平安の乙女の涙
頬を伝い 時を下る
踊り人の舞う 哀しき叫びに酔わされ
いつしか 詩人の気分にひたる時
神は真白き衣まとい
舞い降りる
輝かしき その御姿に
下界の者 等しく胸ときめかす
言葉は違っても
誰しも夢見るように・・・
けれど
神の衣はためく陰に
聖女の嘆きを
鬼と呼ばれるもの
ただ一人 肩を震わす時の心を
誰一人
知る術も 持たない
ああ 思いとは
思う心とは
なんと哀しきもの
美しきもの
気を重くし、胸ときめかすは
いつの時代(とき)にも
もの思う はかなき溜息
平安の乙女の涙
頬を伝い 時を下り
今 我の瞳に浮かばん