Present by 久保AB−ST元宏♪『共犯新聞』
小説
スティル・ライフ

Still Life
By 池澤 夏樹

初出誌 「中央公論」1987年10月号

批評
日付
メディア
論者
1988年03月28日(日)朝日新聞三浦雅士 「スティル・ライフ」は静物画の意。
しかし、ここでは文字どうり「静かな生活」という意もこめられている。
「逃亡者の目で見ると、世界はまるで違って見える」と、
語り手は述べている。
公金横領はこの世から離れるための手段のようなものだ。
1988年04月10日(日)日本経済新聞川西政明 リアリズムの散文世界と幻想的で感覚的な詩世界とが、
一つの整序ある世界として表現されている。


「スティル・ライフ」は、テレビ・ドラマ化されている。
放送日1989年4月29日(土)
HBC
脚本筒井ともみ
演出堀川とんこう
出演★南果歩失恋したあげく、左手がうごかなくなった若きピアニストのマリ。
★田中裕子マリが失意のどん底にあるとき、知り合い、同居するようになる霧子。


久保元宏は、こう読んだ。
とにかく、芥川賞だし、有名な作家の、二世・小説家だし。
純粋培養されているイメージ。
詩人あがりの文体にも、その雰囲気がヨクでている。
作中に、「その頃のぼくは妙な話をすべて歓迎するような心境にあった。
自分と周囲の間にある一定の距離があって、
何をするにせよぼくはその距離のところから周囲の世界を観察している。」
・・・と、いう文がある。
バブル&宮崎勤事件の、直前の文として、今読むと、感慨深い。

南果歩が、のちに、芥川作家と、結婚したがったのも、オモシロイ。
                      1999年1月16日(土)