脚本家の言葉 BY.清水有生 | プロフィール | ||||
北海道にこのドラマの舞台となる明日萌(あしもい)駅の モデルになった駅がある。 今では、駅舎もない無人駅で、めったに汽車も停まらないが、 その昔は人々で賑わい活気にあふれた駅だった。 昭和初期には、ホームが7つもあり、 駅前には、旅館や商店が並び、芝居小屋まであった。 今では、人気の無い、野原のような駅前。 そこには、まぎれもなく、繁栄を謳歌した町があった。 そして、その町の文化、経済の拠点が駅だった。 やがて、炭坑が次々と閉山すると町も消え、 駅も無人駅となってしまう。 今、その無人駅に立つと当時の蒸気機関車や馬車の音、 町の喧騒や人々の笑い声が聞こえてくるようだ。 わずか80年ほどの間に起きた様々な出来事。 きっと、この駅は、その一部始終を見届けていたに違いない。 そして、さまざまな人間模様やドラマを見続けていたはずだ。 この駅に出会ったことで、 ドラマ「すずらん」のコンセプトは揺るぎ無いものになった。
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清水 有生 (しみず ゆうき 45歳) 1954年、東京生まれ。 板橋区の福祉事務所にケースワーカーとして、10年勤務。 1987年、TBS「第一回シナリオ大賞」に 「正しい御家族」が入選。同番組で、脚本家デビューを果たす。 1997年、大好評を得た、NHK連続テレビ小説「あぐり」で、 第6回橋田賞を受賞。 TBSドラマ「家裁の人」「冠婚葬祭部長」 CX「動く壁」 NHKドラマ新銀河「名古屋お金物語」 最近は、ニュース番組にコメンテーターとして、ゲスト主役。
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久保元宏のコメント |
ありがたい、お言葉じゃないか。 このセリフは、全町民に聞いてもらいたい。 恵比島駅も、無駄死にじゃなかった。 ちょっと、時代錯誤っぽい、 古いタイプの作家かもしれない。 しかし、「あぐり」で見せた、骨太さを、信じたい。 |