バラ日記2010

バラの世話を通して見た風景、つぶやき、記録など(不定期更新)

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「最終段階」(2010年10月29日)

本番5日前です。盆過ぎてから1日しか休んでおりません。このまま放置&無農薬で新宿に突撃しようかとも思いましたが、ハウス内にスリップスの侵入を許したので、とうとう1発ぶちかましました。

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本命ステムは今日の段階で1花も咲かず、質的に今年はどんな感じなのか咲いてみないと分からない状態ですが、ガス抜き花はちらほら咲いています。やはり面白いのは「おてんば娘」な魅惑。左の写真は完全ノーマークの弱小ステムですが、今年は花がデカイ。これは全く覆輪が出ていませんが、あわてて覆輪が出る方向へ軌道修正(爆)
ゴールドと覆輪(←相反する条件だと私は思っています)をどのレベルで両立させるのが一番美しいか試行錯誤してます。

覆輪を出すのは比較的簡単ですが、ゴールドを出すのがクセ者です。つい最近まで温度かと思っていたところ、どうも温度だけでなく、光、ドーピング、血統間格差など、様々な要因が複雑に絡み合っているようです。(言い換えると、気温が急激に下がり、日照が少なくても、ドーピングである程度なんとかなるような感触もあります。)

それともう1つは、台木間格差。左は上から下まで魅惑の健康優良児の花(根っこはノイバラ)、右はロージーにパラサイトした同じ系統の魅惑。今のところ再現性よく色が違います。

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今後の天候次第でどれが「来る」のか分からないので、いろんなタイミングの武州6、手児奈11、メルヘン2、魅惑27の計46本を枝直ししました。特に魅惑は昨年1夜にしてゴールドが吹っ飛んだので、ドキドキものです。
新宿に持って行けるのは輸送の関係で13本だけです。最終的には今夜にでもあと6本追加して52本(倍率4倍)ぐらいにしようかと思っています。

枝直ししてもらえるかどうかが第1次予選、箱に入れてもらえる13本を選ぶのが第2次予選、その中から出品花を選ぶのが第3次予選・・・その後は私の手を離れます。

今年のバラ展、春のさぬきは千羽鶴1本、大阪はロージー1本だけ持参、秋の大阪は手ぶらだったので、そろそろいい事ないかな〜。

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「ステム伸長期」(2010年9月30日)

つい先日まで猛暑だったのに、気象庁の予報通り一転急降下。丁度、大阪用の剪定期間がずっと30℃越え(下手をすると35℃越え)だったので、おじけづいて20本ほどしか切りませんでした。その後も真夏日・猛暑日が続きましたが、新宿用は遅咲きを3日遅れ、早咲きを1日遅れで剪定終了です。

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ところが、左のグラフの赤線のように気温変化の推移を想定して剪定日を決めたものの、実際は黄線のような乱高下。先が読めません。

下の表は、想定した平均気温と実際の平均気温(気象台発表 )の差(「差」の欄)を、剪定日毎に積算したものです。例えば、新宿用プリンセスノブコは9月14日から切り始めましたが、想定から既にマイナス21.6℃、1日半遅れてます。今後の天気次第です。
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さて、剪定直前ぐらいからバラの調子がよろしくないです。葉先が枯れ込み(ネクローシス)、そのうち落葉し、いかにも塩類集積か根に障害があるように見えます。鉢にミミズが入るとよろしくないことは、毎年植え替えしているので感じていましたが(=ミミズ入りは土がドロドロで、根が少ない)、ここに来て調子のいい株と悪い株の間に、ミミズの量で強い相関があることに気付きました。

「状態がいい株」・・・ミミズがいない。土が水はけのいい状態で保たれている。土のpHは5.6〜6.0ぐらいを維持。
「状態が悪い株」・・・半端じゃないくらいミミズがいる。徐々に水はけが悪くなる。pHは何と6.8以上!(爆)

専門書などを読んでみましたが、

・ミミズは体内にカルシウムを蓄えており、ピートモスのような酸性のものを食べても、体内で中和して中性の糞を出す。

・標準的な大きさのミミズは、1年間で30リットルの土を入れ替える。(ということは、10号スリット鉢13.5リットルの中に5匹ミミズがいるだけで、あっという間に中和される?)

・pH 6.5を超えると、マンガンや鉄などが不可給態化する。
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・・・らしいです。
昨年も剪定前ぐらいから徐々に水はけが悪くなり、クロロシスが出始め、強引に葉面散布で回避しましたが、今思えばミミズの仕業だったかも。一昨年前まではそのようなことはありませんでしたが、そう言えば昨年から鉢を直接地べたに置くようになったなぁ。

ということで、ミミズ対策完了しました。現在pH 5.6〜5.8ぐらいに戻しています。やや気付くのが遅かったかも。

「来年は鉢を浮かせよう!」

SN3D0007.jpg武州(9月15日ソフトピンチ) SN3D0016.jpg手児奈(9月15日ハードピンチ) SN3D0018.jpg魅惑(9月17日夜ハードピンチ) SN3D0012.jpg魅惑(9月19日昼ハードピンチ) SN3D0009.jpgメルヘンケニギン(9月20日夜ハードピンチ)

