アンセムの殿堂 Special Issue



再発に関する考察

アナログ・レコード 1985-1988

ANTHEMの作品のうち、日本国内でアナログ・レコード盤がリリースされたのは『ANTHEM』、『TIGHTROPE』、『BOUND TO BREAK』、『GYPSY WAYS』の4枚のオリジナル・アルバム、ミニ・アルバム『READY TO RIDE』、ライヴ・アルバム『THE SHOW CARRIES ON!』、そして『XANADU』(7インチ&12インチ)の計8タイトル。帯は一般的なタスキ式のものではなく、全て帯シール。

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ミュージック・カセット 1985-1990

ミュージック・カセット版は『ANTHEM』から『HUNTING TIME』までの6タイトルがリリースされた。しかし玉数が非常に少なく、あったとしてもインデックス・カードがプラスチック・ケースの外側に露出する邦楽カセットの宿命としてコンディションが悪いものが大半。コレクターの需要も多いとはいえないのでそれほど金額的な難易度は高くないが非常にレア。

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初回盤CD 1986-1992

ANTHEMがメジャー・デビューを果たした1985年当時は世界的にみてもまだまだCDが一般的でなかった為、デビュー・アルバム『ANTHEM』は当初、アナログ・レコードとミュージック・カセットのみでリリースされた(1985年7月21日)。CD化に関してはセカンド・アルバム『TIGHTROPE』の方が一歩早く、1986年5月5日には既にCD盤がリリースされていた(アナログ・リリースは4月21日)。『ANTHEM』は長らくCD化されず、サード・アルバム『BOUND TO BREAK』に遅れること半年、1987年12月5日にようやく初CDされた。『BOUND TO BREAK』からは3種のフォーマットで同時発売されるようになったが、アナログ盤は『GYPSY WAYS』、カセットは『HUNTING TIME』を最後に生産終了。『NO SMOKE WITHOUT FIRE』以降の作品はCDのみでリリースされている。

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1992年盤(赤帯) 1992

1992年1月21日にANTHEMにとって初の再発がなされ、『ANTHEM』から『GYPSY WAYS』までのスタジオ・アルバム4タイトルがリイシューされる。俗に赤帯と呼ばれる。プレス枚数が少なく、市場でもあまり見かけない。この再発は同年2月21日発売予定だった『DOMESTIC BOOTY』(実際には3月16日発売)のキャンペーンとも連動しており、上記の再発4タイトルのうちいずれかと、『DOMESTIC BOOTY』の帯についている応募券を両方集めて送ると、応募者全員にステッカー、そして抽選で10名にメンバーのLONDON土産がプレゼントされた。

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『FOREVER ANTHEM』 1992

7thアルバム発表から僅か2ヶ月、1992年5月にANTHEMは解散を発表。KING RECORDSは『FOREVER ANTHEM』と銘打った解散記念キャンペーンを展開する。9月26日にベスト・アルバム第二弾『BEST II』と解散ライヴを収録した『LAST ANTHEM』をリリース。同時に1月の再発時に選から漏れた『HUNTING TIME』、『NO SMOKE WITHOUT FIRE』、『THE SHOW CARRIES ON!』と、ビデオ『THE SHOW CARRIES ON』を再発。キャンペーン応募者を対象にスペシャルCD『ANTHEM SPECIAL』、スペシャル・ビデオ、ステッカー、バッジ等がプレゼントされた。

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『音楽市場 - MUSIC BAZAAR』 1997

1992年盤各タイトルと『DOMESTIC BOOTY』はあっという間に廃盤。ANTHEMのカタログは市場から消滅。立東社からビデオ・マガジン『ZETA』増刊号として雑誌扱いで発行されたライヴ・ビデオ『LAST LIVE』だけは細々と生き延びていたが、KING RECORDSからリリースされたオリジナル作品は全て廃盤。こういう時代が数年間続いていた。また大局的に見ても、この時代はメタルにとって凍てつく冬の時代であった。そこに奇跡が起こる。ANIMETALの大ブレイクを受けてにわかに沸き起こったジャパニーズ・メタル・リバイバル・ブームを当てこんだ各レーベルは、往年のジャパメタ作品を一斉にリイシュー。他社に大きく遅れを取りつつも、ようやく重い腰を上げたKING RECORDSは『音楽市場 - MUSIC BAZAAR』シリーズとして、NOVELA の『魅惑劇』、『PARADISE LOST』と共に、英三在籍時の3作品を1997年9月26日に再発。税込み1,529円という安価な価格設定、長い間廃盤状態にあったことに加えANIMETAL=坂本英三の活躍によってANTHEM再評価の機運が高まっており、この3タイトルは好調なセールスを記録。この再発の成功が後の全作品リイシューを実現し、やがては紆余曲折を経て再結成の呼び水となる。

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『NEXUS RE-MASTER COLLECTION』 1999

