「そぅ。何事にも初めてはあるものだ。」

「...。」

私はこれほどまでにも彼に怒りを覚えたのも初めてでした。






悪戯仕掛け人であるシリウス・ブラックに告白されて、めでたくカップルになって1、2年...

はじめはいつもの軽く嫌がらせの入った遊びのおつきあいなんだろうと思っていた。

がしかし、某重大事件があってから、ジェームズに呼び出されて行った所、シリウスが本気なんだと知り、

めでたく(?)カップルになりました。

では、私について話します。


シリウスの彼女だからといっても私は全然かわいくありません。

きっとそこら辺の金髪や茶髪の女の子の方が綺麗だと思います。

っていうと、リリーに『もっと自分に自信を持ちなさい!』って怒られるんだけど...

私は黒髪黒目の純日本人で、素晴らしく童顔でっていうか、コチラの方々が大人っぽすぎるんだと思うんだけど...

英語は全く話せないのでダンブルドア校長先生から英語翻訳機を貰いました。

かれこれこの5年間と数日、これに頼っているため...想像がつきますねVv







☆ ☆ ☆ 談話室 ☆ ☆ ☆






。」

「何?シリウス。」

「俺ずっと気になってたんだけど、
お前、日本人なのに英語話せるだろ?」

「??だから?いっとくけど、断じて自分で英文作ってペ〜ラペラ話してるわけじゃないわよ?
英語翻訳機を貰ってそれ付けてはなせてるのよ?」


何をまた変なことを話してるのかと...
そぅ、私は自己紹介ぐらいしか自力で英語を話せないもん♪(※威張ることじゃありません)

「いや、そんなことは分かってるんだ。
ただ、ソレ身につけなかったら話せないのか?」

「あたぼう。」

「...英語を少しでも自分独りで話せるようになってみようとか思わないの?」

「うん。だって卒業したら日本に戻るし...」

「はぁ!?えっ、日本戻んの?何で??俺の所に永久就職じゃないのか!?」


何をほざいている!?シリウス・ブラック!!!?...

永久就職といったら『お嫁さん』=『結婚』=『旦那は?』=『シリウス』

「...こんのアホんだらぁ!!何をほざくあるか!!結婚?そりゃ、まだまだ先の話ですたい!!
今もまだ麗しい青い春を駆け巡るうら若き恥じず恥らずの学生時代じゃないですか!!
そそそそれなのに...結婚って...話が早いアルヨ。
あたいついてけねぇっす。」


正直にびっくりしました。

だから言葉がおかしくなってしまったサ。

ってか、先刻の方程式にはちゃんと『旦那=シリウス』ってなったときは、自分が恥ずかしくなったけど。

でも、ここまで下を噛まずに言えた自分に控えめな拍手を(笑)


「お前は何処ぞの人だよ。」

「?馬鹿だなぁ、私の生まれは日本だよ☆」


かわいくウィンクまでもつけて言う自分に寒けが...

「...。」

「.....どうした?シリウス。」


まさかキモサにノックダウン?カウントとりましょうか??

1〜、2〜、...

は...俺のところに永久就職すんのはイヤか?」

...なんなんだ!?なんなんだこの異様な空気!!

ってか絶対こいつはわざとこんな表情してる!!

それに永久就職って...普通に結婚と言えばいいのに...ヘタレだからか?(笑)

あぁチクショー!!美形だからどんな仕種にも背景にバラが見える...

結婚がイヤだって??そんなことはない...

たぶん...ってかこれはもしやもしかしなくても


「プロポーズ??」

「!!...まぁ、そんなの。」

「...」


曖昧だなぁ...

ってか、どうしたんだ?シリアスになった!?

イヤイヤイヤイヤ、それはない。

だってコレ書いてるヤツがヘボいからシリアスになんてならない、なれない。

どうしたものかと悩んでいると、目の前にドアップなシリウスの顔が...

「イヤ?」

「...イヤじゃありません。」

「なら良し。
じゃぁ、イギリスで暮らすから英語を翻訳機なしで話せるようになろうな。
そうと決まれば物事早めに取りかからないとな。練習、練習。」

...?
今何て??

英語翻訳機ナシで英語を話せるように練習しようって??

「ワタシミミガトオクナタアルヨ。星ガ綺麗ネ!!」

両耳を両手で隠してそっぽを向く。

しかしその抵抗も虚しく、やんわりと両手を外されそのままシリウスの手が私の耳をさわる。

「変態!セクハラ!!セクシーハラハラ!!!」

「何とでも。」

「〜!!!!」


そしてセクハラ大魔神は私の耳に付いている、イヤリング型翻訳機を外してくださいました。


『ちょっシリウス!翻訳機を返せ!!!(二重カッコは日本語)』

「何て言ってるかわかんねぇよ。英語で言ってみな??」


絶対に言ってる意味がわかるんだろう。

ニヤニヤしながら言って...挑発してくるのだから。

私はこれほどまで彼に怒りを感じたことはありませんでした。

つっても、もちろん彼、シリウスが放している英語を全くもって和訳することができませんが、
なんで意味がわかるかっていうと、ニヤニヤで予想がつくんじゃあ!!


『Bring me back my translation, please!』

旅行用に買っておいた和英辞書を片手にシリウスに向かって手を伸ばした。


「Well done.」

ニヤリと笑ってシリウスはご丁寧に頬にキスをしてから返してくださいました。


「何するのよ!?」

「何って...別になにも?なぁ、。」

「何よ。」

軽く睨み付けながら振り返ると盛大な笑顔で言い放ってくださいました。

「そぅ。何事にも初めてはあるものだ。 」

私はこれほどまで彼に怒りを感じたことはありませんでした。