小池准教授のKY日記
KYとはケンタッキー州の略称です。決して空気読めないではありません


このページは、米国ケンタッキー大学で2009年4月から2010年3月まで 在外研修をすごしたBroken English KOIKEが、現地でいかに過ごしていたかを紹介するページでございます。 思い込みと無知に満ちています。アメリカ生活をよくご存じの方には、こんなんでよく来たな、と思われること間違いなしでございます。

はるかなるブルーグラス
気温があがってきて、ケンタッキーのブルーグラス(芝生)がだんだん濃い緑色になってきました。

「3月の狂乱」と呼ばれるバスケットボールの全米トーナメント戦も、 残念ながらケンタッキー大学の男子チームは準々決勝で敗れてしまいました。一方、女子のほうは 初めての準々決勝進出を決め、まだまだ街の人達の興奮はさめやらぬようです。

名残惜しいことばかりなのですが、明日、いよいよ帰国です。

あっという間の一年間で、本当にいろいろなことがありました。すべてが私や家族にとって 貴重な経験であり、楽しいひとときでした。

このような機会を与えて下さったすべての方に感謝です。 日本についたら気分を切り替えて、また元気にやっていきたいと思います。

さようなら、ありがとう、Kentucky!!GO BIG BLUE!! (2010年3月29日)

ツアー
アメリカの観光名所や博物館に行って感心するのは、必ず案内ツアーがあることです。たとえば、 ケンタッキー特産バーボンの醸造元にいくと、バーボンを作っているところを案内してくれますし、 ケンタッキーのルイビルにあるバットの博物館でも、工房を案内してくれます。 また、ケンタッキー大学でも高校生等を対象とした学内ツアーを一年中行っているようです。

人数が多いと、大勢でぞろぞろと歩いて終わりということになりますが、 空いているときにはガイドさんとフレンドリーにいろいろ質問できたりして、楽しい時間を過ごすことができます。

ガイドさんをつけなくてはいけませんから、運営する側からすると大変なような気もしますが、 コンピュータ画面や自動音声で案内されるより、そこを訪れたという 印象は深くなると思います。 情報はネットからとれる時代ですから、現地ならではの人による案内というのがより必要な時代なのかもしれません。 (2010年3月17日)

春の気配
ケンタッキーもようやく気温があがってきて、チューリップの芽もでてきました。 それでも八草に比べると、春の訪れは遅いように感じます。 ちょうどアメリカに渡ってきた頃と同じような気候になってきて、 ああ、一年過ごしたんだなあ、という実感がわいてきます。

今日は自宅のケーブルTVの解約に行ってきました。 4月に契約したものを、またひとつひとつ解約する作業をしはじめているので よけいに渡航した頃を思い出してしまうのかもしれません。

今は当たり前の風景も、帰国してしまえば、今度はいつ来れるのかわからない 遠い風景になってしまいます。 観光地での記念写真はあっても、レキシントンの街の写真が案外無かったりするので、 一度、カメラを持って街をまわり、思い出の日常風景をおさめておこうと思います。 (2010年3月10日)

発音のまずさ
以前、スターバックスでカフェオレを注文しようとしたのですが、

「カフェオレ、プリーズ」

「Sorry?」

「カフェオレ、プレーズ」

「What’s?」

「カフェオレ!!プリーーーーズ!!」

「OK!Cappucino!」(わかった!カプチーノね!!)

愕然とした私は、もう注文をあきらめようと思ったのですが、 後ろに並んでいた人が、「この人はカフェオレと言っているのでは?」と 言ってくれまして、そうしたら、ああそうだったの、ごめんなさいね、という感じで、 カフェオレを出してくれました。

その後、何度かスターバックスに入りましたが、さすがにこういう目にはあっていません。 しかし、このときは、よほど私の発音が悪いのかと、かなりがっかりしたものです。

英会話には、聞き取りの能力や語彙、決まり文句をどのくらい知っているか等々が 問われると思うのですが、この「日本人なまり」だけは、なんともならんようです。、 聞き返されても最終的に意味が通じればそれでいいや、と思うようにしています。

そんなこんなで、大して英語もうまくならずに一年が過ぎようとしています。 住めば(留学すれば)話せるようになるというわけではない、とよく言われますが、 その通りになってしまいました。 そりゃまあ、渡航前に比べたら良くなっているとは思いますが、 努力が足りなかったのかもしれない、と反省する今日この頃です。 (2010年3月4日)

得たものはなんですか?
さて、いよいよ帰国まで一ヶ月をきり、カウントダウンに入りました。 ケンタッキー大学から、帰国にあたっての提出書類にアンケートのようなものがありまして、 その中にこういう質問がありました。

What did you especially appreciate about your stay?

まあ、直訳してしまえば、滞在を通じて深く認識(感謝)したことはなんですか、ひどくかみ砕いて訳せば、 得られたことはなんですか、という質問と考えてよいと思うのですが・・・

この質問を読んだ瞬間、思わず考え込んでしまいました。 一年間で、俺、何をして、何を得て、何を理解できたのだろうか・・嗚呼、そもそも人生ってなんだろう・・という ような違う方向へ思考が行ってしまいそうになり、あわてて頭の中を軌道修正したりしました。

結局、Everything!と、あいまいかつそのまんまな回答を書いて提出してきましたが、 せめて、この日記の最後に、今回の滞在の総括のようなものを書いて締めくくれるように、 きちんと振り返りたいと思います。 (2010年3月2日)

オープンハウス
ケンタッキー大学工学部のOPEN HOUSEに行ってきました。 全学的なイベントではなく、工学部のみのものなのですが、 いろんな学科が競って展示物をだし、賑わっていました。

お客さんには、もちろん高校生やその父兄という人達もいるのですが、 地元の中学生や小さな子供を連れた家族連れ、あるいはおじいちゃんおばあちゃん、も多くおり、 ちょっとしたお祭りのようです。日本で言うところの学園祭に近いように思いますが、 研究に関係ないこと、たとえばダンスを踊っているとかパレードがある、ということは全くなく、 やはり位置づけとしてはオープンキャンパスに相当すると考えて良いのでしょう。

日本のこの種のイベントと大きく違うところは、地元企業等が多数協賛しているところです。 プリンタ会社が色彩についてのブースを出していたり、測量会社が測量機器を 展示していたり・・・。さらには空軍がジェットエンジンの模型を展示していたりして、 「工学」全般についての理解をみんなに深めてもらう、という雰囲気です。

ちいさな子供向けのサービス(綿菓子とか風船とか)もあって、私も親子で楽しみました。 日本のオープンキャンパスや学園祭も、 もっと地元の人や企業・団体から身近に感じてもらえるようなイベントになるといいですね。 (2010年2月22日)

鉱山工学
レキシントンより少し西のウエストバージニア州へ行くと、長大な石炭列車をみることができます。 アパラチア炭田があって、そこで掘り出した石炭を輸送するための列車です。 日本では、炭鉱はほとんどなくなってしまい、石炭列車も写真でしか見ることができません。 私もアメリカに来て、初めて現役の石炭列車をみました。

石炭は人間の生活に必要なエネルギーを得るための重要な資源ですが、 近年は環境問題から炭鉱に対する風当たりも強いようで、 いろいろと気を使いながら操業しているのが現状のようです。

ケンタッキー大学にも鉱山工学(Mining Engineering)があります。パンフレットやカリキュラムをみると、 地球科学から土木工学、金属工学まで、様々な分野を 包括したもののようです。 「より安いコストで環境への影響を最小にしつつ、 安全性と効率性を考慮した上で、使いやすい資源をどのように取り出すか」 と研究教育の目的が掲げられています。

学問としてとても興味深い分野だと思うのですが、日本の大学では 鉱山学部とずばり名乗るところは、現在ありません。 炭鉱そのものがほとんどなくなってしまったので、 設置されていないわけですが、地下資源は 人間が生きるために将来にわたって必要なものであり、 日本は外国から輸入してるからいいや、というものではないと思います。 長い目で見たとき、地下資源に関わる学部学科がなくて日本は大丈夫だろうか?と思ったりもしますが、どうなのでしょう。 (2010年2月18日)

休校
2月に入り、子供の小学校、幼稚園が時々休校になっています。 雪はそれほど積もらないのですが、とにかく気温がマイナス10度くらいまで下がるので、 通わせるのは危険だ、という判断があるようです。

一度、今日は大丈夫だろうと子供を小学校まで送っていったら (アメリカでは、マイカー送迎かスクールバスでの通学が普通です) 学校に子供が誰もおらず、家に帰ってテレビをみてみたら一時間遅れでスタート という情報が出ており、がっかりしたこともありました。 それ以来、朝、起きたらまずテレビをつけて学校の情報を見るというのが日課になっています。

