そしてどりー夢            二人はいつ恋に落ちたか?

                              

***言い訳***

 アニメ版の二人に関して、アメリアがゼルガディスに恋心を抱いているのは事実と言っていいのではないかと思いますが、ゼルガディスの気持となると、微妙です。
 ごく客観的にアニメシリ−ズ3作を観た場合、アメリアに対するゼルガディスの感情は、彼の性格や生い立ちといった部分を考慮してみても「好意を持っているのは確かだがその程度や性質を特定することはできない(情報不足)」といったとこではないかと小野は考えております。
 従いまして、以下の文章は、このサイトのテーマでもある「姫と魔剣士に仲良くなってもらう」とかいうような目的の上に勝手に立ち、アニメにおける魔剣士殿のセリフやしぐさにいまさらのように過剰に反応し、意図的にどりー夢モードに突入して魔剣士殿の心理を探る?という、アメリア編に輪をかけてヘイホーな妄想コメントの嵐となっております。
 
不愉快に思うかも、という方は、読まないで下さいね。
 なお「いーや、私はこの場面はこーだと思うぞ!!」とかいう御意見などありましたら、管理人までぜひぜひ御連絡下さいませ。謹んで掲載させていただければと思います(笑)

             
 ゼルガディスはいつアメリアを恋したのか?
 これをゼルガディスの言動から勝手に汲み取って行ってみようと思います。
 おいしいゼルアメシーンの宝庫と言えばやはりNEXT。
 というわけで、NEXTから小野的においしいシーンをいくつか抜粋してみました。
 序盤はあんましなしですね。ふつうに鍋食ってますし。アメリア編で小野が勝手に注目した5話の誤解も、ゼルガディスにとっては誤解とかいう以前の話(クモをみてただけだから)。(しかし小野eyeではこの頃からアメリアがゼルガディスに恋心を抱き始めてると思うです。ということはアメリアの態度が少しずつだけど微妙に変わってきているに違いない。ということは決してニブチンでないゼルガディスもそんなアメリアの変化になんとなくでも気づいているに違いない(笑))
 さて8話。
 この回、小野的にはかなり美味しい回と思うのですがいかがでしょうか。
 フィルさんにまつわる事件があったことを聞いたとたん、
「おい、もう少し詳しく聞かせてくれ」
 おやおや?物事にあまり関わりたがらないはずのあなたがなぜそのようなことを?(笑)
 そして王宮に屋根伝いに近づいてくるあやしい音(耳動かしてるから)を察知したゼルガディス、部屋に飛び込んでくるや否や、
「アメリアああああー−ー!!」
 どっかーん。
 ここで注目すべきはガウリイです。
 こと(リナに関する)敵の気配に関しては高性能レーダーのように反応する(はずの)ガウリイが、ゼルガディスの起こした爆音と震動が響いてくるまで居眠りこいているですよ。居眠り。
 もし近づいていたものに何かしらの異状があればガウリイが起きないはずはないのです。あの部屋にはリナも居たんですから。正体が正体であったことを思えば当然ですが、もちろんガウリイは起きなかった。このガウリイの様子から、近づいてきた物体(フィルさん)に敵意とか殺意とかいうあやしい気配はなかった、と、推察というかこの場合は断定することができます。つまり、廊下に居たゼルガディスにおけるあの場の現象は「位置的にみて屋根伝いに何か物音がこちらに向かって近づいてきている」という程度のものだったと考えられるのですね。
 フィルさん暗殺(未確認)直後という緊急時のため、対応が攻撃的になったのはまあやむをえないと言えば言えなくもない・・・でもねえ。アメリア一人だったならともかく一緒にリナがついてたんです。本来サポート上手な魔剣士殿の対応とすれば、
「何だ!?」
 あたりで止めておいて攻撃体勢を整えつつ部屋に駆け込む、とか、窓から様子を見る、とかでも全く問題なかったと思うんですが、それなのに!それなのにですよみなさん!いきなり、
「アメリア−ー−!!」
 大音声で呼ばわった挙げ句問答無用フレア・アローぶちかまし。しかもリナをちょっと忘れてる?(笑)クールな魔剣士殿とは思えませんね〜この態度〜(笑)このフレア・アローがどれほど熱く激しかったかとゆーと、王宮の頑丈そうな壁を一枚丸ごと吹っ飛ばすくらいだったわけで・・・これはもう愛。愛ですね魔剣士殿。
 だいたい開口一番にアメリアの名を叫ぶというのは、直前まで彼女のことをつらつらと考えていたためと思われます。
危険が迫っていることを相手に知らせねばならない時、名前を呼んだりしてはいけません。状況判断に手間取って回避行動が遅れるからです。こういう時は「走れ!」とかすぐにせねばならない行動をいってあげるのが正しい。なのにゼルガディス、そういうことはこの際二の次です。でもって相手をろくに確認もせずいきなし攻撃呪文をそれも壁越しにぶちかましています。それくらい、この瞬間の彼は動揺していて冷静でいられなかった・・・のではないでしょーか。肉親への思いというものには人一倍複雑な部分を持っているはずの彼が、アメリアの身にいきなり降り掛かった災難を思い、見たこともないほどうち沈んだアメリアに心を痛め、彼女のことで頭をいっぱいにして廊下に佇んでいた何よりの証拠です。アメリアを並ならず気にかけていたからこそ、物音を即!アメリアの危機と彼は判断し(てしまっ)たのですよ、きっと。
