九人と死で十人だ

Nine - and Death makes Ten   1940

 新聞記者であったマックスは火事の取材中に負った怪我がもとで記者をやめ、兄フランシスが船長を勤める船でイギリスへと買える途中のこと。船には乗客が9人乗っているとの事。犯罪者を引き取りに行く検事補レイスロップ。いわくありげな魅力を振り撒くベイ夫人。アーチャー博士。実業家のフーパー。奇妙な振る舞いをするフランス大尉バンワ。謎の若い女性チャトフォード。船酔いで一人船室に閉じこもる貴族の子息ケンワージー。そしてもう一人?

 船旅の中、ベイ夫人が殺されているのをマックスは発見する。部屋の鏡には犯人のものとおぼしき指紋が残っていた。船員らによる捜査により乗員の指紋がすべてとられたが、一致しているものはなかった! そしてベイ夫人が殺された折、マックスの部屋に隠れていたチャトフォードは実はケンワージーの親戚で、彼女との噂がたっていたベイ夫人の隠し持つ手紙を奪い取ろうとしていたと告白する(ケンワージーは手紙の存在は否定する)。さらにチャトフォードはベイ夫人の部屋からバンワ大尉が出てきたのを見たという。

 捜査が混乱して行く中、船長はもう一人の乗客ヘンリー・メルヴェールの存在を明らかにし、マックスに彼に捜査を依頼するように申しつける。そしてH・Mが捜査に乗り出すことに。すると甲板から銃声が聞こえ、フーパーの目撃によると、バンワ大尉が何者かに撃ち殺され、海へ投げ捨てられたという。そして犯人は船内へ逃亡したと。一見、ベイ夫人殺害後の自殺ともとれるが真相はいったい・・・・・・

 そしてH・Mが指紋の謎に気づいたとき、犯人は指紋がおいてある部屋を襲撃し、H・Mに怪我を負わせ、船員を殺害する。現場からはパスポートが盗まれ、なぜか指紋は手付かずのままだった。

 さて、一連の犯人は誰なのか? 指紋の謎は? もう一人の乗客は存在するのか? H・Mが犯人に罠を仕掛ける!



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