ラブレターはゴミ箱へ

ラブレターをかこうと思いました

ただ一言

「好き」って伝えたいと思いました

だけど シャープペンシルを手に持って

いざ かこうとすると

お気に入りのレターセットでは なんだか

幼稚すぎるような気がして

シンプルな便箋を探すために

一時休戦!

やっと納得がいって

まず 彼の名前をかこうとしたら

シャープの芯が”ポキッ”

なんだか出鼻をくじかれて

幸先の悪いスタートです

気をとり直して

だけど言葉が

…言葉が出てこないのです

手紙に対して照れたってしょうがないのに

いいえ

本当は怖いのかもしれません

今のままなら 前進はなくっても

傷つくことはないから

かいてしまったら引き返せないから

進むのも戻るのも せつなくて

 

理由は簡単です

本当は勇気がないからです

でも表向きは

”字が下手だから”ってことにしておきます

だから

ラブレターはゴミ箱へ

かわりに

捨てたはずのウジウジを拾うのです

 


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