とにかく、これほど低温になる地域に住むのは初めてで、 新鮮な体験なのですが、寒いのは大苦手なので、早く暖かくなってほしいと思う今日この頃です。 (2010年2月16日)

帰国準備
さて、もうすぐ2月と言うことで、少しずつ帰国準備に入っています。

日本の運送会社(ペリ○ンやク○ネコ)がケンタッキー州内に営業所を構えており、 海外引っ越し便なるサービスをしています。スーツケース5個で渡ってきたのですが、 いろいろな物がどんどん増えて、帰りは運送会社のお世話にならざるを得ない状況です。

そんなわけで、最近、少し心がそわそわしてきて、日本のことがだんだん気にかかるように なってきました。 でもまあ、あれこれ考えても仕方ないので、今しかできないことをしっかりやって帰りたいと思います。 (2010年1月28日)

貸本屋
さて、またケンタッキー大学の学内新聞ネタで恐縮なのですが・・。

アメリカでは、ネットによる「教科書貸本屋」なるものが存在するそうで、 学内新聞の値段比較表をみると約半額かそれ以下でレンタルすることができるようです。

DVDレンタルもあるわけですから、教科書のレンタルがあっても不思議ではないわけですが、 書店の意見も掲載されています。

「前期に半額でレンタルしても、後期に同じ教科書を使って 教授が授業をするとすれば、最初に新品を買って、中古として売った方が、学生さんとしては安くつく」

「もし汚したり盗まれたりしたら、2倍のお金を請求される。 16〜20年前くらいに一時期教科書レンタルが流行ったが、そういう問題で廃れてしまった。 教科書レンタルは学生さんの経済的利益にはならない。」


さらに学生さんからも「書き込みができる」「見直せる」ということで、 お金の問題さえなければ、教科書は自分の物があったほうがよい、という意見が掲載されています。

個人的には、教科書は自分の物が欲しいです。レンタルの教科書を、気を使いながら利用するのも嫌ですよね。 皆さんはどうでしょう。教科書レンタルがあれば利用しますか? (2010年1月27日)

アイスストーム
ケンタッキー州やその周辺での独特の気象現象に「アイスストーム」と呼ばれるものがあるそうです。 これは、雨が降っているときに急激な気温降下が起きると、降った雨が一気に凍り、 街中が氷の造形と化してしまうのだそうです。

話だけ聞くと、なんとなくロマンチックな感じがするのですが、 (実際、日光にあたるとキラキラ光ってきれいなのだそうです) 道路はスケートリンクに、木々は付着した氷の 重さに耐えられずに倒れて電線を切ってしまい、街中が停電に・・・ という事態になってしまい、停電になると、凍えてしまわないように、 市民は電気が通っている地区の友人宅やホテルに避難をするそうです。 確かに、これはもう立派な災害ですね。

ここ数日、寒波が来て雪が降り、つららがあちこちにできましたが、 これはアイスストームではなく、ただの雪なのだそうです。 それでも、気温はマイナス10度くらいに下がり、小学校は休校になりました。

アイスストームは毎年くるわけでもないようで(昨年はあったそうです)、 今年はなんとか無事にすんでほしいものだと思います。 (2010年1月15日)

数字のカンマ
娘からこんな質問をされました。

「どうしてアメリカの教科書では1,000と書いてあるのに、日本の教科書は1000なの?」

確かに見比べてみると、千の桁を示すためのカンマが日本の算数の教科書にはありません。 どうしてと言われ、お父さんは答えに窮してしまったわけですが・・・

英語では千はthouthandで、それ以降はten・thouthand、hundred・thouthandと読んでいきますから、 カンマは重要でしょう。 実際に娘がアメリカの小学校で持って帰ってくるプリントをみても、 カンマに関してはかなり徹底して教えている様子でして、 グリグリと強調して書いてあります。 ケンタッキー大学の学生のレポートでも、カンマはきちんと みんな書いているようです。 しかし日本では千の次は万ですから、 ここにカンマがなくてもよいといえば良いですね。

これも文化の違いと言ってしまえばそれまでですが、 数字の桁の概念をスムーズに教えるには、カンマがあったほうが よいのかもしれません。 いかがなものでしょう。 (2010年1月8日)

あけましておめでとうございます
クリスマス休暇も終わり、新年がスタートしました。

ここ数日はとにかく寒く、最低気温はマイナス10度、最高気温も当然のように氷点下を超えません。 家では、一日中、暖房つけっぱなしです。そうしないと水道管が壊れてしまうそうです。

ともあれ、在外研修も残すところ3ヶ月となりました。 良い3ヶ月、そして、良い一年にしたいものであります。 今年もよろしくお願い申し上げます。 (2010年1月4日)

買うべきか、買わざるべきか、教科書を・・
さて、 アメリカの教授にもいろいろいるようで、 ケンタッキー大学の学内新聞に 以下のようなことが書いてありました。(訳が間違っていたらすみません)

「教科書をこってり講義で使う教授と 知識補強のための参考書と考えている教授がいる。 また、どっちの場合でも教科書の内容が テストに出ないのなら、(学生の我々としては) 読む気にならないだろう。」

「ということで、2週間は買うのを延期して 知人か図書館からか借りてきて講義を受け、 その教科書の重要度を見極めたほうがよい。」


まあ、そのとおりでして、私も学生時代、 教科書を買ってもぜんぜん使われない講義に何度か当たり、 頭にきたものです。 また、内容が古い教科書を指定され閉口した思い出もあります。

自分が講義をする側になって思うのは、 やはり、教科書の内容だけで講義をすると どうしても新しい話題が抜け落ちてしまうことから、 自分でプリント作ったりスライド作ったりして 内容を補強したくなります。

それが過ぎると、だんだん教科書からの出題が 少なくなってきて、最後には教科書なくても やっていけるのでは?となってしまいます。

いずれにしても、専門書は高いですから、 コストパフォーマンスが学生さんに 求められるのはよくわかります。 よく吟味して教科書を指定したいものであります。 (2009年12月23日)

教科書の古本
アメリカの大学では、学内の本屋で教科書の古本を売っています。 また、大学周辺に屋台(?)のようなものが出て、教科書の売買を行っているのもみかけました。

先輩からのありがたい書き込みがあり さらに値段も安いので、学生さんにとっては 重宝するのだろうなあ、と感心してみていたのですが、 先日、ケンタッキー大学の学内新聞を読んでいたところ、 使い終わった教科書は大学内の書店に中古で売るよりも アマゾンに売り払ったほうが高値がつく という知恵(?)が紹介されていました。 やはり専門書は値段が高いので、 学生側もいろいろ考えているようです。

日本の大学では、 先輩からもらったり安く譲ってもらうというパターンが 多いようですね。 大学のそばに古本屋があることも多かったのですが、 最近はどうなんでしょうか。

ともあれ、教員である私としては、単位をとったら不要という本ではなく、 資格試験や就職試験でも役に立つような 教科書をよく吟味して指定したいものだと思います。 (2009年12月15日)

バスケットボール
ケンタッキー大学は男子バスケットボールの名門校として知られており、 街の人達もバスケ応援が大好きです。先週も、 試合があったのですが、スタジアムへの道沿いに 「チケット余ってない?」という紙を持った人達が 並んだりするなど、地元での人気は半端ではありません。

成績の方も、強豪校であるノースカロライナ大学を見事に 打ち破るなど、快進撃を続けています。 1996年以来全米チャンピオンから遠ざかっているようなのですが、 このままだとかなり上位までいけそうな雰囲気です。

私もすっかり染まっています。 チケットは入手困難なので、テレビで応援します(^o^)

GO BIG BLUE!!

