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パリ4
9月5日、パリ4日目です。ここのホテルの朝食はモンサンミッシェルと違ってハムやソーセージ、パン、シリアルといったシンプルなバイキング。最初にパリで泊まったホテルもシンプルだったけど、小さなクレープがあってとても美味しかったんです。ここはハムがかなり塩辛い・・・。これを3日間と思うとちょっと憂鬱。
この日は朝はフォンテーヌ・ブロー、午後はベルサイユと世界遺産お城めぐりです。バスには女性と男性のガイドさんが同乗。どちらもパリに住む日本人の方ですが、やはりどことなくフランス人です。ちなみにチーフは女性の方だそうです。フランスではツアーに関して色々細かく決められていて、ベルサイユでは25人以上のツアーはガイドを2人付けて、団体を分けなくてはいけないんだとか。しかも予約制。ちなみにモンサンミッシェルの道中、2回の休憩を取ってましたがそれも決まりなんだそうです。そんな訳でkagariは男性ガイドYさんのグループとなりました。
フォンテーヌ・ブローへはバスで1時間くらい。その間に女性ガイドさん(名前は忘れちゃいました)からパリの生活の話をしてくださいました。たくさん話をしてくださったんですが、大学は落第が許されないっていう話が。頑張って医学部に入っても付いていけなくて、翌年には経済学部とかに学部を変えてるなんてことがあるんだそう。だから学生さんたちは夏休み返上で勉強してるんだとか。「日本もそうすればいいのに」って頷いてる人が多数いらっしゃいました。あと面白かったのが、日本の女性は日焼けしないようにと夏場は日傘をさしたり日焼け止めを塗ったり、はたまた手袋をしたりと苦労してますが、フランスではこの時期に白いと「バカンスに行けなかったのね」と気の毒に思われるんだとか。所変わればですね。
「落ち穂拾い」の絵画で有名なミレーが住んでいたバルビゾンの美しい田園風景を左に見て、しばらく行くとフォンテーヌ・ブローに到着。この辺りは別荘や高級住宅地なんだそうです。それは今も昔も変わらないようで、フォンテーヌ・ブローの宮殿は16世紀前半にフランソワ1世が建築し、その後もフランス国王たちによって増築されたフランスで最大の宮殿です。中は美しい絵や装飾で飾られています。レオナルド・ダ・ヴィンチもフランソワ1世に招かれ、創作活動をしたそうです。またアンリ2世とカトリーヌ・ド・メディシス、アンリ2世の20歳年上の愛人ディアーヌ・ド・ボワティエの三角関係の話は面白かったです。この時代の男女関係はおおらかだったようで、またYさんもこの手の話はお好きな様子で、この後のベルサイユ共々たくさんこういった話が出てきました。でもまったく下品にならないところがなかなか話し上手らしい。この宮殿は歴代のフランス国王に愛された宮殿ということでもちろんルイ16世も例外ではなく、その王妃マリー・アントワネットの部屋もちゃんとあります。そしてナポレオン。玉座やベッド、また遠征ばかりしていたナポレオンはいつでも遠征気分になれるようにキャンプ仕様のベッドなんかも。ちょっと変わった人だったようですね。宮殿内部の見学の後は広い庭園を見たかったんですが、お化粧室に行ってたら時間が無くなってしまいました。フォンテーヌ・ブローもベルサイユも世界遺産で世界各国・全国各地から大勢の観光客がいらっしゃる割に、お化粧室の数がメチャクチャ少ないらしいのです。なので並んでる間に時間が無くなっちゃった訳です。もちろん込み合ってたから絵はがきとかのお土産物も見れてません。かろうじてナポレオンが追放される際に別れの儀式を行った中庭と宮殿正面の階段は見れましたが。
