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スレが終わる頃に始まるような
小さな恋が有ってもいいと思いませんか?


「お邪魔しますえ〜」
ここは刹那先輩の通う学校の寮
真夜中ということもあって人の気配はほとんどありません
今日は穏便にことを済ませたいので、誰にも見つからないのはありがたいのですけど
「刹那先輩の部屋は〜、ここみたいですね」
中から人の気配はしない、‥‥出かけてるのでしょうか?
とりあえず鍵を開けさせてもらって、中にお邪魔させて頂きます
「やっぱり飾り気なんてないんですね‥‥」
綺麗に片付けられてはいるものの、少女の部屋らしからぬ内装に溜め息を漏らしてしまう
とりあえず今日は手紙を届けに来ただけ
手紙を机の上の見つけやすい所に置いて私は部屋を出た

廊下の窓から見える空は、月も無く雨がしとしとと降っている
ウチもこんな学校に来れたなら‥‥‥
気を抜いた瞬間、狙ったかのように大きな雷が間近に落ちた
「ひっ!」
マズイ、と思う間もなく声を上げてしまう
「誰だ!」
見回りの先生に気付かれてしもた
とりあえず後ろを振り返り廊下を走り抜けようとした、その時
「こっちだ!」
部屋から伸びた一つの腕に引っ張られていた
「お前は何をしにきたんだ‥‥?」
「それはですね〜‥‥」
ウチを引っ張ったのは刹那先輩だった
今日はもう会えないと思っていたのに、こういうこともあるものですね
「手紙を届けに来たんです」
「手紙?」
「前回の謝罪とか、いろいろです」
前回の件についてはこちら側が悪いわけですし、刹那先輩のような強い人と戦えたのは嬉しかったですけど
「で、手紙は」
「部屋に置いて来ました」
‥‥あれ、ウチが部屋に入った時は居なかったのに今はいる
ここは誰の部屋?
「アスナさん、お嬢様、ネギ先生。危害を加えに来たわけじゃないみたいだから安心していいですよ」
‥‥ウチは警戒されていたみたいだった

「手紙を届けにねえ、警備とかすごいのに」
「こういうのにはなれてますから」
「このヒラヒラした服かわええな」
「そうですか?ありがとうございます」
質問されてウチが答えるという流れになって二時間程、そろそろ夜が明けそうな時間
「あ、ごめんね。質問ばっかりしちゃって」
「いいんです、こんなに人と話すなんて滅多にないですから」
人と話すことが楽しいだなんて思うのは久しぶりで
とても今が嬉しかった
「そうだ!明日皆で遊びに行こう」
「そやな、ウチも賛成や」

‥‥え?それはウチもですか?
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