↑ケンタッキー大学応援の決まり文句。スクールカラーが青なので、こう言うそうです。 (2009年12月9日)

偉大なる先人たちへ
学会の続き。

トルネード(竜巻)による被害について、 スケール(尺度、物差し)として使われているのが、FUJITAスケールです。 提唱した日本人の故・藤田哲也シカゴ大名誉教授の頭文字からきています。

そういうスケールがあるのは知っていたのですが、 今回の学会でもこのFスケールを用いた発表がされていました。 現在は、改良型のFスケールが定義されていますが Enhanced FUJITAスケールと、ちゃんとフジタ先生の名前が残されています。 新スケールの基本的な発想は旧フジタスケールを踏襲しているようで、 これを研究している米国の教授が、 「なんじ、フジタスケールを無益にすることなかれ」 と、いうイラストを発表スライドの最後につけるなど、 とても敬意をもって扱われているようです。

さらに、旧FUJITAスケールが発表されたのは、私の生まれた年と同じなのです。 今のように日本人がわんさか渡米しているような時代ではない中で これほどの業績を残されて、もう、ただただ尊敬するばかりです。

こういう偉大なる先人の業績を異国で目の当たりにすると、、 私なんぞは毎日何をしているのやら・・・という気分にさせられます。 どんな小さな成果でもいいので、今回の滞在でなにかしら残したいものです。 (2009年12月1日)

おおかみに吹き飛ばされないように
学会聴講のため、ワシントンに来ています。

トルネード(竜巻)にも壊れない構造物の設計について議論するセッションで、 実物大の模型を作って実験した結果が発表されていたのですが、 そのプロジェクト名をみて、思わず噴き出しそうになってしまいました。 その名もずばり

Three Pigs Project (3匹のこぶた大作戦)

実験自体はとてもまじめで難しい内容なのですが、 このプロジェクト名のおかげで、実験用の家の中で、本当にこぶたちゃん達が 吹き飛ばされないように支えているかもしれない、というような想像がふくらみ、 とても楽しい気分で発表を聞かせていただきました。

こういうユーモアのセンスは、さすがアメリカ!と思います。 我々も研究そのものはまじめにやりつつ、ちょっと 笑いをとるような、そんな余裕をもっていきたいものです。 (2009年11月13日)

冬時間
アメリカでは、サマータイム制があり、夏の間だけ時計を一時間だけ早めて早起きします。 11月1日が夏時間から冬時間へ戻す日で、朝が一時間遅くなりました。

ところが、やはり一週間ほどは、夜は早く眠くなってしまい、朝は早起きしてしまいます。 体内時計というのは意外と正確なものだと、感心してしまいました。

10月に入ってから子供が小学校に登校する時間はあたりが真っ暗だったのですが、 冬時間になってから、少し明るくなりました。 ブルーグラス(ケンタッキーの芝生)に霜が降り、 朝の光を浴びてきらきら光り、とても綺麗です。

ともあれ、もうすぐ冬がやってきます。かなりこちらは寒くなるらしいので、 寒さが苦手の私としては、これからが正念場というところです。 (2009年11月6日)

アメリカ土木学会
カンザスシティで開かれたアメリカ土木学会の年次総会に行ってきました。

日本の土木学会の全国大会では、多くの会場に分かれて、大学院生さんもふくめて 発表、議論を行いますが、こちらは、そういう小さなセッションはなく、 研究委員会の活動報告とパネルディスカッションが中心でした。

英語がわからないなりの私の理解というか印象としては、 こちらでは資源の問題が クローズアップされているように感じました。資源とは、エネルギーだけでなく、 水や食料も含めたものです。

日本では少子高齢社会が進んでいますが、世界規模で見ると 人口の爆発的増加とそれに伴う水と食料確保の問題は深刻です。 二酸化炭素削減が日本ではホットなニュースですが、 食糧自給率向上にむけて土木工学が何ができるか等々、 いろいろな問題提起を私の中で受けることができました。 (2009年10月30日)

父母懇談会
娘の小学校の父母懇談会に行ってきました。なんと学校側が通訳を用意して下さいまして、ありがたいことです。 (それだけ、私の英語がいかにBROKENか、想像がつこうというものです)

面談は、担任の先生とESL(英語を母国語としていない子供のためのクラス)の先生と、 我々と通訳さんの合計5人でした。

とりあえず、うちの娘も英語ができないなりに楽しく学校ですごしている様子でして、 先生方の配慮に、感謝、感謝です。

また、アメリカの先生は子供のことを本当によく褒めてくれます。 日本人としては、あまり褒められると、 どこまで真に受けていいのかわからなくなっていまいますが、 その付近、あうんの呼吸(?)というのがあるのでしょう。

それにしても、通訳をつけてくれたり、ESLクラスがあったり、 さすがアメリカだと感心します。 おそらく日本の学校にアメリカの子供さんが転校してくるより、ずっとスムーズに 日本人の子供は現地の学校に溶け込めるのではないでしょうか。 私自身にとっても、今後、日本に来る留学生のみなさんと一緒に勉強していくための とてもよい経験をさせてもらっていると感じる今日この頃です。 (2009年10月26日)

大学スポーツ人気
ケンタッキー大学の構内の一角に、火曜日くらいからテントが立ちはじめました。 テントはどんどん増殖していって、木曜日にはある建物を取り巻くようになりました。 そして投光器や仮設トイレまで設置され、ちょっとしたお祭り状態になりつつあります。

いったいなんのテントなのか聞いてみたところ、土曜日にケンタッキー大学の男子バスケットボールの チケットが発売になるので、並んでいる・・とのこと。

え?今日、まだ木曜日なのですが・・・

テント村は、金曜日の夕方には最高潮に達し、道路を挟んだ反対側の芝生広場にも広がり、 軽く100は超えるほどの数になりました。若い人が多いですが、家族連れのグループまであり、 みんなでUK(University of Kentucky の頭文字)のTシャツや旗を持って、騒いでいます。

バスケットボールだけでなく、フットボールも大人気で、試合のある朝には UKの旗を立てたたくさんの車が、スタジアムに向かっていきます。 さらに、地元のスーパーでUKフットボールチームの選手年鑑が売っています。 名古屋の書店で、ドラゴンズの選手年鑑が売っているのとほとんど同じノリです。

どうしてこんなに人気なのだろうと不思議に思っていたのですが、そんなある日、 地元ケーブルテレビの番組で、小学校でUKの応援集会が行われている様子が放送されているのを 見つけました。

そうか、子供の頃から刷り込まれているわけですね(^_^;)。

ともあれ、地元からこんなに愛されているUKを、大学人の一人として、とても羨ましく思います。 私がケンタッキー大学のTシャツを着て歩いていたら、「あなたUK好きですか?私、UKの一年生です」と 日本語で学生さんに話しかけられたこともありました。 学生さんもUKの一員であることをとても誇りに思っている様子です。 我が、愛知工業大学も、もっともっと地元に親しみを持ってもらえるような大学に なっていけたらなあ、と心から思う、今日この頃です。

追記:私の家族も、全員、UKのTシャツを持っています。すでに刷り込まれました(^o^) (2009年10月7日)

フライドチキン
ケンタッキーといえばフライドチキン、ということで、ケンタッキーフライドチキン発祥の地に 行ってきました。レキシントンから南に一時間ほど走ったコービンという小さな街にあります。

サンダースおじさんが、ここでガソリンスタンド、モーテル(自動車旅行者用の安い宿)、食堂を 経営していて、そこの厨房でフライドチキンを作っていたのが始まりだそうです。

お店は、普通のKFCのカウンターがあり当時の様子を再現した店内で食事ができるという感じです。 そんなお店の中でわれわれがチキンをがっついていたら、なんとなんと、 白のスーツにあごひげを生やした紳士が登場!!!記念写真を一緒に撮らせてもらいました。

あとでもらった名刺をよく読むと

○○年度、ワールド・チキン・フェスティバル、カーネル氏そっくりさんコンテスト第3位受賞 ○○氏

と書いてあります。

毎年、地元でそっくりさんコンテストをやっているようで、 この第3位という順位が果たしてどのくらいすごいのか、私にはよくわからないのですが、 おおらかで楽しい雰囲気を感じさせてもらえました。

追記:あの白いスーツというのは、少しでも汚れたら台無しという感じで、 非常にハイリスクだと思いました。 (2009年9月30日)

幼稚園の授業参観
ケンタッキー州は、5歳から義務教育で、それより小さな子供は 地元の教会等が開いているプレスクールというところに通います。行くかどうかは任意で、 日本の幼稚園のようなイメージです。

息子が通っているプレスクールの授業参観があり、行ってきました。

毎週、アルファベットをテーマにして、授業をしているようで、今週は「P」。 ピッグとかペンギンとか、頭文字がPのつく単語を集めた歌を歌いながら クラスを進めていきます。 子供達もうれしそうに歌っており、楽しそうな雰囲気でした。

ちなみに参観時間は予約制で、私が行った時間帯は見学者は我々だけ。 日本のように親が一斉に来てざわざわしている感じではありませんでした。 こういう参観スタイルもいいものですね。 (2009年9月23日)

無料の高速道路
ケンタッキー州には、有料道路がありません。パークウェイも州間高速道路も、すべて無料区間です。 片側2〜3車線の道路が続き、事故でも起こらなければ渋滞することもないので、とても快適に走ることができます。 地元の方も、クルマで2〜3時間くらい、平気で家族とドライブします。

そんなところですから、サービスエリアもさぞ賑わっているだろう、と思われるかもしれませんが、 どこも閑散としています。そもそも、サービスエリアと言っても、トイレとベンチがあるくらいで、 日本のようにレストランやお土産屋がたくさん入っていることは(例外もありますが)ほとんどありません。

問題:何故でしょう??

