一つとして
  人でなく
  二つとして
  この身に宿らぬ紛いの呪い
  三つとして
  信じるものが見つからぬばかりに
  四つ目の
  捌け口は暗き淵
  五つ目に
  目にした世界に希望は無い
  大切なものが増えるのはとても大変なことだ
  時にそれを守る為
  時にそれを捨てねばならないこともある
  薄氷の欺きを踏み
  栄える世界の全貌をかき抱く
  黒き内幕の皹を辿り
  揺れ動く蒼き波紋の源流を遡り
  垂れ流る血みどろの糸をたぐり寄せる

  大切なものは何だ