MOON2 哀しいほど穏やかな午後MOON2

明るい日差しの中
洗ったばかりのシーツが
やさしく風に揺れている

これといって急ぐ用事もなく
ただぼんやり過ごす
こんな時間

暖かな紅茶の香りが
懐かしい記憶を呼び起こす

燃えるような思いがあった

思い出すたび
ツンと目頭を熱くさせる程の
胸の焦がれもあったけれど

過ぎてしまえば
皆同じ
ただの思い出・・・

なのに せつなくて
なのに 哀しくて

柔らかな日差しのなか
満ち足りた心の真ん中に
ポッカリ小さな空洞を
見つけたようで

けれど そのまま忘れましょう

時々 こんな風に
穏やかな午後には
一人 取り出して

思い出しましょう

若かったあの日の熱い思いと
せつない涙を

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