答:「無料だから」です。

とにかく無料ですから、料金を気にせず好きな場所で降りて食事等を済ませ、また高速道路に戻って 旅行を続けることができます。 インターチェンジごとにマクドナルドやガソリンスタンドがたくさん立地しており、 わざわざ人里離れたサービスエリアを豪華にする必要がないのです。

日本の新聞をネットで読むと、休日1000円効果でサービスエリアが大賑わい、無料になったら もっと売り上げがのびるのではとうれしい悲鳴、という記事を見ます。 しかし、本当に無料開放されたら、多くのサービスエリアは、一時的には売り上げが伸びるかもしれませんが、 やがてインターチェンジ周辺の店舗との激しい競争にさらされることになるでしょう。

このように、サービスエリアの話題だけをみても、どこまで考えられて無料化、無料化と日本で言っているのか、 よくわかりません。 高速道路の「無料化」は、「値引き」とは性質がかなり違うと思います。 社会実験などを繰り返して、日本に合ううまいやり方を考えてほしいものです。 (2009年9月21日)

小学校で朝ご飯
娘が通っている小学校では、なんと学校で朝ご飯(朝食給食)がでます。 先日、おじいちゃんおばあちゃんと一緒に朝ご飯を食べようという イベントがあり、たまたま渡米していた義父、義母と一緒に行ってきました。

内容は、パン、ミルク類、フルーツ、ヨーグルト、シリアル等々で 好きな物を選んで食べてよろしい、というスタイルです。 (日本の給食のように、全種類とってバランスよく残さず食べましょう、という雰囲気ではないです)

日本では、「食育」という言葉もあるように、 朝は家庭できちんと、という考え方が強いですね。 もちろんそれはそれで 大切なことだと個人的には思いますし、 アメリカでも全員が学校で朝ご飯を食べるわけではなく、 家庭で食べてくる子もたくさんいるようです。

朝ご飯代は所得に応じて決められますが、かなり安い(もしくは無料) ので、連邦や州政府から 相当な予算が投入されていることは間違いなさそうです。 とにかく子供達にはきちんと朝ご飯を食べてほしい、という政策なのでしょう。

日本とアメリカとどちらが良いとは簡単にはいえませんが、 「朝ご飯は大事」というのは共通ですね。 朝はきちんと食べましょう。 (2009年9月16日)

大統領のお話
先日、娘が小学校から以下のような内容のプリントを持って帰ってきました。

「来る○月○日に、大統領から子供達への演説があります。 内容は、勉強を何故に一生懸命しなくてはならないのか等々です。 家庭で話題にし、勉強について話し合いましょう」

親が英語分からないので(^_^;)、演説の方は結局聞いてないのですが、 それより感心したのが、大統領がこのような子供達向けのメッセージをだすこと、そして、 みんなで大統領のお話を聞きましょう、というプリントが学校で配られるということです。

個別の政策についてはいろいろ意見があるでしょうが、 やはりみんなで選挙で選んだ結果の大統領です。 その話に耳を傾けることは大切なことですし、その内容について 否定や肯定ではなく、「家庭で話し合うこと」を勧めるのは とても大切なことではないかと思いました。

日本では、総理大臣に対して、揚げ足取り、言葉尻をとった報道があまりにも多すぎます。 これでは、子供達が総理大臣を馬鹿にしてしまうだけではないでしょうか。 しかし、総理大臣はとにかく選挙で選ばれた国会議員から選出される重要人物です。 その人の思想や方針について、もっと子供達と対話できるような機会が、 政党の宣伝にならないような上手な形であるといいのではないかと 思います。 (2009年9月10日)

政権交代
学内のスタバに置いてある新聞(ニューヨークタイムズ)を見ていたら、 民主党本部で当選者の名前にバラをつける写真がカラーで大きく載っており、思わず買ってしまいました。

一面および三面に日本の衆議院選挙の記事があり、三面の方には、投票所と鳩山代表の写真が載っています。 記事の中身はというと、やはり新政権が日米関係についてどのような舵取りをするか、ということが大きな関心事 として扱われています。 特に、新政権が日米関係に再定義をもたらそうとしているものとし、 鳩山代表がアメリカ型の競争社会を否定し、アジア重視外交をしようとしていると発言していることなどが 報じられています。

記事では、今回の投票率や民主党のマニュフェスト(こども手当とか)についても述べられているほか、 日本の政界の概要、たとえば、1993年以来の政権交代で、2大政党への移行がなされつつあることや、 終戦後から続いてきた仕組みが崩れていること、なども述べられています。

報道されていないことはないだろうと思ってはいましたが、 想像していたよりも詳しい記事で、少々驚きました。 我々が思っている以上に、「日本は世界から見られている」のだと思いました。 (2009年8月31日)

保険
日本には医療保険が公的に存在し、勤め人であれば給料から天引きされます。 病院にかかるときは自己負担が 多少ありますが、半分以上は確実に保険からでます。これにがん保険等の 長期入院に備えた民間の保険を組み合わせて暮らすというのが、 日本の一般的なスタイルでしょう。

ところがアメリカでは、日本のようなイメージの医療保険というものは存在せず、 各自が自分で保険会社を選んで、保険料を支払います。 したがって、お金持ちはたくさん保険をかけ病院にもかかれますが、 貧乏だと保険もろくにかけられず、病気をしても簡単にお医者さんにはかかれません。 そういう意味では恐ろしいところです。

その保険料というのが結構高く、私がかけている保険も、 1ヶ月家族4人でだいたい7万円くらい(当然、掛け捨て)。したがって一年間で 70〜80万円くらいの出費になり、痛いものがあります。 しかし、これがないとアメリカで病院にかかれなくなってしまうので 仕方なくかけているわけです。

日本の生命保険や医療保険なども、 今年一年間だけお休みというわけにもいかないので、 留学中は日米両方でかける保険料ですごい出費ということになります。 (民間企業さんの場合は、ずいぶんと違うようですが) それだけに、思う存分楽しまないと、一年、ひたすら損するだけで終わってしまうことになりますから、 積極的に過ごしたいものです。 (2009年8月26日)

日本祭り
私が住んでいる街の公園で、日本祭りが開催され、家族で行ってきました。 主催はケンタッキーの日米協会というところで、 ケンタッキー大学の方や領事館をはじめ、多くの日本人の方、そしてアメリカ人の方が スタッフとして参加されていました。

野外ステージで合気道を披露しているのは、なんとアメリカの方です。 ブルーグラス武道会という会があるそうで、 次々と繰り出される技に、地元の小学生たちが歓声を上げていました。

さらにすごいのが、「ジャパニーズ・アイドル・コンテスト」。 アメリカ人の女の子たちが日本語の歌をカラオケで上手に歌います。 さらにはセーラー服を着ていたり、「ナルト」ででてくるはちまきのようなモノをしていたり・・・ すっかりおじさんになってしまった私にとっては、 若者のオタク文化は、「興味はあるのだけど遠い存在」というのが正直なところなのですが、 アメリカの地方都市でこのようなステージが行われていること自体びっくりで、 恐れ入ってしまいました。

我が家の子供二人にも浴衣を着せていったのですが、 何人かのアメリカ人の方がカメラを向けてくれました。 こうして日本に興味を持ってもらえるのはとてもうれしいことです。 しかし、私自身、特に日本伝統の何かができるというわけでなく、 (娘のほうが、けん玉やコマを上手にできる) これといったネタを持ち合わせていないのに気がつかされます。 今からでも遅くないので、何か考えてみたいものだと思います。 (2009年8月24日)

駅ビル博物館
アメリカでは、鉄道は一部の都市圏を除いて、お客さんを航空機と車に取られてしまい、 衰退してしまっています。 かつては大勢のお客さんで賑わった駅やその周辺も寂れてしまうことが多いようです。 そういう場所を放っておくと、どんどん荒れて治安が悪くなり、都市全体がおかしくなります。 したがって、(旧)駅前の再開発というのは、 アメリカの都市において共通の難しい課題となっているようです。

先日、シンシナティという都市の博物館に行ってきました。ここでは、歴史ある旧駅ビルを 博物館にして運営しています。 かつて旅客で賑わった駅コンコースはフードコートとなり、駅前は広い駐車場になっていました。 やはり博物館という施設は、展示や所蔵もさることながら、 建物そのものにも何らかの価値があるもののほうがよいと思います。 そういう意味では、とても成功しているのではないかと思いました。

日本でも、駅やその周辺の再開発は大きな課題です。 日本よりも極端に鉄道が衰退したアメリカの事例から学ぶことはとても多そうです。 (2009年8月21日)