フォンテーヌ・ブローの後はベルサイユへ移動。宮殿のすぐ隣のレストランで昼食。ツアーの皆さんで一緒に食べるのはこれが最後。今回のツアーで出てくるお食事は現地で個人的にレストランで注文するよりもかなり量が少ないです。なのに見てたら残す方(いつも同じ方ですね)が割りと多い。もったいないですね。普段何食べてるんだろうって思ってしまいます。確かにこの日のメインはパテで、口に合わないのかもしれませんが・・・。ついでに前日の夜の行動なんかを皆さんと情報交換。新婚さんはエッフェル塔の夜景を見に行かれたそう。期間限定のブルーのライトアップや毎正時にイルミネーションのショーみたいなのがあってそれが綺麗だったそう。でも夜の地下鉄は治安が悪いとは聞いてたけど、やっぱり変な人が乗ってきたから慌てて車両を変わったとも。中年女性2人組はkagariたちと同じく、スーパー入り口のテイクアウトの中華。焼きそばが美味しかったとか。あとお婆さんとお孫さん?はパリに出たけれど、レストランはみんな高かったからスーパーでサラダを買って帰ったなんてちょっと気の毒な話でした。そんなところへガイドの女性の方が熱心にミールクーポンの営業を。kagariは最初購入する気は無かったんですが、一日くらいはちゃんとしたレストランでちゃんとした物を食べようと思って、ガイドさんオススメのレストランのクーポンを予約しました。50ユーロ(1ユーロ=160円くらいだったので8,000円くらいです)と結構なお値段なんですが、これでもランクはカジュアル。他に100ユーロとか150ユーロなんてのがあって星の付くのはこちらの方。こんなのとてもじゃないけど手が出ません。kagariと同じお店は予約した方が他にも何組かいらっしゃったみたいです。それにしてもここのレストランはイタリア人やドイツ人など様々なツアーで使ってるみたいで(色んな言葉が聞こえてくるので、なんだか頭が混乱しそうでした)すごい人なんだけど、ホールを担当してる人が2人しか見当たらない。ベルサイユの予約が3時なので、それに間に合わせるためにガイドさんはホールの人を急かす急かす。なんとか3時には宮殿にたどり着き、無事に見学となりました。
宮殿はいつも混雑してるみたいですが、この日はもうバカンスも終わってるからそんなに混んではいないみたい。見学はまず礼拝堂から。ここはルイ16世とマリー・アントワネットが結婚式を挙げたところ。今までに見てきた教会からすると新しくて、時代も時代だけに明るくて優美。次のヘラクレスの間には美しい天井画が描かれていますが、これを描いたフランソワ・ルモワースは、3年かけて描きあげてルイ14世に褒めてもらえると思っていたのに、返ってきた言葉が「出来たの」という一言だけだったことにショックを受けて亡くなられたそうです。それだけこの時代ではこういった美術品なんかは見慣れてしまっていたということですね。そしてきらびやかなシャンデリアと装飾、肖像画の飾られた部屋をいくつも見学し、かの有名な鏡の間へやってきました。入る時にYさんは、ここから写真を撮っても人の頭ばかりでいい写真にならない、と仰って鏡の間の一番奥へ。ここから振り返って写真を撮ると良い写真が撮れると教えてくれました。それにしてもこの鏡の間ほど美しい空間をkagariは見たことがありません。豪華なシャンデリアに燭台。そして鏡。今でも目映いばかりなのに、マリー・アントワネットの時代だったらどれだけ華やかだったことでしょう。これだけでもパリに来て良かったと思いました。鏡の間の後はマリー・アントワネットの部屋へ。花柄模様の壁紙や調度品が可愛らしくて、いかにも女性の部屋って感じ。壁際に置かれているのはタンスかと思いきや宝石箱の一つだとか。それから壁の鏡が合わせ鏡になっていて、覗くとシャンデリアが無限に映り込みます。これはこの時代の特徴なんだそうです。そしてさらに進むと見たことがある大きな絵が。有名な「ナポレオンの戴冠式」の絵です。これは同じ画家によるレプリカで本物はルーヴル美術館にあるんですが、それとは1ヶ所異なった部分があるそうです。ジョセフィーヌの後方なんですが・・・、興味のある方はベルサイユとルーヴルで確かめてみてください。内部の見学を終えて、kagariは庭園を見ることにしました。が、雨。kagarは傘を出して外に出ることにしたんですが、外には折り畳み傘の壊れた方がちらほら。何でだろ?なんて思ってたら、庭園は広すぎて周りに何も無いから吹きっさらしの風がキツイ。そりゃあ傘も壊れますね。そんな訳だから写真を数枚撮って、宮殿に戻ってお土産物を買うことにしました。そう言えば最近、庭園にある離宮プチ・トリアノンの修復が終わって、見学が再開されたそうです。以前よりも多くの部屋が見学できるようになったとか。修復費用は6億円で、スイスの某時計会社が全額負担されたんだそう。今度機会があれば行ってみたいものです。
