わ が国は国土面積の3分の2を森林が占める「森の国」です。しかし、自然豊かな原生的天然林はわずか11%しか残っていません。その天然林を林野庁が伐採し 続けています。これを食い止めるため、私たちは天然林の管理を林野庁から環境省に移して確実に保護するよう国会と内閣に請願することを決めました。
請願には署名を添え、国民の意志を明らかにします。

(左右の写真はクリックすると拡大します)





木曽ヒノキの伐採勧める「有識者提言」
農林水産大臣らに白紙撤回を要求

 中 部森林管理局が「木曽ヒノキ林の持続のための天然林更新の方向性」(有識者からの提言)を公表しました。木曽ヒノキ天然林の伐採を続けている同管理局の施 業を後押しする内容です。300年の森を「老齢」と決めつけて伐採し、除草剤でササを抑えて幼木を育てるーーそれが森を持続させる最良の方法だというので す。科学的根拠のまるでない、生態学、植物学の専門家もあきれかえる内容です。私たちは8月10日に農林水産大臣、林野庁長官らに白紙撤回を要求しまし た。先人の知恵と自然の力でよみがえった木曽ヒノキの森は世界自然遺産として守るべき国民共有の宝物です。

「木曽ヒノキ林の持続のための天然更新の方向性」(有識者からの提言)に関する申入書 (PDF)

民主党と鳩山内閣に天然林の環境省移管を陳情
国有林野事業の一般会計化に向け政策提言

  私たちは2010年2月26日、民主党と鳩山内閣に対し、国有天然林を環境省に移管して守ることを求める陳情を行いました。政権交代後、赤松広隆農水相は 衆院農林水産委員会で国有林野事業を一般会計化する方針を表明し、国有林野事業特別会計改革法案の作成が進められています。陳情はこれを機に、政治主導に よって林野庁の国有天然林伐採をやめさせ、国民の共有財産を救うことを求めるものです。
 陳情書は、林野庁が国有天然林のエゾマツ、ブナ、青森ヒバ、天然秋田スギ、木曽ヒノキなど年間100億円相当の樹木を伐採して生物多様性の損失を加速さ せている現状を説明。そのうえで、天然林をゾーニングして生物多様性保全地域を設け、環境省に移管して保全することを求めています。その際、林野庁から環 境省へ1000名の職員を移して管理に当たらせることなども示しており、具体的な方策に踏み込んだ政策提言です。

6万1192名の署名を提出

 陳 情には河野昭一代表、C・W・ニコルさん等が、民主党の一川保夫副幹事長、農林水産省の佐々木隆博政務官にそれぞれ面会して林野庁による伐採が、奥山の天 然林を破壊し続けている実態を現地調査による資料を示して説明し、早急な取り組みによって生物多様性に満ちた貴重なわが国の天然林を守るよう訴えました。
 農林水産省では持参した6万1192名の署名を佐々木政務官に手渡しました。なお、2008年の169国会で、衆議院農林水産委員会と参議院農林水産委 員会にそれぞれ請願を提出し、この際両院合わせて3万151名の署名を提出しました。結果は審議未了でした。

一川保夫民主党副幹事長(右)に国有天然林の保全を陳情するニコルさん(左)と河野代表
      =2010年2月26日、国会第15控室で

木曽ヒノキ伐採現場
「群状択抜」でぽっかり穴の空いた木曽ヒノキの森。
切り株に雪が積もって墓標のようだ
=2009年12月17日、長野県木曽郡大桑村の国有林で

伐採林道
 降雪で伐採は休み。だが林道工事は木曽ヒノキの森を切り刻んで先へ進んでいた
     =2009年12月17日、大桑村の国有林で


新聞・雑誌の記事より
(タイトルをクリックすると記事をお読みいただけます。)

週刊金曜日2010年12月3日号
「公益的機能の維持増進」を逸脱して木曽ヒノキ伐採狙う「有識者提言」の罪 
・・中部森林管理局は木曽ヒノキに関する「有識者提言」を公表したが、中身は現行の伐採拡大を勧めるもの。1998年の抜本改革で約束した「公益的機能の維持増進」はここでも抜け落ちている。