Tシャツ文化
娘の小学校の新学期がもうすぐはじまります。そのオリエンテーションに行ってきました。

オリエンテーションといっても、担任の先生にあいさつをし、書類をうけとり、 送迎の手続き(マイカー、徒歩、スクールバス)をし、終わりです。講堂に 集まって全体説明があって・・・などというのは全くなく、 思い思いにやってきて、さっさと帰宅するスタイルでした。

教室の一角で、PTAの皆さんがTシャツを販売していました。学校のマークがはいったものですが、 日本の体操着のように絶対必要というわけではありません。それでも けっこう売れている様子でした。

アメリカでは観光施設のお土産屋に行くと必ずTシャツを売っているのですが、 ダンス教室でも販売していましたし、そして小学校でも、さらに下の息子の幼稚園でもTシャツをくれるそうです。

ここまでくると、これはひとつの文化といえるかもしれません。 私もアメリカに来て、だいぶTシャツが増えました。 記念になるからと、つい買ってしまうのですが、Tシャツは、ある意味、実用品かつ消耗品なので、まあいいか、と思っています。 (2009年8月11日)

ポニョ
テレビをみていたら、崖の上のポニョのDVDがアメリカでも8月に発売されるということで 宣伝をしていました。

アメリカでも、恐竜キングなどの吹き替え版をテレビでみることができますし、 地元の電器屋のDVDコーナーに行くと、ドラゴンボールや犬夜叉、ナルトなどが ずらっと並んでいます。また、私にはよくわからない萌えアニメも随分売っています。 本屋に行けば、日本のマンガをそのまま英訳したコミックも売っています。 さらに「オタクUSA」という雑誌まである(←本当)のには驚きました。 日本のアニメ・マンガ文化は、一応、市民権(?)を獲得しているとみていいでしょう。

しかし、ピカチューは別格として、他のアニメが一般的な人気、すなわち キャラクターグッズがたくさん出回っていてアメリカ人の子供達が それを持ち歩いているかというと、それほどでもありません。 「一部の好きな人達」以上に市場をのばすことはできていないようです。

ともあれ、日本人としては、 異国で日本のものを発見できるのはうれしいものでして、 テレビをぼーっとみていていきなりポニョが現れれば、 おお!!と思います。 たくさんの人にみてもらえるといいですね。 (2009年8月4日)

欧米ではこうだ!
先日、アメリカのコメディ・アニメで、こんな話をやっていました。。

近所にアジア系の家族が引っ越してきて、アメリカ人の旦那衆がそれを遠くから見ています。

「あれは、日本人かな、中国人かな?」
「俺は中国人と見た。なぜならば日本人は○○だからだ」(肝心の○○を聞き取り損ねた)

で、声をかけてみるわけですが

「どこから来たんだい?」
「ラオスからだ」
「ラオス?ラオスというと中国のどの辺だい?」
「ラオスはラオスだ!(怒)」

その後、いろいろ騒動して(お互いに失礼なことを連発して)、 それでも最後は仲良しになってハッピーエンドになる話なのですが・・・

まず東洋人を見て、中国人か日本人か、と思うあたりとてもリアルです。 また、ラオス(東南アジアの国ですね)と聞いてピンと来ないあたりも、リアルです。 一般的なアメリカ人の反応をとても素直にやっているアニメではないかと思い、見入ってしまいました。

日本人からすれば、東アジア、東南アジアにはいろんな国があって、それぞれ言語や文化があるのを 知っているわけですが、そんな日本人でも「欧米」という言葉でアメリカとヨーロッパの国々を ひとくくりにしてしまって、 いろいろと話をすることが多いですよね。 でも、たとえばヨーロッパだけでもいろんな国があり文化があるわけですし、 アメリカとヨーロッパはまるで違うと考えた方がよいでしょう。

「欧米ではこうだ!」と日本人はよくいいます。 研究者でさえも、よく使いますが、これは極めて語弊溢れる表現ではないかと思うわけです。 私も、外国ではこう、という表現を講義などで学生さんにするときには、よーーく調べてから 言いたいものだと思います。 (2009年7月29日)

外国人オーラ
ケンタッキー大学のキャンパスの中を歩いていたら、何人かの学生さんから、 外国語のリストを差し出されて、この中でしゃべれる言語はあるか?と たずねられました。

残念ながら、そのリストの中に日本語がなかったので、「俺、日本人なんだよ。ごめんね。」 と言うと、学生さん達は、「うう、残念!」という様子です。 聞けば、これらの言語がわかる人に インタビューか何をする課題(彼らは何とかプロジェクトと言っていた) のようなものがでているらしく、通りがかりの人にせっせと声をかけて回っている感じでした。

学生さん達はグループになってとても楽しそうにキャンパスを回っていて、見ていて面白そうだったのですが、 しかし、 ただ歩いているだけだったのに立て続けに話しかけられたところをみると、米国人ではなさそうだ、というオーラを 私は出しているのでしょう(アメリカなので人種のせいとはにわかには思われない)。 不思議なモノですね。 (2009年7月20日)

広域避難
たまには、今読んでいる研究雑誌の話題でも・・。

アメリカでは、Evacuationと言って、危険が地域に迫ると、みんなでその街から脱出することがあります。 日本の場合は、せいぜい地元の小学校や公民館に避難したりするくらいですが、 Evacuationの場合は、街ごと、どこかへ逃げます。訳が難しいのですが、広域避難と呼ぶことにしましょう。

どういう場合に広域避難するか・・・ 日本ではハリケーン・カトリーナの時に、ニューオーリンズから事前に多くの人が逃げ出す姿が 紹介されて話題になりましたが、 今読んでいる論文によると、一番多い広域避難の原因は、Wildfire、直訳すれば野火、すなわち山火事なのだそうです。

確かに、時々、大規模な山火事が起きて、消火活動にあたる様子が日本のテレビでも紹介されていますね。 一度山火事になると、村や町を飲み込んで火が燃え進んでいきますから、街ごとどこかへ逃げ出すのも わかる気がします。ちなみに、原因順に並べれば「山火事」、「洪水」、「危険施設の事故」、「鉄道事故」と続いて「ハリケーン」は5番目なのだそうです。

国が変われば災害も変わります。 実際に外国に来てあれこれ調べると、知らなかった!ということがたくさん見つかって、面白いものです。 (2009年7月16日)

田舎大好き
家族でニューヨークへ遊びに行ってきました。

なにはともあれ(?)自由の女神に行ったのですが・・・まず、リバティ島への乗船でセキュリティチェック、 さらに自由の女神の台座にある博物館に入るのにセキュリティチェック・・・ 特に、台座にはいるまでのセキュリティチェックは一時間以上待ちで、小さな子供連れには、非常に厳しいものがありました。 自然史博物館も朝一番で行ったのに、すでに行列が・・・行列して待つのが大の苦手の私には、もういいよ・・という感じでした。

ファーストフード店に入っても、メニューをぼーっと見上げていると、 店の人が次の人の注文をどんどん取っていってしまいますし、 早くレジまで進めとせかされます。

ええい!こっちは子供を抱えとるんじゃい!みてわからんか、●△×○!!(お好きな悪口雑言をお入れ下さい)

ケンタッキーではみんな優しくて、そんな目にあったことは一度もありません。 ニューヨークには大都会としての魅力があるわけですが、 私は、ケンタッキーに戻ってきた時、正直ほっとしました。 もうすでに、ケンタッキーの空気になじみはじめたのかもしれません。 (2009年7月14日)

ネットゼミ
出国前から準備をしていた「ネットゼミ」をしました。

いやあ、久しぶりに日本語で学生さんと雑談・・・じゃなくて、研究についての熱い討論ができ、 とても楽しかったです。

WEBカメラという文明の利器が、安価、かつ簡単に使えるような時代になり、とても便利になりました。 私が大学助手になりたての頃は、海外とのやりとりは、 Eメールが使われはじめた頃で、主力はFAXでした。

いずれ、自動変換などが発達して、言葉の壁も取り払われるような時代が来るのでしょうか。 その結果、いったいどんな世の中になるのか、想像もつかないわけですが、 人類にとって良い方向であることを祈りたいものです。 (2009年7月1日)

サマーキャンプ
こちらは夏休みに入っており、子供向けのイベントや教室があちこちで開かれています。 こういうのをSummer Campと呼びますが、キャンプといっても泊まるものもあれば、家から通うものもあります。

ただ、夏休みが2ヶ月以上もあります。 サマーキャンプは、一週間で$150くらいはかかるものが多く(高い教室はもっと高い)、 毎週、どこかに通わせていたら、軽く十万円以上の出費になってしまいます。 しかし、一日中家にいると、子供もたいくつしてぐずりだしますし、 せっかく渡米しているのですから、なにかアメリカンな体験をさせてやりたいわけです。

