ビヤドゥな日々 (1997/11/27〜12/11) Last modified : 2000/02/10
by Nobuaki Kawaguchi, Ph.D.
川口伸明
ビヤドゥ(BIYADOO Island Resort)はインド洋の楽園、モルディヴ共和国・南マーレ環礁のリゾート島。モルディヴの首都マーレ(Male)からスピードボートで約1時間のところにあるスクーバ・ダイビング天国として世界に知られる。北緯3度55分、ほとんど赤道直下である。1997年11月27日、私たちは憧れのこの島を訪れ、結婚式とダイビング三昧、2週間に亘る「ビヤドゥな日々」をおくるのであった。
2週間の滞在中、3日間雨が降り続いたが、他は概ね天候は良かった。ガイドブックなどでは11月頃から乾季とされているが、近年、乾季に入るのが1月頃まで遅れているらしい。晴れた日中は汗がにじむほど暑く、最高気温は35度Cにも達するが、風がそよぐ木陰などでは、とても涼しく感じられるから不思議だ。
終わり頃には海の透明度も30mほどとよくなり、イージーコースでもマンタ、カメ、ナポレオン、イソマグロ、カスミアジが次から次へと舞い踊る様はすごかった。結局21本ダイブ(ボート15本、ハウスリーフ5本、ナイト1本)。この間に、私は100本目を無事修了(12/7)、総タンク数104本となった。彼女は90本ぐらい。
ハウスリーフでのスノーケリングでは、私達の部屋から10歩程度の浅瀬で、60cm位のギンガメアジ数百匹の群、ヤッコエイの20センチ位のから1m位のまで数匹、1m位のブラックチップ5匹にも取り囲まれ、夕方になるとカスミアジも上がってきた。また、夕方水深2m前後を捕食しながらゆっくり泳ぐ1m余りのナポレオンとは1時間もランデブーしてしまった。ナポレオンが珊瑚礁に舞う小魚を捕食する際、白い大きな吻部を物凄い勢いで突き出すのだが、鉄砲が炸裂するようなすごい音で、心臓がドキッとしたほど。ただ食べるのが余り上手ではないようで、サンゴのカラを吐き出すとき、飲み込んだスズメダイまでが口からフラフラ泳ぎだし、それを再度飲み込むということを何度か繰り返していた。50cm位まで接近したが、人間など全く気にしていない様子。
ところで、大潮に近い日の満潮時の水位と部屋の床の高さの差を調べてみると、約60cmしかなかった。水準器無しのカメラ三脚を使った目測なので厳密ではないが、温暖化による島嶼沈没も現実味を帯びてくる。一方、毎月通ってる沖縄宮古島に比べて紫外線が妙に柔らかに感じた。サングラス無しでも大丈夫だったし、2週間もいたのに肌がヒリヒリすることもなかった。熱いシャワーを肩や首に受けても平気だった。
晴れた夜ならば、天体観測も最高である。人工的な灯りが余り見えないパッセージ3付近のビーチへ出ると、オリオン座、プレアデス、ヒアデスなどがとても綺麗に見えた。この時期、南十字座は夜明け頃の水平線付近なので無理。ただ、私たちの行ったころは、夜に雲がでてきて、夜中に雨がどしゃ降る、というケースが多かったのが残念。稲光が入ることもあり、バルブ撮影には要注意。天体写真しない人は、8〜12倍程度の双眼鏡を持ってくるだけでも、随分得した気分になれる!
ビヤドゥ入りした翌日、1997年11月28日夕刻、ビーチに華麗な電飾を施し、満天の星空の下、ささやかなウェディングパーティを開いていただいた。スタッフ手作りのウェディングはビヤドゥでもはじめてということで、とてもわくわくした。
17時、新婦は30分ほど懸けてインド人のエステおばさんにサリーを気付けしてもらって、インド人さながらになった。ウェディングのサリーは旅行会社のアイランズコレクションの現地駐在員のトモコさんが首都マーレで買っておいてくれたもの。深みのある鮮やかなピンクで金糸の縁どり刺繍が施されていた。背中の方へ垂らす部分は深い緑に大胆な金色の刺繍が広がる。サリーを着るとき、ブラウスとうすいスカートが必須だが、これは用意してなかったので、インドエステのおばさんに借してもらった。ブラウスは濃い光沢パープルでサリーとよく合っている。髪は後ろに束ねて、白いプルメリアの花を付けた。一方、新郎の私はというと、薄い白の半袖カッターシャツにチャコールグレイのスラックス。男性はそんなもんでいい、と言われ少しがっかり(インド式ではこれが正装らしい)。どうせならマハラジャのかっこしてみたかった。腰に剣でも差したかったのに... 象に乗って登場とか。。。
19時、レストラン前のビーチでセレモニーが始まる。ほんの10人位しかいないだろうと思っていたのに、何と、ビヤドゥのダイビングサービスであるダイビングワールド(旧ナウティコ)のご厚意でダイバーのお客さんを集めていただき、スタッフも入れると、実に10カ国40人もの人々がお祝いに参加してくれていたのだ。しかも、外人の方が多い。ヤバイ、何のスピーチも考えていない。
ビヤドゥのビーチの砂は裸足でいるのが一番気持ちいいぐらいサラサラしている。潮風にそよぐヤシの葉、どこからとなく漂ってくるプルメリアの香り、空には満天の銀河、そして今夜初めて会う10カ国の人々。島に1匹しかいない野良ネコ(?)までがお祝いに駆け付けてきた。足元を大きなヤドカリが這っている。ああ、なんて贅沢な夜なんだろう。
レストラン&バーのマネージャー、Mr. Andrew Taylor が祝辞を述べ、ウェディングパーティは始まった。何と、挨拶しろと言っている。いきなり。
It's a great pleasure for us to have such a beautiful heartful wedding party , surrounded by such a lot of global peple. Thank you very much from the bottom of our hearts.