『音楽市場』、『NEXUS SELECTION』の成功に気をよくしたKING RECORDSは、ジャパメタ/プログレ作品を片っ端から再発。『NEXUS RE-MASTER COLLECTION』として 1999年12月23日に、『TIGHTROPE』、『BOUND TO BREAK』、『GYPSY WAYS』、『HUNTING TIME』、『DOMESTIC BOOTY』が EARTHSHAKERの5作品と共に再発された。全作品とまではいかなかったものの、待望の森川在籍時のスタジオ・アルバムの再発がようやく為されたのであった。特にラスト・スタジオ・アルバム『DOMESTIC BOOTY』はそれまで一度の再発もされておらずかなりの高額で取引されていた為、後追い組を含め多くのファンを喜ばせた。さらに初のリマスターによって大幅に音質が向上した点も見逃せない。このリマスター・シリーズは「アナログ版を復刻する」というテーマを掲げており、CD用のボーナス・トラックは全て削除。また初期3作(翌年再発の『ANTHEM』を含む)のCD盤バック・インレイにはこれまで独自デザインが使われていたが、この再発ではじめてアナログ盤の裏ジャケットと同じものが採用された。

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『NEXUS RE-MASTER COLLECTION II』 2000

『featuring GRAHAM BONNET』を経てANTHEM再結成の機運が高まる中、リマスター第1弾から一年後の2000年12月21日、『NEXUS RE-MASTER COLLECTION II』として残る『ANTHEM』、『THE SHOW CARRIES ON!』、『NO SMOKE WITHOUT FIRE』の3タイトルがリイシューされた(他にはPRESENCE 3作品、SABBRABELLS 3作品、TERRA ROSA 1作品)。バンド側の承諾が下りず『LAST ANTHEM』の再発こそならなかったものの、とりあえずスタジオ・アルバム7作品の再発が完了し事態は一応の収拾をみた。『THE SHOW CARRIES ON!』もやはり1992年に一度再発されたもののその1992年盤さえも廃盤レア化していたため、この再発は多くのファンを喜ばせた。前年度の第1弾同様アナログに準じた形でのリイシューとなった為ファーストと『THE SHOW CARRIES ON!』のCD盤ボーナス・トラックは削除。またDISK UNION限定のキャンペーンとして、シリーズを同時に4タイトルを購入した人にのみ、その外されたボーナス・トラック他のレア音源等を収録したスペシャルCDがプレゼントされた。

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『20TH ANNIVERSARY REMASTER SERIES』 2005

結成20周年記念事業第2弾として、LOS ANGELS公演の模様を完全収録した『THE SHOW CARRIES ON! COMPLETE VERSION』が発表になり、同時にKING RECORDS時代のスタジオ・アルバム7作が、CHRIS TSANGARIDESの手によってリマスターされた。『NEXUS RE-MASTER COLLECTION』には直人は関わっておらず、初めて直人の監修の下でリマスターがなされた。また『BOUND TO BREAK』、『GYPSY WAYS』を除く5作には、多くのボーナス・トラックが収録されており、それらのチョイスも直人が行った。DISK UNION限定のキャンペーンとして、全8タイトルの同時購入者には、特製ボックスがプレゼントされた。

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『25TH ANNIVERSARY PAPER SLEEVE COLLECTION』 2010

結成25周年を記念して、KING RECORDS時代のスタジオ・アルバム7作が、ANTHEMにとって初となる紙ジャケット仕様のSHM-CDで再発された。CHRIS TSANGARIDESによる2005年リマスター音源を使用しつつ再びボーナス・トラックが削除され、オリジナル・リリース時の収録曲に戻された。『ANTHEM』から『GYPSY WAYS』までの4作は、帯シールや歌詞カード、盤面デザインに到るまで、オリジナル・アナログを忠実に再現している。『HUNTING TIME』以降の3作は日本国内でのアナログ・リリースがなかった為、今回新たにデザインされている。DISK UNION限定のキャンペーンとして、全7タイトルの同時購入者には、特製ボックスがプレゼントされた。

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プロモーション盤 1986-1990

ANTHEMのプロモ盤はそれ程数が多くない。以下の4点の他、数種類のプロモ・カセットの存在が確認されている。『VICTIM IN YOUR EYES』(SPS-3)は一般的に『BURRN!』1986年5月号の付録という言い方をされがちであるが、厳密にはアルバムのプロモーション用としてKING RECORDS側が付けた宣材であり、付録ではなくプロモとして扱うのが正しい。尚、ここではディスクに「SAMPLE」の刻印があるだけ、または製品盤に「見本」のシールが貼ってあるだけの所謂サンプル盤は除いている。

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プロモーション盤 2001-

2000年以降になるとメジャー・レーベルのプロモ盤にもCD-Rが多く見受けられるようになる。再結成ANTHEMもご多分に漏れず、プレスCDではなくCD-Rでプロモ盤が制作されている。当然品番はなし。盤面も印刷ではなく紙製のインデックスが貼付されておりチープ感は否めないが、それはそのまま制作枚数の少なさを物語っておりレア度は増している。2005年に発売された『OFFICIAL BOOTLEG』に関しては、プレスCDでプロモが作成された。

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