1日5センチのステム伸長期に入りました。先のことは分かりませ〜ん。(笑)

「秋剪定の準備」(2010年8月19日)

猛暑日が続きます。真夏の晴天時、10万ルクスぐらいの明るさだそうですが、一方でバラの光飽和点(二酸化炭素濃度などが制限となり、それ以上光を強くしても光合成速度が増加しなくなる光の強さ)は、品種にもよりますが3万5000〜5万ルクス程度らしいです。
蒸し風呂覚悟で閉め切って炭酸ガス施用するわけにもいかないので(笑)、「5万ルクスは無駄」と勝手に決めつけ、ちょっとだけ遮光してます。単なる遮光ネットじゃなくて、赤外線を遮断するネットですが、確かに涼しい。夏バテしていたバラもやや生気を取り戻しつつあります。

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さて、秋の本剪定まで1ヶ月を切りました。ほとんどの枝が予定剪定高さを通過しつつありますが、フラワリングアウト(開花放任)はやめて、デシューティング(つぼみだけ除去し、伸びてくる芽をかき落とす)で待機することにしました。調子に乗ってピンチでつなぎ、無駄に上へ伸ばしすぎると、下葉が落ちたりするので、駆け引きです。

それとは別に、中間シュート的に下の方からするーっと出てきているのもちらほら。ソフトピンチでつなげば間に合うので大事にしています。ベーサルシュートも、盆までに1段目ピンチ出来たものは、新宿なら4段目採花がギリギリ可能なので残してますが、それ以降に出てきたものは見つけ次第除去してます。無駄なベーサルを下手に残して、せっかく切り戻し後に作ってきた枝をダメにするリスクは負いたくありません。

そろそろ数読みできるので、どの品種、どの株、どの枝をどのバラ展に割り当てるかと、いつ切るかをエクセルにて整理しました。昨年は108株で333本咲かせましたが、今年は109株で287本、大阪用が12品種104本、新宿用が6品種183本の予定です。去年より少ないですが、どうせ新宿には2日分で13本しか持っていかないので・・・。

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エクセルと共に我が家で活躍しているのがこの耐水紙。50枚で1000円弱ですが、エクセルでラベルを作成し、カラーレーザーでプリントして、裏側の端っこに両面テープを貼ると、水攻めにも薬剤散布にも耐えてくれるラベルの出来上がりです。(もちろん、接ぎ木の際の名札としても使えます。) A4の耐水紙1枚からラベルが40枚作れますので、コスト的にはかなりGoodです。

剪定までの間に芽を見ながらじっくり位置決めしつつ、このラベルをつけていきます。剪定当日は予定表を見ながら、ラベル直上の5枚葉の上で切るだけです。いざ切る時になって高さその他で悩む必要がないので、作業効率がよくなります。

剪定日(剪定部位の直径)、開花日、花の質(S, A, B以下の3段階)を油性ペンで書き込み、切り取っておけば、翌年までの暇な時にデータ整理して到花日数(=積算温度)が割り出せます。SかAランクの花だけに注目し、B以下のデータは「ノイズ」扱いです。(笑)

ひとつ不安要素が・・・。ハウスに換気口を新たに4箇所作ったので、温度変化が読めない。(爆)

しかし、こんなに暑い日が続くと「春向きか秋向きか」以外に「耐暑性があるか」も品種選びの重要なファクターになりますね。そう言えば面白いことに、魅惑をパラサイトしたロージークリスタル、ロージー部分の葉っぱが全て落ちたのに対し、何も接いでいないロージーは無事です。

「我慢比べ」(2010年8月9日)

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相変わらず暑い日々が続きます。ろくに薬剤散布もせずにここまで乗り切ってきましたが、そろそろ水攻めだけでは限界のようです。
7月末に一念発起して庭の草取り&マルチングをしましたが、案の定、雑草にいたらしいダニがバラに移行してきました。一応、庭に積み上げたりせずに速やかに捨てたんだけどなぁ〜。

中でも、最大の発生源が右の写真のジギタリスでした。

このダニがハウス内にも侵入。ジギタリスからハウスまで3メートルもないので無理もないですが、ぱっと見では分からん程度にちらほらいます。(ハウスの周りに堀が欲しい)

ところが・・・です。水攻めした後に脚立に登って空中支柱をじっくり見てみると、先端に集結しています。この支柱を取り付けるマイカ線、通常タイプの黒を使わずに白を愛用しているのは、「ダニが見つけやすい」という理由です。結構早く動き回ります。

よーく見ていると、尻から糸を出し風に乗って遠くへ降下したがる空挺団タイプ、ひたすら歩き続ける歩兵タイプ、行き止まりでじっと潜んでいる狙撃兵タイプなど色々いるようですが、全部手でつぶしました。

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さて、切りワラ、笹の葉、ケイントップなどを使って今年も堆肥を仕込みました。種菌らしい種菌は使わず、少量の堆肥と米ぬかで発酵開始です。

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