■ニューヨークは映画の街⇒Cinema of NEWYORK
Mia Farrow
ミア・ファローというリゾーム女優
「ローズマリーの赤ちゃん」の世界★映画からの画像を参照しながらデティールに神を見つける。
映画『ローズマリーの赤ちゃん』の舞台はニューヨークのダコタ・アパート。⇒アッパー・ウエスト・サイド
ウディ・アレン★メルマで展開したミアの前夫。ディープだが、初心者にも分かり易く整理されている。
『ミア・ファロー自伝 去りゆくものたち 〜 What Falls Away』 ミア・ファロー著 / 渡辺葉訳 / 集英社 / 2,500円
自伝を読む限りにおいて本当に地味で真面目で真摯である。
しかし、結婚相手が派手。一人目がフランク・シナトラ、それからアンドレ・プレヴィン、そしてウッディ・アレン。もちろん、ウッディ・アレンとは長年に渡る同棲だけど。
で、シナトラやプレヴィンとのエピソードも興味深いが、なんといってもアレンによる性犯罪の赤裸々な記録が書かれているのがショッキングである。
「告発本か?」と思わせるほど。
たとえば、映画『夫たち、妻たち』(原題:Husbands And Wives、92年作)の時期、
ウディとミアの関係は養女スン・イとウディのセクシャルな関係が発覚し非常に厳しいものだったという事が理解できるが、
この作品もまた倦怠期の夫婦の激しい感情の揺れを描いたもので、当時のウディとミアの関係を投影した作品であるという評価はおそらく正しい。
陰鬱なミアや友人役ジュディ・デイヴィスの情緒不安定なキレッぷりは怖いほどリアル。
ハンディ・カメラを多用した揺れに揺れる映像が登場人物の不安定な感情をフォーカスするのに成功している。
ウディ初監督作『泥棒野郎』以降何度も用いられてきたお得意の架空インタビューを用いたセミ・ドキュメンタリーの体裁を取った作品ではあるが、
時間軸も無視され、結局いつ、どこで、誰の事を誰に向けて語っているのかも曖昧で、ウディの実験精神と称するのはおそらく違うであろうヤケクソな感じが伝わってくる。
とにかく賛否両論の作品ではあるが、90年代後半の「再生」に向けウディが乗り越えなければならない「踏み絵」的な作品である事は間違いなく、
マニアにとっては「傑作」であり重要な作品。ちなみに97年の『世界は女で回っている』はこの作品の続編に見えてしまうぞ。
ザ・ビートルズとのインドでの共同生活が我々、ロック原始人には興味深いくだり。
さらに、アレンの監督手法が読めるのも貴重な記録だ。
訳者は椎名誠と渡辺一枝の娘さんです。