【人生は盲目】

去年家族で海水浴に行った。
私はハードコンタクトをしているのだが、コンタクトレンズ(特にハード)は目に異物が入ると目ん玉えぐり出したくなるほど(グロイ・・)痛い。
仕方ないのでコンタクトをしないで海で泳いでいた。

姉ちゃんと海で戯れていた(変な意味ではない)。
すると・・足にざらざらした物が触った。
コイツはもしや・・と思って、潜って取ってみるとヒトデだった。
紺色に赤い色が入っている、よく見かけるヒトデである(ヒトデ自体、よく見かけないって!)
———お〜珍しいものが取れた。
私はどうしても見せたくなり、少し遠くに泳いでいった姉に手を振りながら、 「姉ちゃぁ〜〜ん、ヒトデだよ〜」と叫んだ。
姉はこちらを見たまま無反応である。
私は「ヒトデだぁ〜〜〜」と叫んだまま、思い切り姉にヒトデを投げつけた。

うけとれぇぇぇ!!うおりゃぁぁぁぁ!!
「・・・!?」

私はコンタクトをしていなかったので遠近感が分からず力任せに投げ、予想以上にマッハで飛んでいったヒトデは姉ちゃんの顔にバチコンっと当たった。
「ぎゃぁ」と声を上げて海の藻くずと消えそうになる姉。
私は泳いでにやにやしながら「ちゃんと取らなきゃイカンぞ〜」と姉に近づいていった。
すると・・・その横をが泳いで通っていった!!。

姉のところへ向かって泳いでいるのに、私の横には姉・・・。
どういうことだ??姉ちゃんは双子でもないし、クローンができたと言う話も聞かない(←そんなこと考えるなよ・・・)。姉ちゃんのどちらかがニセモノだと言う事になるが、隣にいる姉ちゃんは明らかにホンモノ。

姉(らしき人)まで後5メートルというところで、私は額を押さえて恨めしそうにこっちを見ている、小学生の少年を見つけた!!
しまった!!人違いだ!

私は「間違えました〜スンマセン」と言いながらそそくさとその場を離れた・・・。

それにしても20歳の若い女の人の姉と、小学生の海パン少年をどうやって間違えたのかは知る由も無い・・。ちなみに姉は海パンではなくちゃんと水着を着ていたと補足しておく(←そりゃそうだ!)。

私は人違いをする。というより、周りをよく見ていないのだ。

列車で私が吊革を持っている前の席で母が座っていても、三駅ぶん気付かない事があった。母は、私が友達といるので照れて無視してるだけかと思っていたが、そうではなくて気付かなかったのだ。
膝と膝がふれあい、目が何度か合っていたにもかかわらず・・・だ!
友人が「やぁ、久しぶり!」といって近づいてきても無視しそうになことがしばしばだ。
そこで「やぁ」といわれたら、そんな声が聞こえた気がするだけで「久しぶり!」と私から言うようにしているが、毎日会っている人にそういったり、まったく知らない人にそう言ったり、たまに独りでそう言ってるだけなので(←さびしぃぃ!)成果はあまり芳しくない。

小学生の頃、学校の図書室で友達と本を借りた。
私が本を借りていると、友達もやってきて本を借りていた。
その本を見ると「赤毛のアン」と書いてあった。
私はその友人とお互いに悪口をいくら面と向かって言っても仲が悪くならない親友だったので、それをみて私はツッコんだ。

赤毛のアンとか借りるなよ!笑える!。ツッコむぞ、コラ。っていうかもうつっこんでるけど!。
いやぁ〜それにしても赤毛のアンは濃いよ、濃ゆい(←何がだ?)!どういう心境でそんなの読むのさ〜。モチロンギャグで借りるんでしょ?でもギャグにしては濃すぎるってばよ!ははは。」

そして彼女の顔をみると・・・・。
———友達じゃないしっっ!!
ひょぉぉぉぉぉぉぉ・・・・・・・!!!


その人は思いきり赤毛のアンが似合わない顔だったが(←おいおい)、まぁそんなことはどんな本を読もうが人それぞれなので関係なく、それより大変なのは、太った般若が青汁飲んだような顔で(←どんな顔だよっ)彼女が訝し気にこちらを睨んでいることだった。

この時ばかりは何も言えず、何事も無かったかのようにその場を無言で立ち去ってしまった。

おわり

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