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『共犯新聞』NEW YORK地図音楽映画歴史】★Book


1999年度前半のNHK連続テレビ小説「すずらん」の脚本家
脚本家の言葉
  BY.清水有生
プロフィール
 北海道にこのドラマの舞台となる明日萌(あしもい)駅の
モデルになった駅がある。
 今では、駅舎もない無人駅で、めったに汽車も停まらないが、
その昔は人々で賑わい活気にあふれた駅だった。
 昭和初期には、ホームが7つもあり、
駅前には、旅館や商店が並び、芝居小屋まであった。
 今では、人気の無い、野原のような駅前。
そこには、まぎれもなく、繁栄を謳歌した町があった。
そして、その町の文化、経済の拠点が駅だった。
 やがて、炭坑が次々と閉山すると町も消え、
駅も無人駅となってしまう。
 今、その無人駅に立つと当時の蒸気機関車や馬車の音、
町の喧騒や人々の笑い声が聞こえてくるようだ。
 わずか80年ほどの間に起きた様々な出来事。
 きっと、この駅は、その一部始終を見届けていたに違いない。
 そして、さまざまな人間模様やドラマを見続けていたはずだ。
 この駅に出会ったことで、
ドラマ「すずらん」のコンセプトは揺るぎ無いものになった。
名も無き人の人生にも素晴らしいドラマがある・・・。
 名声を得ることもなく、
ただ街の片隅でひっそりと生きている一人の女性にも
語り尽くせないほどのドラマがある。
 駅が繁栄と衰退を繰り返したように
彼女の人生も幸福と不幸の繰り返しの中で波瀾に満ちた一生であった。
 主人公、常盤萌の生涯は、駅とともに生き、駅とともに終わる。
 そんな壮大な物語のヒントをあの小さな駅が私に与えてくれた。
清水 有生
(しみず ゆうき 45歳)

 1954年、東京生まれ。

 板橋区の福祉事務所にケースワーカーとして、10年勤務。
 1987年、TBS「第一回シナリオ大賞」に
「正しい御家族」が入選。同番組で、脚本家デビューを果たす。
 1997年、大好評を得た、NHK連続テレビ小説「あぐり」で、
第6回橋田賞を受賞。

 TBSドラマ「家裁の人」「冠婚葬祭部長」
 CX「動く壁」
 NHKドラマ新銀河「名古屋お金物語」
 最近は、ニュース番組にコメンテーターとして、ゲスト主役。
テレビ・ドラマ★『清水有生・原作&脚本「42歳の修学旅行」』
2001,10,20    
Text by.久保AB-ST元宏


今夜、午後7時半から、NHKで清水有生が脚本を書いた単発のドラマが放送された。
脚本家の清水さんは、
私の住む北海道・沼田町をモデルにした
NHK連続テレビ小説『すずらん』の脚本家でもある。

エキストラなどで沼田町民は協力し、清水氏との付き合いも”それなり”にある。

今夜のドラマも、清水氏お得意の人情ドラマ。
元・東京都板橋区役所のケースワーカーを10年経験している清水氏は、
人間を描くのが上手で、登場人物の役割が立っている。

今夜のストーリーは、
中学生の修学旅行の時に他校生とのケンカで旅行が中止になった現在42歳の男たちが、
修学旅行を再現する・・・・・・、が、そこに色んな騒動が重なり・・・・・・。

我が沼田町がらみのネタも、少々ある。
例えば、
①田中”青大将”邦衛が演じる、当時の担任教師の名前が、「久保」。
・・・・・・これは、偶然。
②主人公のリストラ報告担当のエリート・サラリーマンが、
実は本人もリストラの対象になっていたのだが、
彼のリストラ後の任地が、北海道のカズノコ工場。
これ、沼田町にもあります。

主役は、時任三郎。
はまり役だ。
しかし。うーん。
この設定に時任じゃあ、あのドラマ『ふぞろいの林檎たち』を連想してしまうぞ。

でも。ま、いっか。

登場人物それぞれの人生が上手にストーリーにからんでいるのは、清水氏の独壇場だ。
これは、ある意味、名人芸。おみごと。

42歳、日本人の平均寿命の半分って意味なのかなぁ?

久保元宏のコメント
 ありがたい、お言葉じゃないか。
このセリフは、全町民に聞いてもらいたい。
恵比島駅も、無駄死にじゃなかった。
 ちょっと、時代錯誤っぽい、
古いタイプの作家かもしれない。
しかし、「あぐり」で見せた、骨太さを、信じたい。

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