競馬徒然草

競馬に関する「よしなしごと」を徒然なるまま(好き勝手)に書いていくコラムです。

(不定期更新(^^;)



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「20世紀の名馬」よ、何処に。

異論あり。


「20世紀の名馬」よ、何処に。

さて、2001年から馬齢表記が変わります。今までの数え年から、満年齢に。つまり表記上は、ひとつ若くなるということで、クラシックは3歳馬のレース、というような形になります。これに伴って、いくつかの「〜杯4歳ステークス」とか「〜賞4歳特別」などのレース名が、混乱を避ける為に馬齢表記を外したレース名に変更されました。

ここで登場したのが「報知杯フィリーズレビュー(旧:報知杯4歳牝馬特別)」などの新レース名。咲村はここに、「もっと他の名前は無かったのか」と思ってしまうのです。ファンを大事にしていないな、と。

せっかく「20世紀の名馬大投票」をやったのですから、新レース名には、かつての名馬の名前を冠した「〜記念」を作ればよかったのではないか、と思うのです。結局「共同通信杯」は「(トキノミノル記念)」と、また正式名称になれませんでしたし。

海外には「マンノウォー・ステークス」(米)や「エクリプス・ステークス」(英)など、過去の名馬の名前を冠したレースが多くあります。地方でも、「オグリキャップ記念」(笠松)や「ロジータ記念」(川崎)などのレースがあり、来年からは大井競馬の「青雲賞」が「ハイセイコー記念」と名称が変更されます。こういう動きに、JRAは逆行しているのではないかな、と思うのですね。

かつてはJRAにも、名馬の名を冠したレースが多くありました。それが今ではシンザン記念、セントライト記念、カブトヤマ記念の3レースのみ。消えたレース名は、クモハタ記念、セイユウ記念、シュンエイ記念、タマツバキ記念など。クモハタ記念を除く3レースはアラブのレースでしたが、これを機会に復活させても良かったのではないでしょうか。

アンケートで「心に残る名馬は何ですか」と訊いておきながら、それをファンに還元してレース名に採用し、時期が来るごとにその馬を思い出すことができる・・・というファンサービスができるのに、それをしないのでは、あの「大投票」は、その場限りのものになってしまいます。JRAが、ファンと共に21世紀を歩いていきたいと考えているならば、ファンの思い出に残る名馬の名前をレース名に冠し、その馬のような名馬が、このレースで生まれて欲しい・・・と思わせることは大事だと思うのです。これこそ、後々まで残るファンサービスではないでしょうか。

皆さんも、「ナリタブライアン記念」や「シンボリルドルフ記念」って、見たいと思いませんか?

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異論あり。

去る9月2日、JRAより、かねてからファンの投票を募っていた(期間:4月8日〜7月31日)ミレニアムキャンペーン「Dream Horses 2000『20世紀の名馬大投票』」の結果が発表され、21世紀に残したい(語り継ぎたい)名馬、上位100頭が選出されました。・・・が。

リストに上がった名馬、特にベスト10に上がった顔触れを見て、違和感を抱いたオールドファンは多いのではないでしょうか。上位10頭のうち、1990年代に現役生活を送っていた馬が7頭。他の年代からは、1980年代のシンボリルドルフ、1970年代のハイセイコー、1960年代のシンザンのみ。100頭に広げてみても、1990年代に現役だったのは6割強にものぼります。余りに、最近の活躍馬に片寄っているような気がするのは気のせいでしょうか。この10年で日本馬の国際的な実力が上がったのは確かですが、さすがにこれ程まで「心に残る『名馬』」が頻出した年代だとは思えません。

これには、アンケート独特の「数字のカラクリ」があるような気がします。投票数を世代別に見てみると、20代、30代が非常に高く、逆に50代以上の投票数が少なくなっていて、これが結果に影響を及ぼしたようです(実力を否定する訳ではありませんが、サイレンススズカの総合4位というポジションが、それを如実に物語っています)。もともと、こういう種類の人気投票に反応するのは若い世代ですし、特に競馬ではその傾向が一層強くなります。オールドファンほど、多くを語りませんし、記憶というのは風化してしまい、最近のことほど印象的に感じるものですからね。結果、若い世代が知らない、70年代以前の馬が少なくなったのではないでしょうか。こうなることは予見できた筈ですし、単純に数字を上乗せするのではなく、世代ごとの票数を指数化するなりして、得票の平均化を図った方がよかったのかもしれません。

勿論、結果は結果として受け止めるべきです。各スポーツ紙などに掲載されたJRAの広告には「名馬はひとりひとりの心の中にいます。 たとえ、ここに名前がなくても、あなたが恋しく思う馬は、まちがいなくあなたの名馬です。」との一節があります。・・・てな訳で、もちろん投票もしたのですが、それとは別に、咲村の個人的な「20世紀の名馬」なんてものを選んでみました。JRAの結果と比べて見れば、面白い対比ができるのではないかと思います。
 
 

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