ベルサイユの見学を終えてツアーバスはパリへ。朝とは変わってYさんの話を聞きながらセーヌ川沿いを通って自由の女神を右に見て次に「自由の炎」が見えてくると、その下にはダイアナ元英国皇太子妃の事故現場となったトンネルが。その横を通ってしばらく行き、交差点に差し掛かり右折することろでYさんが「左手をご覧ください」と仰ったので見ると、立派な並木の大通りの向こうに堂々たる佇まいの凱旋門が。バスの中は一斉に「おおーっ!」って歓声が。するとYさんがすかさず「これが本当の『オー!シャンゼリゼ』です」。Yさんなかなかナイスです。バスはシャンゼリゼを通ってコンコルド広場(フランス革命時にはギロチンが置かれたそうです)を通り、チュイルリー公園を経てルーヴル美術館の前を通って、ピラミッド通りのマイバス社(オプショナルツアーの集合場所です)を確認してからオペラ通りに入り、オペラ座を回ってから三越の向かいで停車。バスを降りて三越に入り、4階の休憩所とショッピングの説明を聞いてからこの日はここで解散。まだ外は明るいけどもう6時半になってたから、夕食を食べる所を探しつつ周辺を散策。近所のオペラ座はもちろん、マドレーヌ寺院、コンコルド広場、ヴァンドーム広場と徒歩で巡る。で、夕食はというと、どうもカフェは中は禁煙だけど入り口のテラス席の人の多さとタバコの煙に阻まれて入る気にならない。JCBのショッピング・パスポートで見つけたスフレのお店は、行ってみて外のメニューを見るとコースが前菜からメイン、デザートに至まですべてスフレ。気にはなってたお店だけど、さすがにこれもパス。どうしようかと悩みながら添乗員に聞いてた日本食にでもしようかと三越付近に戻ってきたところ、お手頃な値段で食べれるお店を発見。カフェ・ジョージってお店で日本語メニューも置いてるし、JCBも使えるしでここに決定。中に入って店主らしき年輩男性に席を案内してもらう。非常に愛想のいい方で安心しました。そして「日本語メニューを持ってきましょうか?」と聞いてくれたのでお願いすると、姉キには日本語メニューを持ってきてくれたのに、kagariはなぜか「英語のメニューを置いとくね」。kagariも英語は分からないんですけど・・・。お店の人にはkagariがずっと英語で話してたから英語が分かると思われたんでしょうか? それともkagariだけ中国人に思われたんでしょうか? まあそれは良いとして、姉キは鴨のコンフィチュール(ジャムのことではなくって、長時間煮込んだ物って意味です)、kagariはステーキを注文。出て来たのは日本のステーキハウスで切り分ける前の4人分のお肉ってくらいのボリュームあるステーキ。鴨の方は足が骨付きで丸ごと1本。どちらも付け合わせは大量のジャガイモ。あまりの量にビックリしました。これにデザートが付いて1人28ユーロのコース。他に食事前にプレッツェル、とカゴいっぱいのバゲット、食後にクッキーまで出てきました。パリの食事はほんとスゴいです。満足してお店を出たら、もう10時前。タクシーに乗ってホテルへ向かうと途中、青く光るエッフェル塔(お昼に新婚さんから聞いたとおり、めちゃくちゃキレイでした)、この時間でもまだ人の多いシャンゼリゼ(でもまるで御堂筋ですね)、ライトアップされた凱旋門を見ながらちょっとした車窓観光気分。運転手さんも良い方で、色々と英語で話をして楽しかったです。翌日はいよいよパリの観光最終日です。
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