木曽ヒノキの伐採勧める「有識者提言」
農林水産大臣らに白紙撤回を要求
中
部森林管理局が「木曽ヒノキ林の持続のための天然林更新の方向性」(有識者からの提言)を公表しました。木曽ヒノキ天然林の伐採を続けている同管理局の施
業を後押しする内容です。300年の森を「老齢」と決めつけて伐採し、除草剤でササを抑えて幼木を育てるーーそれが森を持続させる最良の方法だというので
す。科学的根拠のまるでない、生態学、植物学の専門家もあきれかえる内容です。私たちは8月10日に農林水産大臣、林野庁長官らに白紙撤回を要求しまし
た。先人の知恵と自然の力でよみがえった木曽ヒノキの森は世界自然遺産として守るべき国民共有の宝物です。
→「木曽ヒノキ林の持続のための天然更新の方向性」(有識者からの提言)に関する申入書 (PDF)
民主党と鳩山内閣に天然林の環境省移管を陳情
国有林野事業の一般会計化に向け政策提言
私たちは2010年2月26日、民主党と鳩山内閣に対し、国有天然林を環境省に移管して守ることを求める陳情を行いました。政権交代後、赤松広隆農水相は
衆院農林水産委員会で国有林野事業を一般会計化する方針を表明し、国有林野事業特別会計改革法案の作成が進められています。陳情はこれを機に、政治主導に
よって林野庁の国有天然林伐採をやめさせ、国民の共有財産を救うことを求めるものです。
陳情書は、林野庁が国有天然林のエゾマツ、ブナ、青森ヒバ、天然秋田スギ、木曽ヒノキなど年間100億円相当の樹木を伐採して生物多様性の損失を加速さ
せている現状を説明。そのうえで、天然林をゾーニングして生物多様性保全地域を設け、環境省に移管して保全することを求めています。その際、林野庁から環
境省へ1000名の職員を移して管理に当たらせることなども示しており、具体的な方策に踏み込んだ政策提言です。
陳
情には河野昭一代表、C・W・ニコルさん等が、民主党の一川保夫副幹事長、農林水産省の佐々木隆博政務官にそれぞれ面会して林野庁による伐採が、奥山の天
然林を破壊し続けている実態を現地調査による資料を示して説明し、早急な取り組みによって生物多様性に満ちた貴重なわが国の天然林を守るよう訴えました。
農林水産省では持参した6万1192名の署名を佐々木政務官に手渡しました。なお、2008年の169国会で、衆議院農林水産委員会と参議院農林水産委
員会にそれぞれ請願を提出し、この際両院合わせて3万151名の署名を提出しました。結果は審議未了でした。
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