ヘイケガニの甲羅が怒った人の顔に見える原因として、人為選択による選択圧がかかったのではないかという説がある。
この説については、いくつかの研究や化石の段階(つまりヒトの手が加わる前)でもこの怒った顔のような文様が見られることから、否定をされている。
そのように考えると、このハンニャグモが、まるで能面の「般若(はんにゃ)」のように見えることも、自然界の偶発的な結果であるといえよう。
熱帯に生息する他のトゲグモ類も(現在過去を問わず)、さまざまな色彩や形のものが知られている。
このハンニャグモの場合、面に似ているという点を除いた時、最も特徴的なのは前方に向かって大きく伸びたトゲといえることができよう。
[参考文献]
アラクネー.H 「ハンニャグモにみられる雌雄の性差」
スプッテル.D 「ハンニャグモの縄張り」
セギァ.W 「ハンニャグモの生息範囲Ⅰ 垂直分布」
ラグノ.B 「ハンニャグモ 幼体からの色の変化」