改造人生一代

 

 自分が楽器に近寄るのが普通の楽器習得方だと思うんですが、

ある日、わたしはこう思いました、楽器の方を自分に近づけるというのは、いかがなもんか?。

こうあれば、こういうことが出来る!、こうなってれば、もっと可能性高まる、

または、その逆で、可能性を狭めて音楽の精度を上げるための改造も始めたり、、、

こうでもイケるんじゃないか?、こういうのがあってもいいんじゃないか?、、、などなど。

 

てなぐあいに、1990年以来、かれこれ18年こんなことばかりやってます(笑)。
(初期物は気に入らないところがあるたびに破棄してたので、残ってません。)

あまり役にはたたないけれど、まあ、見て笑ってやってください。

 

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持続音の音源であるフランジャーを内蔵させた、
 Elec.マンドラ   2008年1月製

一見、フランジャーが内蔵されただけのギターだが、ギター音はフランジャーを通過しない。あくまで持続音としてのオシレーターである。
軽めのストラト・ボディに、トレモロブリッジの穴を木で埋めて、ミュージック・マスター・ベースのブリッジにして、4コース6弦。ネックはかなり昔のESP製(友人I氏にもらったもの)

1995年頃に、この原型になるエレキ・マンドラ1号機(その後、こんなの使えないなぁ、、、と破棄)を、
よくKUKUのセッション・ライブで使用したなぁ、、、。

実は、去年そのライブテープが出てきて、聴いてみたら、なかなかすごいプレイをしてたので、再製作にふみきる。

        

ギター部はフロントピックアップのみで、1トーン仕様(Vo.を付けるスペースが内部になかったので、tone優先にした)。

持続音とギター音はそれぞれ独立して出力もできるし、舟形のアウトから同時にも出せる。

ボディに貼り付けた電池は、フランジャーのもの、インプットが内部のため外せないので、電源オフは手動操作(笑)。

黒いノブが持続音のVo.で、金属のノブがギターのtone
3つのジャック、ピックガード上の2つは、持続音のアウトと、それをもう一つの舟形のギターアウトにリターンするもの。つまり持続音をそこにリターンすれば、ギター音と同時に出力するわけです。

 

 

 

 

 Elec.楽琵琶

              2008年1月製作

 

単に楽琵琶の練習のために作ったんだけど、せっかくだからピックアップを一つ生かしたら、
これがなんと、けっこう使えたりした。

'70年代のフレッシャーのボディに、グレコのネック。

チューニングは調子により変わる。
ギター弦は色んなゲージが手に入るので助かる。

 

              

琵琶といえば撥で弾かなきゃ意味がない、
撥はピックガードを型取りして製作、けっこうこれでイケる。

撥が当たるところは、本皮張り、
弦高が上手く決まらないと撥が使いづらいので、
ボディとの高さ調整にピックガード重ねた上に皮を貼り付けた。

リアピックアップのみだけど、なぜか深い音になる、
ブリッジは、フェンダータイプのベース用、これもトレモロブロック跡は木で埋めてある。

フレットは当然2,3,4,5の4本しかない。後は抜いて埋めた。
ポジションを固定するために、左手の親指、人差し指の位置を、ネックを削り、移動させない決意を意思表示した。

5フレットより上は、弾こうと思えばフレットレス・ギターとして問題なく弾ける、だが、それでは目的が違う、
本当は、指板上に何かを貼り付けて押さえても音にならないようにしたいと思っている。
こういう、あえてマイナスなことを実行する、
雅楽をやっていると、こういうことは本質的にとても大事なことなのだと実感することが出来る。

 

 

 

 

フレットレス4stギター     2000年製作

 

フレットレス2号機、グレコの'70年中期のハードメイプル・ボディに、オールローズネックの贅沢な一品。
欠点は重い(笑)。

ダンカンのPベースで、1トーン仕様。

チューニングはC、F、B♭、E♭

ベーシスト時代にピッコロベースのつもりで製作、ライブではあまり活躍の機会はないが、
レコーディングでは、こういうのはなかなか使える。

 

 

 

 

 

バリトン・ギター(34インチ)     2005年製作

 最高のデザインだと今も思っているイバニーズのビーンベースRD888のボディに
トーカイのPベースネックをジョイント。
ブリッジは木と牛骨で自作。

ピックアップはディマジオPベース

パワートリオのCD「Borders」にてサウンドが聞ける。

1,2弦はプレーンで、3,4弦のオクターブ上、こうすることにより、ギターのもっとも美しいサウンドであるオクターブ奏法が簡単になるし、インターバルの大きな和音が簡単に出せる。
最低音はG、普通のベースの短三度上。

チューニングはG、C、F、B♭、f、b♭

 

 

 

 

バリトンギター(30インチ)    2005年製作

 

USA fender’78年のミュージックマスター・ベースにペグとブリッジを付け替えて製作。

ピックガードはムスタングのデザイン。

不思議なことに、というかいい加減な話、ミュージックマスターのギターとベースは、ブリッジサイズからの穴の位置、ネックの幅がドンズバで同じ、苦労なく交換可ということ。

ピックアップをリアよりに移動、音量バランスのとれるディマジオPベース仕様。

チューニングはC、F、B♭、E♭、c、f
2弦のcは4弦のB♭の2度上なだけ、
つまり、3弦より2弦のほうが音が低い。
1弦fは2弦の4度上。
長年考え抜いた果て理想のチューニングだ。

 

 

 

バリトンギター(30インチ)  2006年製作

 

こちらはfender・Japan。
ピックアップの位置は変えずに、ダンカンに交換。

チューニングは上のと同じ。音はUSAとJapanの差を、あまり感じさせないのはなぜだろう?。

ポップなカラーがお気に入りなので、上のUSAより出番が多い(笑)。

 

 

 

 

7st J.Bass    2005年製作

 5コース7弦(1.2弦のみ複弦仕様)、
今は跡形もないが、ベース奏者としての最終結論だった。
経験上ベースラインは弦3本で十分だということ、
だから1,2弦はそれ以外の目的で存在する。

チューニングはD、G、C、F、f、B♭、b♭
太目のゲージでノーマルベースの2度下
こんなことをするとネックが捩れるかと思いきや、
全然平気であった、さすがオールドグレコと感心した。

藤井郷子オーケストラ名古屋版のCD「MARU」と、
ことりやのCD「through the deep forest」にて音だけが残っている。

’70年中期のグレコ、チークウッド・ボディのジャズベースピックアップはバルトリーニ。
しかしよく鳴る楽器だったなぁ、、、。

これはその後ネック、ブリッジをノーマル4弦に変え、ベースが欲しいと言ってたR子さんにあげた。

 

あとがき

 

こんなふうに、色々作ったりしたが、実際のところあまり活用の機会はない(笑)、
それはなぜか?、自分がギター奏者ではなく、まずは持続音奏者であることも大きいが、
わたしごときが、考えたことなど、ギターの歴史上で考えられたことの結論からすれば、
まったく取るに足らない無駄なことと言っていいのだと思う。

そして自分が思うことはどうかというと、ギターは6弦でいいし、
普通のスケールのギターとベースがあれば、完全に事足りるのである。

現在もわたしは特種な場合をのぞき、普通の6弦ギターを使用している。
それに、もしもベースを弾くなら4弦ベースを使うと思う。

つまりノーマルのままが一番いいように、すでに作られているということなのである。