自動車近傍の自動二輪車の空力特性

 まえがき


 現在の交通事情は車両の増加と高速化にともない、自動二輪車が他の車両と接近して走行する状況が増加している。特に自動車の前方、後方、側方で接近走行する時に自動車の周りで発生する乱流は、自動二輪車に大きな影響を与える。つまり自動二輪車は、現在の交通事情では空力的な影響を受け、最も弱い立場にあると言える。そこで本実験では、自動二輪車が自動車と接近走行する上でどのような抗力、横力、片揺れモ−メントを受けるか、また自動車の周りの圧力の変化を風洞を使用して測定を行った。


 

 目的



 今回、自動車模型は大型バスと普通ワゴンの2つを使用した。自動二輪車模型を自動車模型の前後方向、横方向に変化させ、それぞれの位置での抗力係数、横力係数、片揺れモーメント係数を回流式風洞用6分力天秤を用いて測定する。そして、自動車模型の右側面の圧力分布を調べた。また、実験は自動二輪車と自動車が同一方向、同速度で走行しているとして静的に行った。これらの測定結果より、自動二輪車の空力特性の解明を行うことを目的とする。
 

 実験装置



  

 模型


   自動二輪車模型(ヤマハFZR750R) 

     縮尺  10分の1
     寸法  全高 175mm(ライダーを含む)
         全幅 70mm(ライダーを含む)
         全長 200mm
         前面投影面積 0.00760m2
     材質  粘土,アルミ,ステンレス

   大型バス模型 

     縮尺  10分の1
     寸法  最大全高 350mm(床下地上高80mm時)
         最低全高 270mm(床下地上高0mm時)
         全幅 250mm
         全長 500mm
     材料  塩化ビニール樹脂
  
   
   普通ワゴン模型
 
     縮尺  10分の1
     寸法  最大全高 240mm(床下地上高80mm時)
         最低全高 160mm(床下地上高0mm時)
         全幅 170mm
         全長 500mm
     材料  塩化ビニール樹脂

   

 ピトー静圧管

    
   

 ベッツ型200mmAqタイプマノメータ


       理科精機工業株式会社製    
          
 
   

 回流式風洞6分力天秤

  
       日章電機株式会社製
  
  
   

 回流式風洞


    製造番号:B−1762
     測定位置寸法:高さ 1.0m
            幅  1.0m
            長さ 2.0m
     開放時風速範囲:5〜45(m/s)
       三菱重工業株式会社製
  
 

 圧力センサー


     スキャニバルブ(大手技研株式会社製)に内蔵

実験方法実験結果