 この後、小野的にはまたしばらくおいしい場面なし。
 しかし後半のヤマ場になるとおいしい場面ぞくぞく(笑)
 21話。
 セイグラムに攻撃され、血を流して倒れ込むアメリア。
 傍らに跪くリナとゼルガディス。
 そしてさらにアメリアを抱きかかえようとするゼルガディス
 こういう場合はむやみに動かしちゃいけないことなど絶対知ってるはずの彼が、衝動的に手を伸ばしちゃってリナに止められてます。
 リナやガウリイとは
微妙に違った意味の動揺をしていることがうかがえますね。ニヤリ。
 22話。 
 姫復活!
 それを見たゼルガディス、一言、
「ちっ。心配させやがって」
 画面アップ。
 しかも流血してるし(笑)
 心配!クールな彼が心配ですよ心配!勝ち目のない戦いに挑み、大ケガを負っていてなお彼は、こんな独り言が
すこーし甘え口調でうっかり口をついてしまうほど姫を心配していたのです。
 さらにガーヴの正論に押されて考え込んでしまうアメリア。ピンチ!
「まずい!」
 そう叫んで、どこをいつどう移動したのかもわからぬ素早さで駆けつけると(ガーヴさえ気づいてなかった)、我が身を盾にアメリアをかばい、魔剣士殿、意識不明の重体に・・・
 ゼルガディスは決して奉仕精神豊かなキャラクターではありません。にもかかわらずこのナイトぶり。
 愛。
 愛ですねー。
 25話。 
 自分をかばってたんこぶこさえた姫を、文字通りしかもさり気なくお姫さまだっこする魔剣士殿。わざわざ姫だっこするほどのケガではないよーな気もするですが、姫だっこせずには居られないほどアメリアの行動がうれしくて、彼女が大切に思えたからなのかも知れないとか思ってみたり・・・。オトナなのかちゃっかりさんなのか(笑)
「悪いが、治療呪文は自分でかけてくれ」
 どうして「自分でかけてくれ」なんだろうと小野はなんとなく思ったんですが(あの傷ならリカバリィで対応できたでしょうし)、すぐに呪文をかけるほどのケガではなかったからとか急いでいたからとかゼルガディスよりアメリアの方が白魔術に長けているからとか色々考えてみつつ、ここはゼルアメ的に「はずかしかったから」というのもあって欲しいもんだとか思いました。治療呪文って、なんていうかかける方もかけられる方も、呪文を発動させている間は暇(という言い方は変だが)じゃないですか。その間がひそかに魔剣士殿としては気まずかったのかも知れないな、なんて(笑)事態が緊迫しているにもかかわらず「悪いが」なんてアメリアに
気を遣ってあげたりして、口調のそこはかとない優しさとともに微笑ましい二人です。しかしマルチナへの配慮が微妙に欠けていたことを思うと、魔剣士殿実は結構緊張していたのかも(笑)それとも単に本当にマルチナが眼中になかったのか??まあ姫の「ぽっ」なウルウル瞳に見つめられてよろめかぬ人はいないでしょうが(笑)どうでしょうかね魔剣士殿?ムフフ。
 そしていきなり訪れる悲劇。
「だいじょうぶ、です・・・」
 心配をかけまいとけなげにそう言いながら、腕の中で息を引き取っていくアメリア・・・。
「貴様ーーーー!!!」
 力の差はわかっているのに。
 勝てないことはわかっているのに。
 それでもフィブリゾに立ち向かうゼルガディスの心は、決して「仲間を失った」というだけの物ではなかったはず。でなければどうしてあれほど・・・命を失うことさえ恐れぬほどに・・・我を忘れて怒りを叩きつけることができるでしょう・・・。
 最終話。
 マルチナとザングルスの幸せツーショットに瞳を輝かせて魅入るアメリア。その後ろから一言、
「お前は正義のヒーローになりたいんじゃなかったのか?」
 からかってます。
 これは魔剣士殿の会話パターンにありがちな事実指摘でもツッコミでも呆れびっくりでもありません。クールなはずの魔剣士殿が純粋にからかってます。口調がちょっぴり皮肉げに聞こえていたのか姫は気づけなかったみたいですが、ゼルガディス、妙に穏やかかつ爽やかな笑顔を浮かべてますからねー。
 この笑顔は意味深ですよう。アメリアがザンマルのらぶらぶツーショットから自分の花嫁姿を夢見たのなら、当然その花嫁アメリアの横にも花婿さんが立っていたであろうことは簡単に想像できます。そしてアメリアが想像しているであろう花婿さんが他ならぬ自分であろうことも、半年に及ぶ旅の中でゼルガディスはわかっていたはず。
 つまり、想像上の花婿さんたる自分が↑のようなことを言えば、アメリアははずかしいやらちょっぴり腹立たしいやらでぽぽぽぽぽっとふくれるだろう、なんていうことはかんぺきに承知の上で、そのふくれっぷりを見たいがために
わざわざいじわるを言ってみたと考えられるわけですね。なんでそんなものが見たいのか。姫の愛を確かめたいからに決まってますねー。らぶらぶちっくな会話ですねー(笑)
    
