mr. Pond   1936

「三人の騎士」 (The Three Horsemen of Apocalypse)
 部下があんまり命令に忠実だったので、何一つとして思い通りに事が運ばなかった将軍の話。
 フォン・グロック将軍は詩人のペトロウスキーに対して処刑執行命令を送った。しかしその直後、執行停止命令がだされた。ところが、執行停止を通達する伝令が途中で死んでしまって、とどのつまりは、囚人が釈放されたのだという。

「ガーガン大尉の犯罪」 (The Crime of Captain Gahagan)
 三人の女性に同じ事を述べた話が、三様の別な話として伝わった話。
 ガーガン大尉はある日、三人の女性と会い話をしたのだが、その女性たちの証言によるとそれぞれの話にくい違いがあることから、ある犯罪の当事者として罪を問われてしまうのだが・・・・・・

「博士の意見が一致すると・・・」 (When Doctors Agree)
 完全に意見の一致した二人の男のうちの一人が相手の男を殺すことになったという顛末。

「道化師ポンド」 (Pond the Pantaloon)
 赤鉛筆に似ていた。だからこそあんなに黒々と書けたのです。
 機密を要するある公文章をどのようにして送るか、という仕事を直接指揮したポンド氏の話は・・・・・・

「名指せない名前」 (The Unmentionable Man)
 ある国の政府が好ましい他国者の追放を考慮していたのだが、実行に移すのはひどく困難であったと。

「愛の指輪」 (Ring of Lovers)
 はなはだ誠実な人物で、埒もない不必要な嘘をよくつくと。
 ある晩餐会の席で主催者の指輪が紛失した。身体検査をしたところ出席者はだれも指輪を所持していなかった。しかし、皆がコーヒーを飲もうとしたときに、突然主催者が「コーヒーに毒が入っている!」と。だが、出席者の一人はそれを飲み、窒息死したのだと・・・・・・

「恐るべきロメオ」 (The Terrible Troubador)
 自然界では高みにのぼるものにお目にかかりたければ、ずっと下のほうを探さなくてはなりません。
 ガーガンが巻き込まれた、一人の女性を巡る、銃殺事件。

「目立たないのっぽ」(A Tall Story)
 のっぽすぎて目につかないスパイの話。



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