【 介護 困った時の一問一答!! 】





  <質問内容>

            ある施設へ行った時、ご飯を食べたばかりの利用者さんが食べた事を忘れたのか、
          「早くご飯食べたい」と私に言い寄ってきました。
           このような場合はどのように対処したらいいのかわかりません(>_<)
           袖山さんだったらどうしていますか??



  <Sodeyama式 回答>

 
      残念ながら、こうすればいいという特効薬はありません。
    私
とあなたとでは声も表情も心も何もかもが違うから、同じステップを踏んだと
   しても、もちろんその過程も結果も微妙に違ってくるのです。


   
 基本的に、痴呆症状(今後は『認知症』と呼称が変わります)の方々へのケアの
   ポイントは、 
“一点集中” をいかに逸らすかに始まります。


    彼らの有する、色々な意味で一つの事に集中してしまう特徴的な心の流れを
   しっかりと掴み、いかに日常的・社会的に当然と呼ばれる行動へとその集中を
   誘う(いざなう)ことができるか。
    それこそが最大にして最高の対応へ繋がると思います。

    ごまかすのでもなく、かわすのでもなく、ただ現実に存在する日常の中で、彼ら
   を当たり前の生活習慣に導くことができるのかが、人権や尊厳にも配慮した最適
   な対応と云えると思います。


    「早くご飯食べたい」と言われた際、具体的に私ならば、


   1. 「ホントそうですよね。」と、否定せずに受容し、

   2. 「僕もさっき食べたばかりでもすぐにお腹空いてしまうんですよね。」と、事実
     を言葉にすることで、周囲からその方への差別的凝視を回避しつつ、

   3. 「急いで準備するように、厨房の方へ強く話して参ります!」と、その場を一度
     離れて心を静めて頂きつつ、

   4. 「言って参りましたので、しばしお待ちください。」と、現実として丁寧に対話し、
   
   5. 「少し待つ間に、僕の相談を聞いてもらえませんか?」、
      「これをお願いできませんか?」、
      「将棋のお相手をお願いできませんか?」、
      「今日ニュースでやってたんですけど・・・」などと、別の話題や行動へとその方
     を導きます。


    それよりも もっと大切な事は、
   
    そのような行動・言動に彼らが進まなくて済むように、
予防的に対処することです。


    私ならば、


    食事中から声掛けの頻度を上げ、「ホント美味しいですよね。ここの食事は!!」と、
   食べているという短期記憶が少しでもずっと長く維持されるように、繰り返し話すことで
   記憶を深めて行きます。(痴呆症『認知症』の改善を目指す)

    更に、「いつもここでご一緒させて頂いて幸せです!!」と、
彼らの日常に登場する
   人物としての自分自身の存在感を深めたり、共感から親近感へと関係を強めたりして
   いきます。(今後の対応迅速化への準備)

    もちろん、食べ終わりすぐより、彼らが集中できる何かを始め、一点集中が再度食事
   への欲求へと向かわぬように、常に集中できる他の何かを勧めていきます。(一点集中
   の予防)


    最大にして最強のポイントは、

    人であるあなたが、
    それを忘れて、
    人であるその方へ、

    “諦める”
 などという感情を持たぬことです。

    人に人を諦める権利など決してないのですから!!

    人は人であって、それ以上の存在ではないのですから!!




           参考になるかどうかはわかりませんが、私の考えをお伝えしました。  

           
                            笑う介護士 袖山卓也














































              
                         
         
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