まずはシャンパンで乾杯!指輪交換は宗教上の理由から省略、二人とも最初から付けていった。伸明のは18Kドルフィンリングで金色のイルカの二つの目はプラチナ台のダイヤモンド。新婦のはサイパンの La Fiesta の中の CORAL BLUE で買った、18Kリングにパールとタ−コイズが対になったもの。
さあ、ケーキカットだ。白とピンクの小さいけど作り物じゃないかわいいケーキ。遂に二人で入刀。フラッシュの嵐! 皆初めて会う人ばかりなのに、どうして? まるで親友たちに囲まれてるみたい。なんかとっても熱くなる。
実は今回の旅、ほぼ同じ時期にビヤドゥに来ることになっていたハネムーンカップル(HIROSHI & MARI)と「YUKA'S HOMEPAGE」上で知り合い、電子メールの交換をして、写真やビデオを撮ってもらうことなどもお願いしていた。その彼らとも、たった今、出会ったばかりである。今宵は本当に面白い。
ケーキが皆に配られ、ワインがつがれていく。そのうち、料理もではじめた。モルディヴ人のウェイターたちが次々にすすめてくれる。ビーフの串焼き、チキンの立田揚げ風、何と言ってもキノコのフライ、これは絶品!舞茸の様な風味のキノコをほっこりとスパイシーに揚げてある。あっ、これはマッシュル−ムのまるごとだ。ジューシーな味。これだけでも満足だ。そして、ワインの嵐!
そうこうするうち、皆が順々に挨拶に来てくれた。熟年のスイス人夫婦は、30年前にやはりモルディヴで結婚式を挙げたらしく、「いやあ、実に30年前を思い出したよ。我々のように、長く幸せな人生を歩んでね」とウルウルして手を握ってくれたのが印象的だった。スコットランド、イングランド、オランダ、ドイツの4人組はいつもこのメンツでモルディヴを潜り回っているらしい。ドイツ人の夫婦もいた。ビヤドゥにはドイツ人が一番多いらしい。彼らは1カ月ぐらい滞在するというから驚きだ。オーストラリア人のヨットのインストラクターは6カ月もいるらしい。どうやら、ビヤドゥのマリンスポーツサービスに仕事で来ているらしい。日本人は、東京から来た女の子だけのグループ、京都から来た夫婦、猿岩石に似た二人組もいるのが楽しかった。インターネットで知り合ったハネムーンカップルが一緒なので、とても心強い。彼らも11月24日に日本で結婚式を挙げたばかりである。実際に出会って1時間も経っていないとはとても信じられない。
隣の島、ヴィリヴァル(Villi Varu Island Resort)から4人のバンド「ベッサメ・ムーチョ」がやってきた。ギター2人、ハーモニカ、長ーいドラム。彼らはビヤドゥとヴィリヴァルの2島を行ったり来たりして演奏をしている。2週間の滞在期間中、何度も彼らに出会った。彼らはスリランカ人。陽気なメロディーが鳴り響き、宴も盛り上がる。
ボランティアで今日のお客さんを集める労をとってくれたダイビングサービスのメンバーと一緒に写真を撮った。今、日本人ガイド・インストラクターは4人(Naoko, Masako, Eiko, Teddy)。Eikoさんは休暇中だった。いろんな人と写真を撮った。バンドと一緒に撮った。野良猫とも撮った。photogenic MALDIVES!
全員と何かしら話をし、写真を撮るうち、あっと言う間に1時間半が経過した。そろそろお開きだ。と言うか、そろそろメインダイニングのマハラジャナイト・ディナーへなだれこむ時間だ。本当はパーティは1時間の予定だったが熱気で延びたのか、モルディヴィアンタイムなのか、とにかく腹がへった。Andrew のMCで散開が告げられ、熱い1時間半に幕が閉じられた。ところで一体、Andrew はどこの国の人なのだろう? 英語しかしゃべらないけど。
電飾を施したヤシの葉で作られた大きな光の輪をくぐり抜け、レストランの広場へ向かった。ここで、普通のディナーを頼んでいた人達はレストランの中へと消えていった。マハラジャナイト、モルディヴィアンナイトなどのスペシャルディナーは予約制で、大抵、ビーチかレストラン屋外のサンデッキで行われる。私たち2人の席は皆とは離れて特別な場所に設けてあった。テーブルにはこぼれんばかりのブーゲンビリアの花が飾られている。少し気分が落ち着く。Andrew がワインをサービス。あらためて二人で乾杯。天頂付近にはオリオン座がその勇姿を輝かせている。実に贅沢な時間だ。インド人シェフが腕をふるう焼きたてのナムと本場のカレーは、最高においしかった。
ハネムーンをエアランカで旅立つカップルは、旅行会社を通じて申し出ると、コロンボ行きの機内でハネムーンケーキがプレゼントされる。予め、生クリームケーキとチョコケーキのどちらかを選択しておく。私たちは生クリームケーキ(大正解だった!)。出発前日にアイランズコレクションに依頼したのだが、それでも大丈夫だった。私たちの場合、福岡15:45発の UL457 で、コロンボ着が日本時間の24:20(現地21:20)だったけれど、こちらからは何も言わなかったのに、日本時間19時頃、一番可愛いスチュワーデスがもってきてくれた。シャンパンのハーフボトル1本のサービス付き。ケーキの大きさは直径18cm位、高さ5cm位、結構ボリュームがある。香しい生クリームの上に、イチゴ、キウイ、パイナップル、ピーチなどのフルーツがたっぷり。ホワイトチョコがのっている。味は絶品!保証します。これはどことは言わなかったけれど、東京で特注しているとのこと。
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