そんなわけで、父ちゃん母ちゃんは、ネットや口コミ情報網を駆使して、 レキシントン市がやっているダンス教室(5回で$50)をみつけだしました。

発表会もちゃんとあり、会場にはビデオカメラをもったアメリカのパパ、ママ、おじいちゃん、おばあちゃんがいっぱい。 アメリカの子供たちとダンスを踊る我が子をみて、父ちゃん母ちゃんは勝手に満足。 よい思い出になりました。 (2009年6月23日)

プールデビュー
私が住んでいるアパートの敷地内に、小さなプールがあります。無料で、自由に出入りすることができます。 子供を連れて遊ぶのに持ってこいでして、私も何年かぶりに「プール」というところで泳ぎました。 (海水浴や河原では泳いでいましたが・・・)

家族連ればかりでなく、老若男女、みんな水着姿、あるいは半袖短パンでやってきて、 プールサイドで日光浴したりして楽しんでいます。飽きたら、バスタオルを巻いてそのまま歩いて帰っていきます。 気合いをいれて ガシガシ泳いでいる人は居ません。 泳ぎたくて来ているというよりも、水辺でのんびりするのが目的のようですね。

日本でも、夏になると、公園の噴水広場に子供たちが群がりますが、 子供と水遊びできるくらいのちいさなプールもあるといいかもしれませんね。 (2009年6月18日)

床屋
日本を離れて2ヶ月以上経過し、アメリカの床屋へ初挑戦しました。

店内に入り、案内されて椅子に座ったまではよかったのですが、ここで

「今日はどうなさいますか?」

と聞かれ、はたと困りました。私は愛工大に来て9年間、 いつもいつも学内に入っている床屋さんのお世話になってきました。なので 髪型をどうするのか?などという会話を交わすのが本当に久しぶりなのです。

なんと言ったらよいかわからず、弱った小池が苦し紛れに言ったのが

「Haircut please」(散髪して下さい)

床屋に来ていて、散髪して下さいと言っている私もかなりの間抜け野郎なのですが、 (ここでせめて「Haircut only」といえば、シャンプーやひげ剃りはなしでお願いします、という意味になり、 格好がついた)床屋さんはにっこり笑って

「Medium?」(中くらいでいいかな?)

と聞いてくれたので、イエスイエスとなり、あとはちゃんと切ってくれました。 最後に料金とチップを払って終了です。ちなみにチップ込みで$15でした。 (2009年6月16日)

優秀教育賞
Great Teacher Award 訳せば優秀教育賞でいいのかな?ケンタッキー大学の掲示板に、 優秀教育賞をもらった教授が写真入りで紹介されていました。

学生さんからとても講義がわかりやすいとされている教授にくれる賞だそうで、 選ばれると2500ドル(だいたい25〜6万円くらい)の賞金がもらえるそうです。 すでに50年以上前から行われている制度のようです。

しかし、厳しく一生懸命教育する先生ほど、長い目でみればいい先生だし、簡単に単位をくれる 先生は学生からの人気はあるかもしれませんが、教育者としてはいかがなものか? という評がつくこともあるでしょう。賞金(特別ボーナス)まででるとなると それなりの仕組み・ルールがあるのでは、と思い、私の指導教授に 「熱心な先生ほど嫌われたりしないの?」と聞いてみました。返ってきた答えは

「学生からの投票だけで決まります」

聞くと、大学全体の優秀教育賞だけでなく、学部、学科といろんな単位で教育賞が設定されており、 さらには、「教育」以外にも大学に貢献した教授に対する賞がいろいろと設けられているそうです。 それでもって、年に一回、授業評価のアンケートも、この賞の投票とは別に行われるそうです。 (一度受賞したら向こう何年間かは選考対象から外れる等の細かな内規はあるようです。また、常勤 以外の先生も、ある程度の範囲で、投票の対象になっているようです。)

これだけ「評価」にさらされたらアメリカの教授も大変だよなあ、と思ってしまいますが、 それだけ学生の投票内容を信頼しているのでしょう。 こんなところにも「教授」と「学生」が対等につきあってる姿が伺えますね。 (2009年6月4日)

路上試験
無事、路上試験に合格し、ケンタッキー州の運転免許を取得しました。ほっと一息です。

日本人は、時々、路上試験で不合格になります。最大の原因は、試験官の英語がよくわからないからです。 以下の用語、ぱっと言われてわかりますか?

1.Turn about
2.Parallel Parking
3.Hill down


正解は
1.いったん停車し、脇道にバックして入ってから来た道を戻っていきます。Uターンせずに方向転換するときの方法ですね。
2.縦列駐車のこと
3.下り坂で駐車するときに、車が動き出してしまわないように用心して、ハンドルを右に曲げておくこと。(左に曲げておくと 下りながら中央に車が動いていってしまい危ないが、右に曲げておけば路肩にあたってうまくすれば自然に停まる)

現地の日本人の間で、こういう運転用語や試験時の注意事項を先人たちがメモ書きしておいてくれた 「傾向と対策」が出回っておりまして、 これを英文のドライビングマニュアルとあわせて頭にたたき込んでおいたので、なんとかなりました。

もう一つ、試験官の言葉を全部オウム返しすることも重要です。

「Turn Left」(左に曲がって)
「イエッサー!!ターン、レフト!!」
「Go Straight」(まっすぐね)
「イエッサー!!ゴー、ストレート!!」


とひたすら復唱、復唱です。私の場合、それに加えて指差確認までしていたので、 試験官も、なんだこいつは、と内心思っていたに違いないのですが、 これをやると案外リズム良く運転が進みます。

ということで、路上試験の内容は決して難しいものではないのですが、 なにせ英語が・・・それでも一発でパスすることができて、正直、うれしかったです。 (2009年6月3日)

名前の呼ばれ方
我々日本人が、外国の方の名前をなかなか正確に発音できないように、 アメリカの人もまた日本人の名前を呼ぶのは難しいようです。 私の苗字のKOIKEも欧米の方にはとても発音しにくいらしく、”コイキ”という感じで 呼ばれることが多いです。

娘がアメリカの地元の小学校に通っていますが、 子供たちにもやっぱりKOIKEは発音しにくいらしく、ついたニックネームが

クリケット(Cricket)ちゃん

どうしてKOIKEがCricketになるのかよくわからないのですが、 音が似ているらしいのです。 クリケットには、スポーツのクリケットのほかに「コオロギ」の意味もあるそうで、 どちらの意味で呼ばれているのかわからないのですが、 とりあえずかわいらしい呼び名なのでいいかと思っています。 (2009年6月1日)

多言語での運転免許テスト
ケンタッキー州の運転免許をとるためのペーパーテストをうけてきまして、とりあえず受かりました。 次は路上テストです。どうなることやら。

ケンタッキー州では、日本語のテスト用紙があります。ドライバーマニュアルに一度目を通しておき、 あとは常識的に回答を選んで行けば大丈夫な内容です。ちょっとコピーが見にくいのが困りましたが・・・

実は、英語以外の言語でのテストをやめる方針が明らかにされていました。現在、なんと22の言語(!)での試験を行っている そうなのですが、お金がかかって仕方ないのでやめたい、ということです。 それで、あわてて私も取りに行ったわけなのですが、 昨日のTVニュースでは、やっぱり多言語でのテストを継続するとのこと。 「これからもケンタッキー州は多くの人のビジネスでの来訪を歓迎します!!」という偉い人のコメント付きでした。

州が財政難で、手間のかかることを少しでも減らしたいのが本音のようなのですが、 多言語でのテストをやめたりして他州にビジネス客に出て行かれても困る、という事情のようです。 日本でも、外国人の方が増えて、運転免許に限らず、多言語対応がせまられる場面が増えてくると思うのですが、 「お金」という避けて通れない問題がでてくるでしょう。日本がどのように対応すべきか、 考えさせられるニュースでした。 (2009年5月29日)

韓国食材店
レキシントンには韓国食材店があります。韓国の食材が中心ですが、 あわせて日本の食材もかなり店内にならんでおり、 レキシントン在住の日本人にも人気の店です。

ここのキムチが絶品でして、常に我が家の食卓にあがっています。 まさにくせになるおいしさです。 また、韓国からの焼き肉のたれもおいしいです。

アメリカに来て、韓国のタレとキムチで焼き肉を楽しんでいるのも不思議といえば不思議な感じですが、 これも、いろんな国の食材をあれこれ楽しめる多国籍文化のアメリカならでは、というところです。 (2009年5月28日)

