もう少し大きく捉えて、研究者の分野別に考えると、医学系、心理学系、社会学系、その他に分けられる。上の表において、利用施設・団体・機関はどれかの分野に偏ってはいないだろうか。一番効果的かつ効率的な不登校への対応は、医学系、心理学系、社会学系、その他の専門家がバランスよく不登校者にサービスを提供することではないだろうか。現在最も理想的なサービス提供機関は保健所・保健センターであろう。何故なら、地域保健法によって保健所は地域保健の広域的・専門的・技術的拠点として機能するように定められているからである。また、保健所は医療計画などの策定に関与することとなっている。これは、現場から上位機関へのフィードバックにほかならない。
 理想的なサービスはとりあえず置いておいて、もう少し現状について考察してみたい。医学系、心理学系の上位機関はおもに厚生労働省である。また、社会学系の上位機関はおもに、文部科学省であろう。いったいこれらの機関はどういう方向に動いているのかを調べてみたい。

   現在調べ中  ・・・・・・ 
  ・・・・・すみません

 ある学校の取り組み



                             
これらの要因が単独ではなく複雑に絡み合っている。この問題を解決するための現実的な方法は、それぞれの要因について個々に解決することだと思われる。


要因と対応施設・団体・機関
要因 主な利用施設・団体・機関
本人の要因 フリースクール  精神科  小児科
心療内科  グループホーム
家庭の要因 親の会  教育相談所  児童相談所
精神保健センター
学校の要因 担任・管理職  スクールカウンセラー
養護教諭・保健室  教育委員会  文部省
社会文化的要因 行政  国際機関  企業




これら4つの原因について、細かく考えてみるとだいたい以下の表のようになる。

不登校の要因
要因 内容
本人の要因 遺伝的要因 遺伝病による精神疾患
身体的要因 年齢・性  体格・体型  既往歴
精神的要因 性格・気質  知能  自我・自立性
社会性・協調性
家庭の要因 家庭環境に関する要因 住空間   家族関係・構成  家庭問題
親・兄弟等に関する要因 親の性格  養育姿勢  家族の職業
親の障害
学校の要因 学校環境に関する要因 学業・成績  教育制度  校則
授業・行事
教師・他の生徒に関する要因 交友関係  教師との関係  部活動
社会文化的要因 価値観・人倫理観・生観等 都市化  学歴偏重  経済状態
少子高齢化  社会階層

 つまり今の日本では「不登校」の意味するものが統一されていない、ということである。このページでは、最も広く、学校に行かない全ての行動を「不登校」としたい。自分自身の経験から、不登校の原因はよく分からないので、あえて区別を設けない方が都合がいいだろうと考えるからです。次に不登校になる原因について考えてみる。その時に元とする考え方は、疾病発生の多要因原因説である。不登校が疾病であるかどうか、という問題もあるが、ひとまずそのことは置いておく。多要因原因説によると疾病の発生は、宿主要因、環境要因、病因要因の3者の関係の上にあるという。さらに、日本の現代の子供たちが過ごす時間の割合から見ると、学校、家庭、睡眠が8時間ずつとおおよそ決められる。この二つのことから、不登校の原因を、「本人の要因」、「家庭の要因」、「学校の要因」、「社会文化的要因」の4つに絞って考えを進めていきたい。
はじめに
 具体的に不登校という事例を通じて精神的なケアについて考えていきたい。不登校は児童期・青年期の精神問題であり、本人にとっても、また周囲の家族、学校、社会にとっても重大な問題だからである。と、難しいことはこのくらいにしておこう。不登校を扱うのは、なにより、私が不登校の経験者であるからです。大学生になって過去の自分をふりかえってみて、そして今の自分を見て、不登校がどのように自分に影響を与えたかをまとめてみたいと思ったからです。

2:定義

 歴史的には、まずBroadwinにより不登校の中から神経症的な特徴を持つ群が、学校恐怖症として怠け( truancy )と鑑別された。しかしその後、登校拒否はさまざまな精神障害の経過中に現れる症状ないし症候群の寄せ集めであると考えられるようになった( Garfinkel )稲村(1980)は、登校拒否の定義について以下のように大別した。(1)最も狭く厳密:あらゆる学校に行かない行動のうちから、精神障害によるもの、怠けによるもの、一過性のもの、信念を持った積極的なもの、などを全て除き、学校恐怖症といわれる神経症的なものだけに限局する。(2)もうすこし広くとる:学校恐怖症、精神障害、怠けによるものを加える。(3)最も広義:学校に行かない全ての行動を登校拒否に含め、その上でさまざまに定義する。

1:用語

Broadwin,I.T.,1932がそれまで一般社会で慣用的に使われていた、truancy(怠け)を用いた。Johnson,A.M.,1941は初めて、school phobia(学校恐怖症)を用いた。Klein,E.,1945reluctance to go to school (学校嫌い)、Warren,W.,1948refusal to go to school (登校拒否)、Kahn,J.H.,1958school refusal (登校拒否)、Millar,J.P.1961refuse to go to school (登校拒否)、Hersov,L.A.1960nonattendance at school (不登校)を用いた。わが国では、鷲見ら(1959)が学校恐怖症を用いていたが、その後次第に登校拒否が使われるようになった。近年では不登校がよく用いられる。また、学校不適応も用いられる。不登校などは大学以前の学校について用いられる語であるが、大学以後にも類似の現象が見られる。それらは、仕事恐怖症( job phobia )や、労働恐怖症( work phobia )、社会恐怖症( social phobia )と呼ばれる。

不登校