...ハァ、ハァ、ハァ...

「いたぁいーーー!!!!!!」


大声で叫んでみるも、誰からの返事がない。

はぁ...しくじってしまった。

弱い相手だったから今回の仕事も楽勝だと思ってたのがあまかった。

まぁその前のペア組のことで舞い上がってたのでしっかりしろと釘をうたれていたのに...。

完璧に置いていかれたんだろうなぁ...ハハ

弱いやつが無駄にたくさんいたから何かあるんだろうなぁって思っていたんだけどね。

うん。思ってはいたんだよ?でも対応が出来なかっただけなんだよ!!

だって弱いやつ(しかも味方)を犠牲にしてまで攻撃してくるなんてあんまりだ!!

もちろん味方にも私にも!!

おかげで右足と左手がザックリ切れちゃったよ。

血が止まらないし。...止血ってどうやってやるんだっけ?

それすら覚えてないよ。

こんなことなら真面目にクロロ団長の『止血の仕方講座』聞いとけば良かったなぁ...

あのときはバカにしたりしてごめんなさい。











って回想してる場合じゃないよ!!

私今絶対にかなぁり、ヤバい状況なんだろうなぁ...

だって目は霞んでるし頭とか身体とか、いたるところが重たいし。

フェイタン...やっぱり私の事なんておいてアジトに帰っちゃったのかなぁ

うわぁん考えてたらものすっごく腹が立ってきた!!


「フェイタンの薄情者!!!!!!」

「それだけ叫ぶ元気があるならワタシ帰るよ。」

「...?」

「それじゃね。」


......。
えっ!?今のってもしかしなくてもフェイタンですか!?


「えっ、ちょっ、待ってフェイタ...って足音が遠ざかってる様な気がするんですけど...
ってフェイタン本気!?正気か!!??フェイ?あの、フェイターン!!」









うっそー!!??

あぁぁ...私は自分に素直に生きてるから心のままに叫んだだけなんだよー!!

戻ってきてよー...って言って戻ってきてくれるわけがないよなぁ...

だって眉間の皺が通常の2割り増しになってたなぁー。

あー...とりあえず外に出よう。それが先決だ。

生きて帰ったらフェイタンにありったけの文句ぶつけてやろう。

快く思い上がれ。か弱き乙女を置いてきぼりにしやがって...










廊下に転がる死体を避けながら壁伝いに歩いていく。

歩くといっても右足には感覚もなければ動きもしないので引きずっているようなかたちである。

傷からは止まることなく(止血してないしね。)血が流れ出ている。

壁を伝わないと身体を置きあげていられないから身体を壁に預けるが、
左手の傷口からでている血で滑ってなかなか思うように歩けない。

そんなことにイライラしながらもやっとの思いで外に出ると、
フェイタンが出口の柱に寄り掛かって待ってくれていた。






「はぁい、ムッシュー。私かなぁりヤバイような気がビシビシするのよね。
だからあなたのたくましい腕で私をアジトまで運んで下さらないかしら?」




冗談まじりでケガをしていない片手をあげて地面に倒れ込む。


「お前バカね。何でこんな怪我してるか?」

「味方を犠牲にしてまで私の美しき肌に傷をつけたいというものすんごいSっけのある御方がいましてね、
 そやつのせい。全てはそいつが私の美しい肌に嫉妬しなければこんなことにはならなかったのよ。
 全てはそいつのせい。」

「...そいつはどうしたか。」

「もちろん土に返しました。
ってことで、フェイタン運んでってくれるの?」

「気を抜いてるからこんな事になるね。
 運んでやっても良いよ。」

「ありがとう、ムッシュー。」

「......どういたしましてね、マドモアゼル。
ホラ、早く乗るね。」

「...フェイタンが!!あのフェイタンが!!
え〜...皆様、皆様その耳をかっぽじってお聞きになられましたでしょうか。
フェイが、あの堅物フェイが私の事を『マドモアゼル』と!!
私の言動にのってくれちゃいましたよ!!??これは天変地異の前触れか!?」

「言いたいことは全て言て気がすんだか?
そろそろ黙らないとお前殺すよ?今すぐココで。」

「すみません。もう調子に乗りません。」





『殺す』って言ったときのフェイタンの目は本気でした。

マジでビビってしましましたよ私(ワタクシ)。

ってかもぉ限界かも...




「フェイ〜。アジトに着いたら起こしてね。」

「...わかたよ。でもその前に死んだら許さないよ。
知らないやつにお前が殺されるならその前にワタシがを殺すね。」

「...うん...私も知らないやつに殺されるのはイヤだから...
手折られるなら貴方がいい。」


















〜おまけ〜

「イテ!!マジイタイっすよ!?マチ、痛いって!!!!」

「当たり前だ!痛くしてるんだから!!全身血だらけで顔色真っ青にして帰って来て
皆を心配させた罰だ!!」

「ゴ、ゴメンって。でも、イテッイタイ!!
それはちょっと...イタ!!!!死んじゃうよ!!」

「お前あれだけ血が出ても死ななかたよ。だからそれくらい平気よ。」

「いや、それとこれとじゃ話は全然別だし!!」

!!止血の仕方を教えてやるからこっちに来い!!!!」


「イテェーーー!!!!!!」













◎あとがき◎

拍手ありがとうございました。
フェイタンに『マドモアゼル』言わせたかった。
でも正直『マドモアゼル』か『セニョール』、どっちにしようか迷ったんだけど...
やっぱり『マドモアゼル』で。(笑)
でもぜったいに言わないよね、フェイタン。
夢のリクエストがあればジャンルはいま取り扱ってるもの限りでキャラは別になんでもいいです。
拍手のコメントの所に書いて送ってくれれば書きます!!
それでは、これからも宜しくお願いします。