続・インフルエンザ
日本では、いよいよインフルエンザの騒ぎが広がっているようで、 皆様からいただくメールにもその話題がとても多いので、改めてこちらの現状を・・・

まず、誰もマスクをしていません。習慣の違いもあるかもしれませんが、 マスクよりも手洗い等のほうが予防効果が高いとされています。

ケンタッキーの地元新聞でもインフルエンザなどほとんど扱っていません。 トップ記事がダービーの結果だったりするくらいです (ケンタッキーは競走馬のメッカなので・・)。 テレビのニュースでも、メキシコで大発生した時はともかく、それ以降はあまりお目にかかりません。

一方で、ケンタッキー大学のホームページに、いちおう注意を促す掲示が出ています。 学生はみな夏休みになってしまったので、キャンパス内は静かなものです。 アメリカで行われる国際学会も、中止という措置はされていないことが多いようです。

ネットで日本のニュースをみていますが、どうしてこうなるのかと、不思議でたまりません。 医学的に見て、日本が過剰反応なのか米国がのんびりしすぎなのかは私にはわかりませんが、 少なくとも、インフルエンザの患者のでた学校に取材陣が押し寄せる日本の状態はおかしい気がします。 海外支局のある大手マスメディアでさえ、そうなってしまうのはどうしてでしょうか?? アメリカの様子が伝わっていないはずはないのですが・・・・・

ともあれ、我々家族はみな、元気にしています。 外国に住んでいる以上、 インフルエンザよりもよくわからない病気になる可能性だってあるわけなので、 冷静に、かつ油断をしないように過ごしていきたいと思います。 (2009年5月21日)

テロリズムの研究
毎日大学へやってきて研究室でいろんな論文を黙々と読む生活を続けております。 一応、災害時対応が私の研究テーマなのでそれに関連する論文が多いのですが、 非常に独特と思うのは、災害対応のなかにテロが含まれていることです。

日本で行われた国際学会で、「このダムがテロリストに狙われたらどのように対応する計画か?」 という質問を外国の方がしているのを聞いて驚いた覚えがあるのですが、こちらの論文集をみると 「テロリストによる攻撃を受けた場合の都市の道路のリスク」とか 「テロが起きた時に大都市の住民を如何に退避させるか」という論文がいくつもあり、 テロ対応の議論が非常に熱心に行われていることを改めて知りました。 テロリズムについての論文集も、同時多発テロ以前から発刊されています。

もちろん、テロなど起こらないような社会を目指すことが大切なのですが、 それでも起こったときの対応を考えるのはとても大切なことだと思いますし、当然ながら 他の災害対応にも応用できます。 せいぜい勉強しなくては・・と思う毎日です。 (2009年5月19日)

ハーブフェスティバル
週末、家族で、隣町(といっても、距離にして48kmくらい)で行われたハーブフェスティバルへ 行ってきました。

地元のハーブ農家(愛好家?)の集まりが主催している様子で、まあ、日本で時々行われている地域の 農業祭のような感じでした。ハーブの苗の即売やハーブを使った商品の販売、また、 ケンタッキー大学の農学部もしっかりと展示を出していました。(こちらの大学の地元密着度には、 本当に感心します) ハーブ料理があったり、会場も芝生の緑がとてもきれいな公園でして、 家族でのんびりと楽しんできました。カントリーミュージックの生演奏があったりするのも アメリカらしい雰囲気でした。

追記:週末、遊んできました・・ということばかり書いておりますが、勉強も一応はしておりますので・・・念のため。 (2009年5月18日)

事故渋滞
週末、家族で遊びに行った帰り道の州間高速道路の反対車線で事故が発生していました。 車が2台ほど燃えたらしく、車線がふさがっていて、その後ろは延々と事故渋滞が続いていました。

州と州を結ぶ高規格道路なので、インターチェンジ以外では降りられません。 そのインターチェンジも、日本のように数キロ〜十数キロおきにあったりしませんから、 いったん事故渋滞にはまって缶詰になってしまうと大変そうです。 ドライバーたちも車から降りて、犬の散歩をさせていたり、記念写真をとっていたり(^_^;)と 完全に開き直って、事故処理が終わるのを待っています。

渋滞の最後尾をみると・・なんと路側帯を逆走していく車の列ができています。 事故渋滞を察して、みんなで思い思いにUターンして引き返しているわけです。 また、中央分離帯の合間を抜けて、こちらの車線へ抜け出して 引き返していく車もたくさんあります。 それが、交通整理に基づいて行われている様子ではないのに驚きました。 日本の高速道路では、いくら事故渋滞とは言え、間違っても勝手に逆走はしないですよね。

こちらでは、事故渋滞なのだから引き返してもぶつからなければいい、というノリなのでしょうか。 よくみると、中央分離帯のところどころに反対車線へ抜け出すための隙間というか、 車輪のわだちがついているところがあります。 (さすがに、道を間違えた時に中央分離帯の隙間から反対車線にでるのは いけないこととされているようです。) 事故渋滞時のドライバーの対応にもこういう違いがあるのだと、感じたできごとでした。 (2009年5月11日)

食材店
私の住んでいるレキシントンには日本食材店があります。品揃えは、 日本の田舎にある小さな小さなスーパーか雑貨屋という感じですが、 レトルト食材はもちろんのこと、駄菓子や、曜日によっては刺身も入荷します。 やはり、長年、慣れ親しんだ味からは抜け出せませんので、こういうお店があるのは とてもありがたいことです。

また、店内には掲示板があって、日本人同士のいろいろな情報交換の場になっています。 わたしも掲示を見て連絡をとり、4月末に帰国される方から、掃除機やテーブルや生活雑貨等々を ひとまとめで安く譲っていただくことができました。全部買いそろえるのは、お金もかかりますし、 とても面倒なので、とても助かりました。

日本だけでなく、韓国食材店、中国食材店など、それぞれの国のものを そろえた食材店がいくつか市内にあります。 アメリカの食文化は世界中に浸透していますし (マック、フライドチキンなど日本でもおなじみですね)、 逆に、日本の食文化もアメリカ社会に溶け込んでいます (豆腐、しょうゆ、インスタントラーメン、リンゴ(Fuji)等々は地元スーパーでも売っている。 納豆はさすがにない)。 母国の食材店がないと生きていけないことはないわけですが、こういうお店には、 なにか母国を離れて暮らす人達の いろいろな思いがあるような、そんな気分にさせられる不思議な空間です。 (2009年5月7日)

レキシントンのバス
通勤にはバスを使っています。Lextranというレキシントン市とその周辺の合弁交通局のようなところが運営しています。

一回乗ると、$1ですから、日本円で100円くらい。回数券は、20回分で$15。それ以外にも 高齢者割引、学生割引その他いろいろな割引があるので、 おそらく採算はとれていないと思われます。実質的に社会福祉が目的のバスと考えてよさそうです。

幹線ルートでも30分に1本くらいしか走っていません。さらに、 バス停には時刻表がありません。その代わり主要なバス停の通過時間の記されたルートマップを トランジットセンターでもらい、バスが着きそうな時間の見当をつけて待つ、という感じです。 もっというと、バス停に名前がありません。ナンバーもついていません。したがって車内放送もありません。 運転手さんによっては、大声で「次は○×だぞ!」と言ってくれますが、そうでない人も多いです。 したがって、用事があって初めてそのルートに乗るときは「○×まで行きたい」と乗車時に運転手さんに 言っておく必要があります。そうすれば、目的の施設のそばのバス停に着いたら教えてくれます。

日本のように、 すべてのバス停に名前があり車内放送もあり分刻みの時刻表が掲示してある国からすると、 これで不便ではないのだろうか、 と思ってしまいます。実際に、この町に長く住んでいる方でも、バスに乗ったことがないという人も多いようです。

ところが、だんだん慣れてくると、このくらいに家を出ればちょうどバスが来る、とわかるようになってきます。 そうなると不思議なもので、別に時刻表なんてバス停ごとになくてもいいや、と思えてきます。 バスが数分遅れるのはありうること、というか当然のことのなので、分刻みの時刻表などあまり 意味がないのでは・・・という気分にもなってきます。

アメリカでも大都市では、また事情が違うと思いますが・・・バスの運営方法にもいろいろあるものだと、 考えさせられながら、バスに揺られている毎日です。 (2009年5月5日)

ATM
お金をおろそうと思い、ATMに初挑戦しようと近所の銀行の支店へ行きました。

ところが、建物内にATMがなく、ドライブスルーという形で 外にATMがあり、そこでおろせと言われました。歩いて行ったところ、進入してきた車にはねられそうになっていまい、 早々に退散。当然ながら画面は英語(もしくはスペイン語)なので、初回は 画面をひとつひとつ読みながらゆっくり操作したいわけですが、これではなんともなりません。

弱ったなあと思いながら銀行のホームページを見ていたところ、やはり私のような者(?)もいるらしく、 「ドライブスルー」、「建物内」、「歩いて行くところ」と、どのような場所にそのATMがあるのか、ちゃんと一覧表示されて います。

