心臓が二つある女 5





さて次の日、早速エコーの予約を取りました
エコーは画像診断センターに行くので、まったくクリニックとは関係ないところです
と言うわけで、自分で予約を取らなければなりません
検査のオーダーは直接ドクターから検査センターに行っているので、わたしは予約を取り
予約日にクリニックでもらった予約票を持っていくだけ
検査結果はまた画像診断センターから直接ファミリードクターに送られるので、
わたしは何ももらってくる必要はありません

さてここでちょっとした誤解がありました
わたしは週数の数え方を、「O週目」だと思っていたのですが、本当は満で数えるのが正解
それが最初はわからず、エコーも1週間早く行ってしまいました
エコーには7—8週に行かないと、心臓の動きがはっきり分からないと言われていましたが
わたしは「7週目」を「7週」と勘違いしており、
自分では指示通り「7週」に行ったつもりが実はそれは「6週」だったのでした

エコーの予約を取ったあとは、結果はエコーの検査日から2日後には
ファミリードクターの元へ届くと言うので、3日程あとにファミリードクターの予約を取る
行きたい日で空いている時間は、わたしはまだ仕事をしている時間
とりあえず予約を取り、暇そうな日なのでとあとから上司に早退の許可をもらうことに成功
ふ〜っ。ここら辺はちょっとファミリードクターの診察日とかみ合わないと困るとこですね
正常な妊娠の場合は「自分の」命に関わるとか言う緊急性がないけれども、異常があればいち早く知りたい
でもやはり、妊娠の最初から最後まで、記録を持っていてもらえるのは頼もしいものです

さて、エコー当日。検査の予約票には「水をたくさん飲んでくること」と書いてあります
これは膀胱におしっこを貯めるため。
検査は仕事が終わってからだったので、仕事中にもなるべく水を飲み
仕事が終わってからもコップに2杯ほど水をぐっと飲みました
検査センターは仕事場から少し遠いですが、バスで一本なので比較的便利。
場所によってはバスを乗り換えなければならないので、バスの待ち時間だけで相当時間がかかります
そうすると、パンパンの膀胱を抱えたままだと、かなり大変
車社会と呼ばれるだけあって、車を持っていることを前提になっているのか、
いろいろな施設が離れ離れになっていても、あまり文句が来ないのでしょうか
車のないウチのような家族には、バスは移動のライフラインです
だから去年みたいに大規模ストが起こると、とっても困るのですよ

さて検査センターに着き、受付にケアカード
(日本で言う保険証のようなものだが、冊子ではなくクレジットカードのようなプラスチックのカード)
と検査予約票を提出し、名前が呼ばれるまで待つ
名前が呼ばれると住所と電話番号の確認。その後妊娠週数(実は間違って覚えていたヤツ)
その前にクリニックに行ったとき、実は予定日を聞いていなかった!
でもここでは聞かれず、よかった
水を飲んできたか聞かれて、飲んできましたと答える
その後ロビーの椅子に戻り、またしばらく待ちました

検査技師さんに名前を呼ばれ、検査室に通されました
今度も女性。婦人科系は、女性の検査技師と決まっているのか、それとも女性の検査技師自体が多いのか
検査室に通されてからまた、名前の確認、前回の生理の開始日などを聞かれる
で、7週に来ていたつもりが、実は6週だったことが判明
ま、なんとかなるだろ...かな?

と思いつつ、お腹を出して検査に臨む
ゼリーを塗られて、下腹部をプローブでぐいぐい押される
結構押すなぁ。大丈夫かなぁ
と思っていると画面がぐるぐる動いて、袋状のものが見えてきた
そしてもっと細かく見ていくと...心臓だ!心臓がちゅくちゅく動いている!

ここで分かった事がいくつかある
わたしは確実に妊娠していること(病気でも、妊娠検査薬に引っかかるホルモンが出ることがあるので)、
胎児(この時点では胎芽)は生きていて、心臓が動いていること、
単体妊娠であること(ええっと、胎児は一人ということです。二人以上なら、多胎)、
妊娠は子宮の中で起こっているということ(子宮の中に赤ちゃんがいないと、子宮外妊娠となります)、
などです

おおー、人のエコーは何度か見たけど、やっぱり自分のはいいなぁ〜
赤ちゃん、ちゃんとお腹の中で育っているんだなぁ〜
心臓までちゃんと出来ててなぁ〜〜〜
わたしの子供だ〜
ジェームスも見られるとよかったのにな〜

なんて思っているうちに検査は終了
ゼリーを拭き取り服を直して、膀胱に貯めたものを出しにトイレへ
そしてまた検査室に戻って、プリントアウトを見に行った検査技師さんを待つ
待つ
待つ...
待つ...

なかなか帰ってこない
超音波の部屋は薄暗く、ちょっと一人で待っているのは寂しい
やっぱり来なくて、わたしがまだいるのが分かるように、部屋のドアを少し大きめに明けて待つ
それからしばらく待って、ようやく戻ってきたけどなんだか表情がさえない

技師さん「う〜ん、この週数だからこのくらいよ。ドクターもそう言ってたし」
なす「なにか?」
技師 「ちょっと心拍数が少ないみたいだけど、まぁ、こんなものでしょう」

なんかちょっと心配だけど、とりあえず赤ちゃんは生きているようなのでお礼を言って岐路に着いた

さーて、次はファミリードクターに報告だ!


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