居飛車穴熊が猛威を振るっていた頃、アマチュアの立石勝巳氏が指し始めたものが立石流である。
見て分かるように大変独創的な形である。
一見奇襲戦法のようだが振り飛車から攻勢に出ることはあまりない。
石田流の佳いところを採り入れていて居飛車が動いてきたところを叩くかんじである。
対穴熊用なので角交換から乱戦になれば一応成功である。
逆に言えば力戦が好みの相手には避けた方が無難かもしれない。
形が形だけに序盤の変化は広いが居飛車がこうさせば振り飛車が必ず悪くなる変化というものは無い。
それはそれで一局の将棋である。
居飛車が乱戦に飛び込まなければ中盤以降いつの間にか本格将棋に変化する。
低い美濃囲い+石田流の陣に組み上がると居飛車は身動きがとれなくなってしまう。
そこを叩く。
立石流は2図のような形を目指していく。
pointは△3五歩が伸びすぎにならないように駒組みを進めること。
△5二金型より△5二銀型が隙が無くて佳い。
金は△3二でバランスをとると思っておこう。
角も上がらず、居飛車の歩交換をいやがらない。
2筋は金で守る。
場合によっては△3三角と上がり角交換に同桂とする場合もありうる。
あせらず好形を作り上げることがこの戦法の骨子のようだ。