ということで、「歩いて行くところ」に行って、安心してゆっくり操作しながら、無事、お金をおろすことができました。 やれやれ、と思っていたところ、すすっと見知らぬ男性が寄ってきて、 「1ドル恵んでくれないか」 といきなり言われます。これは小心者日本人の私にとってはかなり恐怖でして、 逃げるようにそのATMから立ち去りました。

外国生活では、お金をおろすというだけでも、いろいろあるものです。 (2009年5月4日)

新型インフルエンザ
インフルエンザは大丈夫か?という心配のメールをいくつかいただきました。

ケンタッキーは平穏そのもので、マスクをしている人など全く居ません。むしろ海の向こうの日本で 検疫を強化しているとか、渡航を取りやめる人が増えているとか、 そういうニュースを読んで逆に驚いているくらいです。情報って不思議ですね。

ただ、娘の通っている小学校から、インフルエンザ対策についてのプリントが配布されました。 内容は、ケンタッキー州では今のところ患者は発生していないが、相談ホットラインを開設したから、 何かあれば電話してほしい。急な発熱があれば、すぐ医者へ行くように。うがいや手洗いをするように。 豚肉を食べても感染しないですよ・・・というようなものです。

ともあれ、今のところ、家族みんな元気ですし、地域や大学で大騒ぎになっているということは、特にありません。 米国への渡航も現段階では、とりあえず大丈夫だと思いますよ。 (2009年4月30日)

日本からの荷物
アメリカには日本人向けの店や通信販売などもありますので、お金(と時間と手間)さえかければ、 たいがいのものは現地で買いそろえることが できるわけですが、私は、お金がございません。後から送ってもらうにも、 送料がかかります。重さによりますが、段ボール一個で 何千円もしますから、買った方がましということになります。

ということで、お金を切り詰めたい我々一家は、日本からこちらへ来るときに スーツケースに何を詰めて持って行こうか、大いに悩みました。厳選したつもりでしたが、 いらないと思われるものがいくつかでてきました。

1.スーツ:
3着持ってきましたが、全く着る機会がありません。もっと普段着を持ってくるべきでした。
2.カメラの外付けストロボ、望遠レンズ:
内蔵ストロボでほとんど事足ります。夜間の外出や撮影などしませんので、 外付けのストロボを使わねばならないような機会がほとんどありません。子供の運動会や発表会がないので、 望遠レンズも今のところ出番なしです。
3.英会話の本等:
すでに本棚の飾りとなりつつあり・・・。電子辞書で十分です。ただし、アメリカ生活のノウハウ等の コラムがある場合は、とても役に立ちます。

逆に、もってくるべきだったと後悔しているもの。たくさんありますが・・・

1.子供のおもちゃ:
こちらで買ってもいいのですが、友達のいない 異国の地に来て、子供も煮詰まりますので、気に入っている玩具等を もっともっとスーツケースの隙間に 詰め込んで持ってきてあげればよかったと思いました。
2.文房具:
日本で売られているモノは安くて品も良いような気がします。また、アメリカではレターサイズと言われる規格の用紙が 主流で、A4用紙は入手が困難です。

ほかにも持ってきて大正解だと思うモノ、持ってこなくて正解だと思うモノ、いろいろあります。 少しずつ書き留めておきたいと思います。今日はこの辺で・・・ (2009年4月29日)

学生見学会
先日、学生さんの見学会に同行させていただく機会がありました。行った先は郊外にあるプレストレスのコンクリート工場です。
噂には聞いていましたが、こちらの学生は本当によく質問をします。答えている会社の職員の方も、とても気さくに 質問に答えています。幼い頃からディスカッションの機会が多いからだ、という話も聞きますが、 様子をみていると、これはアメリカという国の「雰囲気」ではないかという気もしてきます。

たとえば、私が4歳の息子を連れて出かけると、通りがかった人が息子に「Hi!」と声を掛けてくれます。 息子は大喜びで「ナイスチュミ〜チュ〜」と言うので、「まあ、なんてキュートな子なんでしょう!!」 とますます明るく接してくれます。こうした会話を楽しむ社会の延長に、学生さん達のなんでも質問する態度があるのでしょう。

もちろん、日本のように、きちんとかしこまって礼儀正しく接するのも大切なことですし、 ひとつの文化・しきたりだと思います。それでも、疑問に思ったことやなんとなく思いついたことを気軽に質問し、 また、それに気安く答えるような雰囲気は、特に、学生見学会のような場では、必要なのではないかと思った次第です。

追記: 学生さんが私にも声を掛けてきてくれましたが、 何を聞かれているのかよくわからず、教授の先生がフォローしてくれました。とほほ。 (2009年4月28日)



ケンタッキー鉄道博物館
さて、私は家族連れで赴任しましたので、休日(特に雨の日)、どうやってすごそうか、というのが課題です。

そこで昨日は、ケンタッキー鉄道博物館なるところへ家族で行ってきました。レキシントンから車で一時間半くらいの NewHevenという小さな街にあります。

とても感じの良い初老の車掌さんが迎えてくれます。(行ったことないけど)たぶん、イギリスの保存鉄道に似たような ノリで運営されているらしく、古い客車(窓から雨がもれてくる)を古いディーゼルカーがひいて、 片道45分くらいかけてBostonという街まで往復します。

お客さんは家族連れや老夫婦などが20人ほど。車掌さんが外の解説を多少してくれる以外は、特にアトラクションがあるわけでなく、 皆さんのんびりと外を眺めています。日本にしばらくいたことがある、という若いお母さんが話しかけてくれたりもしました。

アメリカというと、何でも派手にやるようなイメージがありますが(そんなことない?)、 こういう素朴な博物館もあるんですね。子供も大喜びで、楽しい日曜日になりました。 (2009年4月20日)


到着しました
ご無沙汰をしております。出発前には皆様からたくさんの激励の言葉をいただき 感謝しております。

4月1日に家族四人(と、スーツケース5個)で、アメリカのケンタッキー州レキシントンに無事到着しました。 到着して、最初の10日間は、やらなくてはならないことがたくさんあって、 しかも英語なので(当然ですが)、頭がくらくらしていましたが、ようやく、ようやく、落ち着いてきました。

出発前は、準備万端のつもりでしたが、いくつかの反省事項が・・・
まず、携帯電話は、日本で手に入れていくべきでした。 わたしは現地に着いてから買おうとしたため、 新生活立ち上げのための、電気とか車とか口座とかの手続きにおいて、アパートの管理オフィスを 連絡先にさせていただくことに・・・

次に、困ったのが車です。アメリカにもいろいろな都市があると思いますが、 レキシントンのような地方都市はおそるべき車社会で、 バスは幹線でも30分に一本、あるかないかです。 私も、銀行にタクシーで行ったはいいのですが、帰りの足に困り、 親切な日本人の方にホテルまで送っていただくことに・・・ (本当にありがとうございます!!ご親切、身にしみました!) 次の日にあきらめてレンタカーを借りましたが、なんだかんだで結構なレンタカー代が飛んでしまい、 こんなことなら、ネットでもなんでも使って、車をできるだけ早い時期に使えるように しておくべきでした。

というわけで、多くの方にお世話になりながら、一日一日、ひとつずつ、こなしています。 このページも、遅ればせながら更新をはじめますので、是非、読んだ感想など メールでいただければ幸いです。(2009年4月15日)

愛知工業大学 都市環境学科 土木工学専攻
郵便番号470-0392 豊田市八草町八千草1247
Tel:0565-48-8121(代表) 内線2523
Fax:0565-48-0030

"[email protected]"

愛知工業大学 土木工学専攻 小池の研究室へ

ケンタッキー大学の土木棟前にあるモニュメント
運営方針
このページは愛知工業大学より米国ケンタッキー大学へ在外研修のために派遣されている小池則満が、 私を知る方や学生さん達へ近況報告を兼ねた読み物(?)として運営していたものです。

以下のことをまもっていきます。

・親しい方の名前や所在等が特定されるような書き方は絶対にいたしません。
・他の人から又聞きしたことをそのまま載せたりぜず、自ら見たり聞いたり考えたことを書きます。
・腹いせに不平不満をここに書くようなことは絶対にしません。
・内容は十分に吟味しているつもりですが、もしおかしなことを書いているようでしたら、小池までメールを下さい。 検討の上、改めます。

以下の注意事項にご留意下さい。
・リンクは自由にはっていただいて結構です。印刷もご自由に。ただし、無断転載はおやめ下さい。
・間違っていることを書いている可能性があります。渡航の参考にされるかたは、必ずご自身で最新情報を確認して下さい。半年後に渡航された方と私とでは、同じビザなのに書類が違うということがありました。 くれぐれもご注意を。