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大阪フィル定期
10月30日、大阪フィルの定期でした。プログラムはハイドン/チェロ協奏曲第1番、オルフ/「カルミナ・ブラーナ」世俗的歌曲。チェロ独奏はピーター・ウィスペルウェイ氏、独唱はシモーナ・サトゥロヴァ氏(Sop)、五郎部俊朗氏(Ten)、サイモン・ポーリー氏(Bar)、合唱は大阪フィルハーモニー合唱団、児童合唱は大阪すみよし少年少女合唱団。指揮は大植英次氏でした。
ハイドンのチェロは音に伸びが無く、カサカサした音で音量も無い。だからダイナミクスに幅が無いもんだから、1楽章ではフレーズの最初と最後が聞き取れないような演奏。2楽章はまだいいけれど、3楽章は弾き飛ばしてるような荒い感じ。本人はかなりノリノリで、振り返って伴奏のオケを煽っていらっしゃいましたが。kagariからすると、オケは最初からちゃんと古典の音で古典らしいきっちりとした演奏をされてて美しかったんですが、それに対して独奏はまったく古典の演奏ではなく、近・現代音楽を聴いているよう。そんなだから伴奏のオケとのギャップもあって、kagariは途中で気分が悪くなってしまいました。アンコールも1曲ならまだしも、コンマスの幸太さんに「少しだけ」と合図してさらにもう1曲。バッハの無伴奏チェロ組曲第1番より「プレリュード」を演奏(1曲目はバッハの無伴奏チェロ組曲第6番から「サラバンド」でした)。有名な曲なのでお客様は喜んでたみたいですが、でも音はギシギシでギクシャクした演奏。それに曲の構造やバロックの基本的な部分を理解せず、ただ思うままに弾いているといった印象。これではバロックではありませんね。まるで素人の発表会のようでした。なぜこのソリストがハイドンやバッハをやったのか、ちょっとkagariには理解出来ませんでした。
後半のオルフは第1曲の「運命の女神」を聴いて、まず?。kagariもFMなどで「カルミナ」は全曲聴いてますし、「運命の女神」はCMなどでも良く使われている有名な曲ですが、こんな曲だったっけ?って思いました。原因はやはり合唱団。この曲に詳しいホルン吹きの先輩によると、ラテン語の発音が悪いとのこと。今回の合唱では指導者のラテン語に対する誤った認識のせいか、子音をいやにはっきりと発音していてかなり耳障り。確かに発音だけならkagariの耳には英語やドイツ語なんかに聞こえました。でも英語やドイツ語はゲルマン語の流れを汲むもので、ラテン語とは別物。ラテン語の流れはフランス語やイタリア語。だからフランス語を聞いてもわかるように、子音の発音はもっと軽いはずなんですよね。それから何か間延びしたオーボエ。おかげで冒頭からの緊張感のようなものは何も無し。さらに合唱についてはテンポまで引っ張ってしまってるし、オケの伴奏が無くなると合唱だけでのアンサンブルはほぼ崩壊。ついでに男声は声も出てないしと合唱団には悪いところばかりが目についてしまいました。でも今回は本当にプロオケの演奏会でお金を取って聴かせる合唱ではまったく無かったと思います。アマチュア合唱団としての演奏会(要するに発表会)でやっていただきたいですね。オーボエ以外のオケは良かったと思うので、残念に思います。
それはそうと大阪フィルの自主制作で楽団員のソロ(無伴奏)CDが発売されてて、この定期からは第3弾としてフルートの井上さんのCDが出てました。曲はC.P.E.バッハ/無伴奏フルートのためのソナタ、テレマン/無伴奏フルートのための幻想曲より第10番です。一応kagariも買ってみましたが、まだ聴いてません。その内聴こうと思ってます。kagariが一番楽しみにしてる人のは3月の発売になるんだそう。確か6月くらいには録音してたはずなんですが・・・随分時間がかかるんですね。3月が待ち遠しいです。
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