たけちん認定 土木遺産  【東陽村 鍛冶屋谷の石橋】

石匠館 熊本県八代市東陽町北
 7月23日、前項、緑川水系下流部の石橋巡りをしたあと、山越えして旧東陽村の石匠館と小さな石橋群を訪ねました。
 東陽村は種山村と呼ばれていた地域で、文字どおり種山石工のふるさとです。特に石匠館は名石工「橋本勘五郎」の生家の前にたつ石の橋の博物館で、以前より訪ねたいと思っていました。中に入ると、支保工の模型をはじめとする展示が多数あり興味深かったです。なかには東京、江戸橋の設計図なんてものもありました。

 石匠館と周辺にある石橋群の位置関係。これ、役に立ちました。

鍛冶屋下橋 熊本県八代市東陽町北
 鍛冶屋谷に残る石橋群をたどることにしました。下流から順に進もうと思います。
 まずは石匠館の脇、鍛冶屋下橋。文化元年(1804年)頃の林七の作品と言われています。7mほどの石橋ですが、その用は終えてひっそりしていました。めだたない。

鍛冶屋自然石橋 熊本県八代市東陽町北
 橋本勘五郎がふるさとに帰って山中にこしらえた72歳(1895年)の作品です。周辺にあった石をそのままアーチ状に積んだように見える、今にも崩れ落ちそう、と紹介されていましたが、訪れてみると本当に大雨で流失していました。うわぁ、残念。来るのが遅かったか。

鍛冶屋中橋 熊本県八代市東陽町北

鍛冶屋上橋 熊本県八代市東陽町北

大久保自然石橋 熊本県八代市東陽町北
 橋本勘五郎の最晩年、74歳のとき(1895年)に架橋した、小さな小さな自然石橋です。大雨のため、少し崩れているようです。写真は2010年7月下旬のものですが、その後、橋本家の方が補修されたともお聞きしました。また訪問してみたいです。

重見橋 八代市東陽町石橋公園内
 石匠館のあるところから2、3キロ南へ県道を走ると重見という集落があります。県道から集落に入るところに明治10年にかけられた石橋だそうです。いまは石橋公園のシンボルとして移設保存されています。
 旧東陽村には、移設されたこの重見橋のほか、21橋の石橋が残っているそうです。いつか集中的にまわらなきゃ。

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