       
 以上から勝手にいまさらのよーにまとめてみるに、21話のアメリア危篤事件から、ゼルガディスは自分のアメリアへの気持を自覚したのではないかと思うのですがいかがでしょうか(笑)
 小野的には8話の突っ走り魔剣士殿もかなーり棄てがたいのですが、他のらぶらぶ現象群から時間的にかなり孤立している上、当時の事件の状況がアメリアを中心としたものだったのであったことなども考慮すれば、ゼルガディス自身、自分のいつもならぬ動揺が「事件の中心人物としてのアメリア」へのものなのか「自分にとって特別なアメリア」へのものなのか判断しかねていたのではないかと思うわけです。そんなこんなで旅を続け、21話で彼女を失いかけることで、ようやく気づく心の中の大切な存在。
 25話では失う悲しみと怒りを知って・・・・。
 それゆえに我を忘れ、衝撃に身を委ねる自分がいて・・・・。
 しかも最終話では愛し愛されているゆえの余裕ぶり?(笑)
 NEXT←→TRY間の旅でクールぶりにいっそう磨きをかけたのか、TRYゼルガディスはNEXTほど個人的な感情を表に出してくれませんが、この気持は決して薄らいでいないと小野は(勝手に)確信しています(笑)
 はやく還ってあげて下さいね。魔剣士殿。

            
      
                

                  

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