週刊金曜日2007年8月31日号 鎌田慧さんの現地ルポ 
数百年のヒバ伐り倒し生態系破壊する林野庁
・・林野庁が掲げる「森林の健全化」という建前の裏に隠された本音は「赤字解消」だ。・・・

「アエラ」2007年3月26日号  
伐採しているのは林野庁「天然林をもう壊さないで」
5年前、住民の運動が南会津のブナを救った。運動を成功させた河野昭一さんらと各地の国有天然林を歩いてみたら・・

ニコルさんのアピールが朝日新聞に(2007年
3月3日)
 「伐採やめ環境省に移管を」 

その他の新聞・雑誌の記事より



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請願採択へ、引き続き署名活動を

 政権交代が実現した現在も林野庁は国有天然林の伐採を続けています。国会への請願提出を急いで採択を図ります。署名数は10万名にあと少しに達しています。事務局では署名用紙を改訂して署名活動に改めて力を注ぎます。引き続きご協力をお願いします。

請願書署名用紙(改訂版・PDFファイル 227KB)
 
こちらをプリントしてお使いください。

ご希望の方には事務局より署名用紙をお送りします。
署名用紙はコピーで結構ですが、 
署名は必ず本人自筆で、事務局に郵送ください。


国際自然保護連合レッドリスト該当種の
伐採中止を申し入れ

木曽ヒノキなど11種伐採の林野庁計画

 2009 年10月30日、私たちは国際自然保護連合(IUCN)レッドリスト該当種の伐採計画を中止するよう鳩山内閣に申し入れました。伐採は林野庁の09年度事 業計画によるもので、準絶滅危惧種の木曽ヒノキ1万500立方メートル、秋田天然スギ1700立方メートルなど合計11種2万1000立方メートルに及ん でいます。11のうち10種までが日本列島にしか分布、生育しない固有種であり、わが国に重い保護の責務があります。

COP10(名古屋)議長国の立場形無し

 2010 年は「国際生物多様性年」であり、名古屋で生物多様性条約第10回締約国会議(COP10)が開かれます。日本は議長国として、生物多様性の損失速度を減 速させる取り組みを率先して示す立場にあります。伐採計画はそれを踏みにじるものであり、国民の名誉を傷つける愚挙というほかありません。

申入れ書、伐採樹種リストはこちらから

質疑1時間を超える
ー環境省記者クラブで会見ー

 30日は午前中に総理及び農水、環境、外務の3大臣宛申入れ書を提出し、午後から環境省記者クラブで河野昭一代表、渡部康人事務局長が会見しました。マスコミ各社とも強い関心を示し、質疑は1時間を超えました。





300年の禁伐で甦った木曽ヒノキが伐採されている。
伐採跡は更新の気配も見られない
=2005年11月、長野県木曽郡南木曽町の国有林で




国有天然林の伐採中止を求めるのは?

 国土面積の3分の2の2500万haを森林が占めるといっても、原生的で自然豊かな天然林は国有林内の278万haと民有林内の80万haだけしかないのです(2002年3月現在・林野庁「森林資源の現況調査」による)。
 私たちが求めているのは、国有林内の天然林伐採ストップです。林野庁による大規模自然破壊であり、違法性が高く、行政改革によって緊急に是正すべきだか らです。民有林は対象に含めていません。行政改革の対象では無いし、大規模な伐採も把握されていないからです。

環境省へ移管するメリットは?

 林野庁は2005年度に59万4222立方メートルの天然林を伐採しました。10tトラックで6万台分の森が破壊されたのです。現在も新たな伐採計画が立てられ、伐採が実行されています。
林野庁は自ら改革して伐採をやめることができません。全てに「伐採」が支配しているからです。財政上の必要、長年の惰性、木材産業との結びつきが絡み合っ ているのです。環境省に移管することによって、これを断ち切り、天然林を守ることができます。





資料

林野庁による国有天然林破壊の歴史と現状改訂版)
ー日本の林野行政機構改革の緊急性・重要性に関する見解ー
パンフレットをダウンロードしてごらんください。




「天然林破壊」ワースト1は北海道管理局
「森林管理局別自然環境保全度ランキング」




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